転生までが長すぎる!
さり気なく能力に目覚めていた同期生
ゴリラさん乱心事件の後、俺とイガグリは食堂で相談していた。
「こうなった以上、ゴリラ氏の性欲、もとい、兄欲を放置しておくわけにはいきません」
「といってもなぁ」
解決策などあるのだろうか。
この監獄みたいな場所では、発散する方法も限られてるし。
「方法はあります」
「あるのか」
「ええ。ゴリラ氏は決してショタコンではありません。ロリコンです」
「どの道ダメだよね」
「しかし、幼女と少年なら、幼女に興味を抱く方がまだまとも……え? まともですか?」
「だからダメなんだよ」
「と、ともかく、ゴリラ氏の凶行――今の状況は、あまりにも女性から遠ざかり過ぎたことが原因です」
「まあ、うん」
俺とイガグリはそんなことになっていない以上、本人の素養な問題の気もするが……
まあ、言わないでおこう。
「そこで私は考えました。こちらを」
イガグリがテーブルに一枚の紙を広げる。
「これは……?」
「この周辺のマップです」
「マップ?」
「ええ。苦労しましたよ。過去に脱走者がいたからでしょうね。この施設内に地図の類が一切ありませんでした。仕方ないので、自分で作ったわけです」
「マジか」
確かに地図は手書きだ。
途轍もない労力の産物だった。
「どうやって作ったんだ? この地図、俺らが立入禁止されてる区画の情報も載ってるぞ」
「ふふふ。忘れましたか? あのダンジョンの一件で、私がどんな力を手に入れたか」
スライムに食われる姿しか覚えていない。
が、よくよく思い出してみると、確かに食われる寸前で何かやっていた気がする。
「あー、スライムとお喋りする力だっけ?」
「違います。我が能力は『モフモフ最高!』――あらゆる生物の言葉を理解する力です」
「ルビに無理があると思う」
便利そうではあるが。
チートとまではいかないが、能力としては当たりの部類だろう。
少なくとも、つぶあんをこしあんに変える力よりは役に立つ。
「この力で鳥たちから情報を集め、そのイメージで書き足しました。あくまで推測ですが、情報収集は綿密に行いましたからね。精度はそれなりのはずです」
「おい、ホントに役に立ってるじゃないか」
無駄に優秀なヤツだ。
流石、座学で常に一位をキープしているだけのことはある。
まあ、ゴリラさんと中学生込みで、四人中の一位だが。
「で、この地図でどうするんだ?」
「最初に言ったでしょう。ゴリラ氏の暴走は女ひでりが原因。ならば、改めて女体の良さを思い出させれば、マメシバ少年に対する感情も薄れるはず」
「女に対する関心を取り戻させるってことか。けど、どうやって?」
「ここを見てください。訓練場から出てすぐのところに、銭湯があります」
まさか。
コイツ、まさか。
「もう分かりましたね……? 女性を見に行くのです。そう――女湯にね!」
「覗きじゃねーか!」
犯罪だ。
ここの法律は知らないが、少なくとも、ごめんなさいでは済まないだろう。
「ガキならともかく、俺らがやったらガチ犯罪だろうが。下手しなくても捕まるぞ」
「捕まるのが怖くて、女湯が覗けますか」
「なんて無駄な覚悟」
「とはいえ、あなたの言いたいことも分かります。犯罪を抑制する為に、犯罪を犯しては本末転倒。正義の悪は成り立たない。そういうことですね?」
そういうことだろうか。
そういうことではない気がする。
「では、セカンドプランです」
「セカンドプラン?」
「海に行きましょう」
海?
「こうなった以上、ゴリラ氏の性欲、もとい、兄欲を放置しておくわけにはいきません」
「といってもなぁ」
解決策などあるのだろうか。
この監獄みたいな場所では、発散する方法も限られてるし。
「方法はあります」
「あるのか」
「ええ。ゴリラ氏は決してショタコンではありません。ロリコンです」
「どの道ダメだよね」
「しかし、幼女と少年なら、幼女に興味を抱く方がまだまとも……え? まともですか?」
「だからダメなんだよ」
「と、ともかく、ゴリラ氏の凶行――今の状況は、あまりにも女性から遠ざかり過ぎたことが原因です」
「まあ、うん」
俺とイガグリはそんなことになっていない以上、本人の素養な問題の気もするが……
まあ、言わないでおこう。
「そこで私は考えました。こちらを」
イガグリがテーブルに一枚の紙を広げる。
「これは……?」
「この周辺のマップです」
「マップ?」
「ええ。苦労しましたよ。過去に脱走者がいたからでしょうね。この施設内に地図の類が一切ありませんでした。仕方ないので、自分で作ったわけです」
「マジか」
確かに地図は手書きだ。
途轍もない労力の産物だった。
「どうやって作ったんだ? この地図、俺らが立入禁止されてる区画の情報も載ってるぞ」
「ふふふ。忘れましたか? あのダンジョンの一件で、私がどんな力を手に入れたか」
スライムに食われる姿しか覚えていない。
が、よくよく思い出してみると、確かに食われる寸前で何かやっていた気がする。
「あー、スライムとお喋りする力だっけ?」
「違います。我が能力は『モフモフ最高!』――あらゆる生物の言葉を理解する力です」
「ルビに無理があると思う」
便利そうではあるが。
チートとまではいかないが、能力としては当たりの部類だろう。
少なくとも、つぶあんをこしあんに変える力よりは役に立つ。
「この力で鳥たちから情報を集め、そのイメージで書き足しました。あくまで推測ですが、情報収集は綿密に行いましたからね。精度はそれなりのはずです」
「おい、ホントに役に立ってるじゃないか」
無駄に優秀なヤツだ。
流石、座学で常に一位をキープしているだけのことはある。
まあ、ゴリラさんと中学生込みで、四人中の一位だが。
「で、この地図でどうするんだ?」
「最初に言ったでしょう。ゴリラ氏の暴走は女ひでりが原因。ならば、改めて女体の良さを思い出させれば、マメシバ少年に対する感情も薄れるはず」
「女に対する関心を取り戻させるってことか。けど、どうやって?」
「ここを見てください。訓練場から出てすぐのところに、銭湯があります」
まさか。
コイツ、まさか。
「もう分かりましたね……? 女性を見に行くのです。そう――女湯にね!」
「覗きじゃねーか!」
犯罪だ。
ここの法律は知らないが、少なくとも、ごめんなさいでは済まないだろう。
「ガキならともかく、俺らがやったらガチ犯罪だろうが。下手しなくても捕まるぞ」
「捕まるのが怖くて、女湯が覗けますか」
「なんて無駄な覚悟」
「とはいえ、あなたの言いたいことも分かります。犯罪を抑制する為に、犯罪を犯しては本末転倒。正義の悪は成り立たない。そういうことですね?」
そういうことだろうか。
そういうことではない気がする。
「では、セカンドプランです」
「セカンドプラン?」
「海に行きましょう」
海?
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