勇者に殺された俺はどうやら迷宮の主になったようです
迷宮の構築 01
目覚めるとそこは暗く何も見えない。
己の肉体は、まあ、ゴーレムから変化はないみたいだが……。
なあ、明るくは出来ないのか?
【-可能ですよ、明かりを調整します-】
『ありがとう』
少し待つと、徐々に明かりが満ちていく。
そして、どうやら俺は、洞窟らしき所にいるみたいだ。
壁や地面は土岩で出来、周りを隙間なく囲んでいる。
『これって、大きくできないのか? それに、ここから出られないのか?』
【-増築は可能です-】
【-ここから出る方法は異空間生成するのみです-】
なるほどね。
つまりは、アンリに会うには後半月ほどは、魔力が回復するのを待たないといけないということか。
『それで、俺には部下はいないの?』
【-主は特別であり、獣を買う、もしくは連れてくる必要があります-】
【-獣一覧を表示しますか?-】
『ああ、頼む』
【迷宮管理権限】
【迷宮モンスター一覧を表示します】
【ゴブリン・10p】
【スライム・5p】
うん、あれれ?
これだけ?
『少なすぎじゃないか?』
【-主の保有pは現在100pであり、これが限度です-】
『因みに、一番高いのは?』
【-ドラゴン・100000000pです-】
はい?
あれ、見間違えたかな。
ええと、いち、じゅう、ひゃく……。
……一億pだった。
およそ、100万倍のpが必要とか。
『じゃあ、連れてくるのは?』
【-他の迷宮主を配下にすることです。ですが、今の戦力では不可能です-】
『そりゃあそうか』
流石にスライムやゴブリンで、ドラゴンを捕獲できるとは思えない。
それに、そんなに強いんじゃあ、制御できないかもしれないし。
『じゃあ、ゴブリンを8体、スライムを4体買うよ』
【迷宮管理権限・モンスターの購入】
【ゴブリン8、スライム4】
【Yes/No】
もちろん、Yesを選択。
これで、出現するのか?
【迷宮管理権限、出現を許可しますか?】
もちろん、Yes。
すると、辺りが赤く光り、不思議な文様が地に走る。
そして、その上に、小さ目なモンスターに、ドロドロしたモンスターが召喚される。
『やあ、俺が主だ』
[ア、ダ?]
どうやら、俺の言葉をあまり理解していないように感じる。
これって、どうすればいいんだ?
【-モンスター語に切り替えます-】
モンスター語?
「アジウ様、命令ヲクダイサ」
と、片言で、なんだか少しばかり間違ってはいるが、会話に成功した。
ゴブリンたちは片膝を付き、さながら兵士のようだ。
スライムは、くねくねと、ドロドロな体を揺らしている。
話が通じているのだろうか?
まぁ、いいや。
『今から、迷宮内の工事を始める。俺が命令したら従え』
「ヒア、モチンド」
どうやら、言葉の教育から始める必要があるみたいだ。
☆~☆~☆~
数日かけて、言葉の指導をした結果。
少しはよくなり。
「アルジ、サマ、オワリ、シタ」
『おう、オツカレ。じゃあ、次はこれやってくれ』
「ハイ、ヤリマシュ」
うーん、正直良くなったのか――?
微妙ではあるが、まぁ、最初に比べればマシか。
それにしても、ゴブリンたちも最初こそ戸惑っていたものの、今じゃあ、俺の望通りに忠実に作業に勤しんでいる。
まずは、新しい部屋の増築。
今の所、最初の部屋と同じ大きさの部屋が1つ出来上がり、二つ目を作っている最中だ。
ゴブリンたちはお腹が空くことも無く、俺もそこらの岩を食べれば、別に何も問題なしだ。
どうやら、魔力は異空間生成とかの特別なことのみにしか使えないようで。
ゆっくりとではあるが、体内に熱が広がっていく。
『そういえば、魔力値とかって見られないのか? 確か、勇者には鑑定スキルとかいうのがあったはずだけど?』
【-迷宮管理権限により調べられます-】
【-一覧を示します-】
【迷区のゴーレム】
【ゴブリン】
【スライム】
【-次に能力値を展開します—】
【迷区のゴーレム】
・攻撃値5・防御値50・魔力値1
・スキル
‹迷区の主E›・‹自動回復C›・‹打撃耐性A›・‹衝撃緩和A›
【ゴブリン】
・攻撃値5・防御値1・魔力値0
・スキル
‹迷区の恩恵›・‹俊敏増加E›・‹自己回復E›
【スライム】
・攻撃値1・防御値10・魔力値2
・スキル
‹迷区の恩恵›・‹雷耐性C›・‹打撃耐性S›・‹自己回復E›
なるほどねえ、道理で斧の勇者の攻撃が全く効かないわけだ。
やはり、相性最悪の組み合わせだったのか。
それにしても魔力1って、やっぱり少ないな。
スライムにすら負けるのか、いやゴブリンは0だし、まあいいのか?
なあ、迷宮って、攻められることはある?
それこそ、例えば勇者が来るとか……?
【-それには迷宮が条件をクリアする必要があります-】
【-具体的に、モンスターのレベル、迷宮内のレベルなどがあります。それらをクリアしないと、迷宮として顕現することは不可能です-】
やはりあるか。
確か、かつてアンリと訪れた迷宮は、モンスターは居なかったんだよな。
俺って何をすればいいと思う?
【-主は迷宮の主でありますので、最後の門番となります。また、迷宮には、宝庫が必要となります-】
宝庫?
それって、財宝とか?
【-はい。ですが、空箱でも構いません。但し、その場合は人気が無い迷宮となるでしょう-】
まあ、確かに宝箱の中身が空っぽとか誰もこないか。
いや、駆け出し冒険者なら来るかもしれないな。
【迷宮管理権限】
【迷宮の増築によりpが付与されます】
【贈与・100p】
うん?
なんだか、いきなり通ったからよく見えなかった。
【-つまるところ、迷宮内の増築をしたことに対するpが付与されました—】
「ちょっと、待ってくれ。付与? それって誰が? そもそも迷宮ってなんなんだ?」
【-迷宮は、通常自然物です。しかし、主の迷宮は別です-】
「別? それはどういう意味だ?」
【-理解不能、返答不能、その答えはありません-】
ようは、人工知能さんもわからないってことか。
まぁ、よくよく考えれば、どうして俺がゴーレムになったかも未だに理解不能だし、それこそ、何か異形な力が働いたのかもしれない。
結局、意味不明だ。
だけど、迷宮。
これがある限り、アンリには会うことが出来るのだ。
今は、それだけがわかればいいや。
己の肉体は、まあ、ゴーレムから変化はないみたいだが……。
なあ、明るくは出来ないのか?
【-可能ですよ、明かりを調整します-】
『ありがとう』
少し待つと、徐々に明かりが満ちていく。
そして、どうやら俺は、洞窟らしき所にいるみたいだ。
壁や地面は土岩で出来、周りを隙間なく囲んでいる。
『これって、大きくできないのか? それに、ここから出られないのか?』
【-増築は可能です-】
【-ここから出る方法は異空間生成するのみです-】
なるほどね。
つまりは、アンリに会うには後半月ほどは、魔力が回復するのを待たないといけないということか。
『それで、俺には部下はいないの?』
【-主は特別であり、獣を買う、もしくは連れてくる必要があります-】
【-獣一覧を表示しますか?-】
『ああ、頼む』
【迷宮管理権限】
【迷宮モンスター一覧を表示します】
【ゴブリン・10p】
【スライム・5p】
うん、あれれ?
これだけ?
『少なすぎじゃないか?』
【-主の保有pは現在100pであり、これが限度です-】
『因みに、一番高いのは?』
【-ドラゴン・100000000pです-】
はい?
あれ、見間違えたかな。
ええと、いち、じゅう、ひゃく……。
……一億pだった。
およそ、100万倍のpが必要とか。
『じゃあ、連れてくるのは?』
【-他の迷宮主を配下にすることです。ですが、今の戦力では不可能です-】
『そりゃあそうか』
流石にスライムやゴブリンで、ドラゴンを捕獲できるとは思えない。
それに、そんなに強いんじゃあ、制御できないかもしれないし。
『じゃあ、ゴブリンを8体、スライムを4体買うよ』
【迷宮管理権限・モンスターの購入】
【ゴブリン8、スライム4】
【Yes/No】
もちろん、Yesを選択。
これで、出現するのか?
【迷宮管理権限、出現を許可しますか?】
もちろん、Yes。
すると、辺りが赤く光り、不思議な文様が地に走る。
そして、その上に、小さ目なモンスターに、ドロドロしたモンスターが召喚される。
『やあ、俺が主だ』
[ア、ダ?]
どうやら、俺の言葉をあまり理解していないように感じる。
これって、どうすればいいんだ?
【-モンスター語に切り替えます-】
モンスター語?
「アジウ様、命令ヲクダイサ」
と、片言で、なんだか少しばかり間違ってはいるが、会話に成功した。
ゴブリンたちは片膝を付き、さながら兵士のようだ。
スライムは、くねくねと、ドロドロな体を揺らしている。
話が通じているのだろうか?
まぁ、いいや。
『今から、迷宮内の工事を始める。俺が命令したら従え』
「ヒア、モチンド」
どうやら、言葉の教育から始める必要があるみたいだ。
☆~☆~☆~
数日かけて、言葉の指導をした結果。
少しはよくなり。
「アルジ、サマ、オワリ、シタ」
『おう、オツカレ。じゃあ、次はこれやってくれ』
「ハイ、ヤリマシュ」
うーん、正直良くなったのか――?
微妙ではあるが、まぁ、最初に比べればマシか。
それにしても、ゴブリンたちも最初こそ戸惑っていたものの、今じゃあ、俺の望通りに忠実に作業に勤しんでいる。
まずは、新しい部屋の増築。
今の所、最初の部屋と同じ大きさの部屋が1つ出来上がり、二つ目を作っている最中だ。
ゴブリンたちはお腹が空くことも無く、俺もそこらの岩を食べれば、別に何も問題なしだ。
どうやら、魔力は異空間生成とかの特別なことのみにしか使えないようで。
ゆっくりとではあるが、体内に熱が広がっていく。
『そういえば、魔力値とかって見られないのか? 確か、勇者には鑑定スキルとかいうのがあったはずだけど?』
【-迷宮管理権限により調べられます-】
【-一覧を示します-】
【迷区のゴーレム】
【ゴブリン】
【スライム】
【-次に能力値を展開します—】
【迷区のゴーレム】
・攻撃値5・防御値50・魔力値1
・スキル
‹迷区の主E›・‹自動回復C›・‹打撃耐性A›・‹衝撃緩和A›
【ゴブリン】
・攻撃値5・防御値1・魔力値0
・スキル
‹迷区の恩恵›・‹俊敏増加E›・‹自己回復E›
【スライム】
・攻撃値1・防御値10・魔力値2
・スキル
‹迷区の恩恵›・‹雷耐性C›・‹打撃耐性S›・‹自己回復E›
なるほどねえ、道理で斧の勇者の攻撃が全く効かないわけだ。
やはり、相性最悪の組み合わせだったのか。
それにしても魔力1って、やっぱり少ないな。
スライムにすら負けるのか、いやゴブリンは0だし、まあいいのか?
なあ、迷宮って、攻められることはある?
それこそ、例えば勇者が来るとか……?
【-それには迷宮が条件をクリアする必要があります-】
【-具体的に、モンスターのレベル、迷宮内のレベルなどがあります。それらをクリアしないと、迷宮として顕現することは不可能です-】
やはりあるか。
確か、かつてアンリと訪れた迷宮は、モンスターは居なかったんだよな。
俺って何をすればいいと思う?
【-主は迷宮の主でありますので、最後の門番となります。また、迷宮には、宝庫が必要となります-】
宝庫?
それって、財宝とか?
【-はい。ですが、空箱でも構いません。但し、その場合は人気が無い迷宮となるでしょう-】
まあ、確かに宝箱の中身が空っぽとか誰もこないか。
いや、駆け出し冒険者なら来るかもしれないな。
【迷宮管理権限】
【迷宮の増築によりpが付与されます】
【贈与・100p】
うん?
なんだか、いきなり通ったからよく見えなかった。
【-つまるところ、迷宮内の増築をしたことに対するpが付与されました—】
「ちょっと、待ってくれ。付与? それって誰が? そもそも迷宮ってなんなんだ?」
【-迷宮は、通常自然物です。しかし、主の迷宮は別です-】
「別? それはどういう意味だ?」
【-理解不能、返答不能、その答えはありません-】
ようは、人工知能さんもわからないってことか。
まぁ、よくよく考えれば、どうして俺がゴーレムになったかも未だに理解不能だし、それこそ、何か異形な力が働いたのかもしれない。
結局、意味不明だ。
だけど、迷宮。
これがある限り、アンリには会うことが出来るのだ。
今は、それだけがわかればいいや。
「勇者に殺された俺はどうやら迷宮の主になったようです」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1,392
-
1,160
-
-
6,681
-
2.9万
-
-
176
-
61
-
-
66
-
22
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
450
-
727
-
-
5,039
-
1万
-
-
5,217
-
2.6万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
8,191
-
5.5万
-
-
2,534
-
6,825
-
-
3,152
-
3,387
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
3,548
-
5,228
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
6,199
-
2.6万
-
-
1,295
-
1,425
-
-
1,000
-
1,512
-
-
6,675
-
6,971
-
-
218
-
165
-
-
2,860
-
4,949
-
-
6,044
-
2.9万
-
-
3万
-
4.9万
-
-
89
-
139
-
-
344
-
843
-
-
104
-
158
-
-
398
-
3,087
-
-
76
-
153
-
-
6,237
-
3.1万
-
-
1,863
-
1,560
-
-
3,653
-
9,436
-
-
14
-
8
-
-
7,474
-
1.5万
-
-
108
-
364
-
-
4
-
1
-
-
215
-
969
-
-
2,629
-
7,284
-
-
33
-
48
-
-
71
-
63
-
-
2,951
-
4,405
-
-
88
-
150
-
-
27
-
2
-
-
116
-
17
-
-
2,430
-
9,370
-
-
614
-
1,144
-
-
265
-
1,847
-
-
83
-
2,915
-
-
3,224
-
1.5万
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
9,545
-
1.1万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
9,173
-
2.3万
コメント