神獣殺しの精霊使い
第21話 管理者
世界最大の首都、それがラルトルス国だ。
国民、領土ともに世界最大を誇る大国であり、2000年にも及ぶ歴史、そして戦力があった。
世界3大帝国と呼ばれる、ラルトルス帝国、エルフ帝国、魔族帝国の中でも絶大な力を保持し続けてきたラルトルス帝国には精霊使いと呼ばれる者たちがいた。
総勢、1000人ほどである。
だが、一部の者たちの力は絶大すぎた。
それは、もうこの世のものとは思えないほどにだ。
だから世の者たちは彼らを恐れ尊敬しこう呼んだ。
精霊神と。
それは人間が神と同じ地位に立つということを意味していた。
後に、世界滅亡の引き金を引いたともいわれる彼らだが、まだそのことを知る物はこの世にはいない。
いないのだ。
と、そこまで読んだところで男は本をテーブルに置いた。
「馬鹿馬鹿しい。 これを書いた奴は君たちのことなんて何もわかってない。わかってないどころかねつ造している」
豪華な椅子に座りながら男は呟いた。
男は目の前に座る、少年に問いかける。
「そうは思わないかね? これほど馬鹿馬鹿しい話もないとは思わないか?」
「……」
男の問いに、男の目の前に座る……いや座るというよりも縛り付けられている少年は無言を貫いた。
「そうですか……私のことなんて眼中にないのですか。 流石は精霊神と言ったところでしょうか?」
男は愉快そうに笑いながら、ワインのボトルを開け一口飲んだ。
ボトルはボロボロではあったが中身は赤い液体が綺麗に透き通っていた。
「……それをどこで手に入れた」
と、無言を貫いていた少年はやっと、男に目を向けた。
だが、その眼にはやる気と言ったものは無く、虚無だった。
「やあっと、反応してくれましたか。 まったく待ちくたびれましたよ……で、これですか? これは拾ったんですよ?」
「そんなわけないだろ」
「はい?」
男は少年を小ばかにするように、ふと笑った。
そしてワインをまた一口含み。
「まったく、君は馬鹿ですね。 無表情を貫けばバレなかったかもしれないのにねえ」
「……」
「おや?_また無言ですか?」
「……」
「はははっ。 わかりましたよ、そんなに怖い顔で睨まないで下さいよ」
「……条件は?」
「そんなことは何も言ってないのですがねえ……まあいいでしょう。 条件は一つです。奴を殺しなさい。 それによりこの記事も多少は信じられるようになるのかもしれませんねえ」
「……誰を」
「王ですよ」
そして、その日世界最大の国の王が殺された。
犯人は不明、動機も不明、凶器も不明。
何もかにも不明なこの事件は王国の戦力増加に繋がることとなるのだが、それは今は重要ではない。
王が死んだ。
それも殺された。
その意味は一つ。
国の崩壊。
すなわちは反王国戦力の台頭である。
だがそれすらも不明に終わることとなる。
世界最大の国の王が殺される。
それは難攻不落な城を攻め落とすということと同じである。
だからこそ、その事件はこういわれる。
不明な事件。
王死事件。
そしてこの事件の裏には、精霊神が関わっているという噂も流れたが、それはすぐにチリに消えることとなる。
かくして、その日王国は180度異なる存在へと変貌を遂げた。
2000年にも及ぶ歴史は消え。
世界には絶望が起きることとなる。
それが明日のことである。
だが、寝ている住民、そして彼と彼女はまだそのころは何も知らない。
起きた時驚く顔を見るのが楽しみだ。
これが私からの彼らへのクエストと言うものだろうか?
まあ、これでようやくストーリが動き始めるのだろう。
そして、私が望む未来につながるという。
ふふ。
なんだか懐かしいな。
彼を思いだす。
そう言えば、彼はあともう少しだったかな。
ほんとに惜しかった。
ふふ。
そしていつの日か、本当の終わりが来る日を私は望む。
この世界の管理者でもある、超次元管理システムと呼ばれる私は。
私を殺す、バグでもある、彼らに対して勝負をいどもう。
それにより、世界は楽しくなる。
暇つぶしにはなるかな。
ふふ。
世界は終わらない。
終わらせないよ。
アマカワケイスケクン。
いや、バルとルシア。
ふふ。
さあ、ゲームの開始だ。
国民、領土ともに世界最大を誇る大国であり、2000年にも及ぶ歴史、そして戦力があった。
世界3大帝国と呼ばれる、ラルトルス帝国、エルフ帝国、魔族帝国の中でも絶大な力を保持し続けてきたラルトルス帝国には精霊使いと呼ばれる者たちがいた。
総勢、1000人ほどである。
だが、一部の者たちの力は絶大すぎた。
それは、もうこの世のものとは思えないほどにだ。
だから世の者たちは彼らを恐れ尊敬しこう呼んだ。
精霊神と。
それは人間が神と同じ地位に立つということを意味していた。
後に、世界滅亡の引き金を引いたともいわれる彼らだが、まだそのことを知る物はこの世にはいない。
いないのだ。
と、そこまで読んだところで男は本をテーブルに置いた。
「馬鹿馬鹿しい。 これを書いた奴は君たちのことなんて何もわかってない。わかってないどころかねつ造している」
豪華な椅子に座りながら男は呟いた。
男は目の前に座る、少年に問いかける。
「そうは思わないかね? これほど馬鹿馬鹿しい話もないとは思わないか?」
「……」
男の問いに、男の目の前に座る……いや座るというよりも縛り付けられている少年は無言を貫いた。
「そうですか……私のことなんて眼中にないのですか。 流石は精霊神と言ったところでしょうか?」
男は愉快そうに笑いながら、ワインのボトルを開け一口飲んだ。
ボトルはボロボロではあったが中身は赤い液体が綺麗に透き通っていた。
「……それをどこで手に入れた」
と、無言を貫いていた少年はやっと、男に目を向けた。
だが、その眼にはやる気と言ったものは無く、虚無だった。
「やあっと、反応してくれましたか。 まったく待ちくたびれましたよ……で、これですか? これは拾ったんですよ?」
「そんなわけないだろ」
「はい?」
男は少年を小ばかにするように、ふと笑った。
そしてワインをまた一口含み。
「まったく、君は馬鹿ですね。 無表情を貫けばバレなかったかもしれないのにねえ」
「……」
「おや?_また無言ですか?」
「……」
「はははっ。 わかりましたよ、そんなに怖い顔で睨まないで下さいよ」
「……条件は?」
「そんなことは何も言ってないのですがねえ……まあいいでしょう。 条件は一つです。奴を殺しなさい。 それによりこの記事も多少は信じられるようになるのかもしれませんねえ」
「……誰を」
「王ですよ」
そして、その日世界最大の国の王が殺された。
犯人は不明、動機も不明、凶器も不明。
何もかにも不明なこの事件は王国の戦力増加に繋がることとなるのだが、それは今は重要ではない。
王が死んだ。
それも殺された。
その意味は一つ。
国の崩壊。
すなわちは反王国戦力の台頭である。
だがそれすらも不明に終わることとなる。
世界最大の国の王が殺される。
それは難攻不落な城を攻め落とすということと同じである。
だからこそ、その事件はこういわれる。
不明な事件。
王死事件。
そしてこの事件の裏には、精霊神が関わっているという噂も流れたが、それはすぐにチリに消えることとなる。
かくして、その日王国は180度異なる存在へと変貌を遂げた。
2000年にも及ぶ歴史は消え。
世界には絶望が起きることとなる。
それが明日のことである。
だが、寝ている住民、そして彼と彼女はまだそのころは何も知らない。
起きた時驚く顔を見るのが楽しみだ。
これが私からの彼らへのクエストと言うものだろうか?
まあ、これでようやくストーリが動き始めるのだろう。
そして、私が望む未来につながるという。
ふふ。
なんだか懐かしいな。
彼を思いだす。
そう言えば、彼はあともう少しだったかな。
ほんとに惜しかった。
ふふ。
そしていつの日か、本当の終わりが来る日を私は望む。
この世界の管理者でもある、超次元管理システムと呼ばれる私は。
私を殺す、バグでもある、彼らに対して勝負をいどもう。
それにより、世界は楽しくなる。
暇つぶしにはなるかな。
ふふ。
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