Jack of all trades ~主人公ポジションを奪います~

フランク 相川

第三十五話 私、俺の悩み

今回は少し書き方を変えようと思います




恵奈賀
「はぁ、なんで気づかないんだろう」
マスター
「何かお困りでも?」
恵奈賀
「さっき、若い男の人がいたじゃないですか。私、かなりアピールしてると思うんですがどうにも鈍感で……」
マスター
「ああ、青春ですねぇ」
恵奈賀
「私、もともと同じ部にいたんですよ。それで関わっていくうちに好きになっちゃって」
マスター
「好きになった理由をお聞きしても?」
恵奈賀
「……と…れ…」
マスター
「はい?」
恵奈賀
「ひ、一目惚れ、なんです。最初にあったときになんかビビッときたんです。そこで彼のことが気になり始めてだんだん目で追うようになり……」
マスター
「なるほど、私にはお酒で愛を伝えていたように見えましたけど」
恵奈賀
「あいつは何も解ってないんですよ!他の人の恋愛にはすごく反応するのに、私がどれだけアピールしても気づかないんですよ!」
マスター
(多分彼は解ってて頼んだんだろうな。耳赤かったし)
「とりあえずこれでも飲んで元気になってください」
恵奈賀
「これは?」
マスター
「フロリダというお酒です。酒言葉は”元気”です」
恵奈賀
「そのまんまですね。まぁ、ありがとうございます」

カランコロン
マスター
「いらっしゃい」
谷鴉
「ふぅ、疲れた」
マスター
「おや、あなたは先ほどの」
谷鴉
「はい、王様と一緒にいた人です。あの、恵奈賀は?」
マスター
「お嬢さんなら先ほど帰っていきましたよ」
谷鴉
「そ、そうですか(えぇ、残念だなぁ。一緒にお酒飲んでかわいい顔をこの目に焼き付けたかったのに……)」
マスター
「……こちらをどうぞ」
谷鴉
「ウォッカ……ギブソン?」
マスター
「今のあなたに一番お似合いかと」
谷鴉
「”隠せない気持ち”……でしたっけ?」
マスター
「貴方はもう少し自分に自信を持った方がいいですよ。貴方は今まだアプリコットフィズ振り向いてのような状態です」
「そういえばどこに惚れたんですか?」
谷鴉
「……め…ぼ…」
マスター
「はい?」
谷鴉
「一目惚れです」
マスター
(なんでこいつら付き合わないんだ?微笑ましいけども!)
「はぁ、なぜ告白しないんですか?」
谷鴉
「怖いんだ。何もせずただ強くてモテモテのような人とは違うんだ。俺には何もない!何もないんだ……」
マスター
「……お客さん、これを」
谷鴉
「……ハハ、ウィスキー・マック心を穏やかにですか。そうですねもう少し前向きにならないといけませんね!」
マスター
「頑張ってください!」

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