第三十四話　デジャブ

タイトル通りデジャブだ。

「俺の娘がぁ～。結婚！！！！！！」
「王様、なんで泣くんですか？喜ばしいことじゃないですか。あぁ、マスター、ジントニック」

第二十六.五話を見た人ならわかるだろう。
それと全く同じ状況だ。
だが違うとしたら

「矢田部、あんたまだ子供だよね……こいつと同じやつ」
「お前も飲むのかよ！」

こいつがいることだろう。酒の知識もないのに大丈夫だろうか。
にしてもこのバーはいいね。隣でジャズの生演奏だ。

「しかもハルト君とだよ！大丈夫かな～」
「大丈夫ですよ。悠人はいいやつですから」

一応一夫多妻の結婚だ。心配もするだろう。
まぁ、俺は恵奈賀がいれば十分だ。
……まだこくってないけど。

「飲み終わっちゃった。ねぇ矢田部、なんか私に似合いそうなやつってない？」
「う～～～ん。マスター、お嬢さんにスクリュードライバーを」
「！かしこまりました（カクテル言葉は確か”あなたに心を奪われた”だったような)。」

まぁだが、大丈夫だろう。悠人は強い男だ！
彼の隣にいればあの子たちも大丈夫だろう。

「そういえば結婚式はいつなんですか？」
「一カ月後だそうだ」
「へぇ、そうなんですか。あ、飲み終わっちゃった」
「あ、マスター、こいつにワインクーラーを」
「！かしこまりました（えぇ、確かカクテル言葉は”私を射止めて”だったような)。」

なんだ、こいつも多少なりとも知識はあるのか。
せっかくかっこいいところを見せつけることが出来るチャンスだったのに。

　　　　　～島崎　視点～
「俺の娘がぁ～。結婚！！！！！！」
「王様、なんで泣くんですか？喜ばしいことじゃないですか。あぁ、マスター、ジントニック」

矢田部とバーに来た。王様に付き合わされるところに私も行きます！って言ったらこうなってしまった。初めてのバーは叔母さんと同じように二人だけがよかったな。
にしても矢田部、お酒の知識とかあるんだ意外。

「矢田部、あんたまだ子供だよね……こいつと同じやつ」
「お前も飲むのかよ！」

確か叔母さんの彼氏はバーテンダーで貸し切り状態でお酒で告白したんだっけ。
確か、カクテル言葉ってやつ。

「しかもハルト君とだよ！大丈夫かな～」
「大丈夫ですよ。悠人はいいやつですから」

確かに悠人くんはいい子だけど一夫多妻は心配するよね。
私だったら絶対に自分だけの物にするなぁ。
チラッ……。

「飲み終わっちゃった。ねぇ矢田部、なんか私に似合いそうなやつってない？」
「う～～～ん。マスター、お嬢さんにスクリュードライバーを」
「！かしこまりました」

そう言えば確か、スクリュードライバーのカクテル言葉は……///
へぇ、私に宣戦布告するなんていい度胸じゃない。
次は私の番だね。

「飲み終わっちゃった。ねぇ矢田部、なんか私に似合いそうなやつってない？」
「う～～～ん。マスター、お嬢さんにスクリュードライバーを」
「！かしこまりました」

さぁ！どう動く！
……あれ？なんか普通に飲んでる。
まさかこいつ解ってない！？
なんか一人だけではしゃいで恥ずかしい。

　　　～矢田部　視点～
王様、いつまで飲むんだよ。もう8杯だぞ。

「王様、大丈夫ですか？」
「う、うん。も、もぅだいじょうぶぅ」

駄目みたいですね。
俺は酔いつぶれた王様をおぶり、城に戻った。

「すまん、恵奈賀。これを置きに行くから先に帰ってるね」
「うん、わかった」

最初のバーは二人で行きたかったな。