Jack of all trades ~主人公ポジションを奪います~

フランク 相川

第十九話 龍と狼ってかっこいいよね 

「うわぁ、矢田部くん、だっさぁ!」
「おぉん……。」
それは言わなくてもいいじゃないか。
「あ、あの、なんかすみません」
「とりあえず、なぜこんなところに?」
「じ、実はですね……」
なんか言いにくいことなのかな。
ここは紳士的な対応をしなくては!
「すみません。
 レディに失礼でしたね。」
「いえいえ、そんなことないですよ、ジェントルマン」
それはよかった。
ん?
待てよ。なんでこいつ英語わかるんだ?
「あの、あなた達は一体どうゆう妖精なんですか?」
「「はい?」」
「いえ、魔法言語が解るなんて妖精とかですよね?」
「ちょっといいですか、お嬢さん。……恵奈賀。」
「う、うん。」
(え、どういうこと?)
(多分この世界では英語が魔法の言語なんだと思う。ほら、技名とかもそうだし。)
(なるへそ。)
確かに皆魔法を使うときにだっさぁい英語を使っている。
かくいう俺もワープするときに、
「歪み!」と叫んでいると思うと恥ずかしい。
「あ、あの?」
「はい」
「あなたの名前は何ですか?」
とりあえず、この人がなんなのかを知らないと話が始まらない。
「私の名前はアルバ=ループスです」
えぇ、アルバかぁ。
あの犬を思い出しちゃうなぁ。
「私は恵奈賀と申します。」
「俺は谷鴉と申します。」
「え!?」
お、驚いているだとぉいるだとぉ!?
ま、まさか!
「わ、私です!ア、アルバです!」
OH MY GOD
これは俺にも主人公が務まるのではないか?
⦅作者:主人公です⦆
「ア、アルバなのか?」
「はい!あのアルバです!」
やべぇ、泣きそう!
我慢だ我慢!
「矢田部、なんで泣いてるの?」
あぁ、もう泣いてたか。
もういいや!
「だ、だっでぇ。あるばがぁぁ。」
「うぅぅぅ、ご主人様ぁぁぁぁあ!」
うわぁぁぁぁぁぁぁん!


「落ち着いた?」
「うん。ありがとう、背中とかさすってくれて。」
あの後俺は泣きまくって、1時間ほどアルバとの再開に感謝した。
「あ、あの、エナガさんはご主人様の奥さんですか?」
「「違います。」」
(息ピッタリじゃないですか……)
アルバの思っていることが何となくわかるような気がする。
「でも、なんでアルバがここに?」
「実はですね……」
ガサガサ
!?
なにか来る!
ズゥゥゥゥン!!!!
えっ
底には大型トラックほどの大きさをした怪物がいた。
「ド、ドラゴン?」
「あわわわ……」
わぁ、おおきいなぁ。
なんか、食べられそう。
「もう!その姿はやめてって言ったじゃん!」
「えぇ、でもこっちの方が動きやすいし……」
「だめです!私達の関係がバレたらどうするの?」
「うぅぅぅ、わかったよぉ」
シュゥゥゥ
え、
ドラゴンがひとの形になった。
「アルバ、この子たちは?」
「え、えっと、ヤ、ヤガラス、です」
やべぇ、片言になっちゃった。
「こ、腰抜けちゃった」
恵奈賀ぁ……。
「おぉぉぉお!君がヤガラス君かい?アルバから聞いてるよ。助けてくれてありがとう」
「は、はい」
「あぁ、自己紹介がまだだったね。僕はニグリオス=ドラコレックスだ。さっきはドラゴンに姿を変えていたが、どうか怖がらないでほしい」
ニグリオスさんはあれか龍族っていうやつか。
「僕は龍族と悪魔の混血なんだよ」
わぉ、こりゃまたすんごいキャラが出たね。
「そういえばそこのお嬢ちゃんの名前は?」
「え、恵奈賀です」
「そうか、楽しそうな夫婦だね!」
「「いえ、そういうのではありませんので」」
(え、でも息ピッタリやん)
さっきのアルバと同じ顔をしている。
「そういえばアルバさんはどの種族何ですか?」
「私はハクヨクロウという種族よ。」
は、はくよくろう?
漢字がわからん。
すると突然
バサッっという音と共にアルバが変身した。
見た目は狼に翼が生えている。
いや、かっこよすぎるだろ!
真っ白で綺麗で神々しい!
あぁ、白翼狼はくよくろうね。はいはい。
逆にニグリオスさんはなんか禍々しいけど、どこか神々しい龍なんだよなぁ。
なんか神話生物の解説みたいだな。
結論
どっちもかっこいい。Q.E.D 証明終了

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