Jack of all trades ~主人公ポジションを奪います~

フランク 相川

第十六話 兵器開発ってきついよ

「おぉ、おかえり」
カチャッ
「矢田部、何やってんの!?」
「何ってボスに銃を向けてるだけ。
 ボス、いつの時代から来ましたか?」
「ヤガラス!何してるんだ!ジュウを捨てろ!」
「……やめておいた方がいい。」

なるほど、こいつらは銃について知っているのか。

「ほぅ、S&Wスミス アンド ウェッソンm29か?
 いい、趣味じゃねぇか。」
「ボス、答えてください。いつですか?」
「1965年だ。アメリカ軍のスパイをしていたんだ。
 ソ連旅行は楽しかったな。安心しろ日本は興味がない。
 同法が殺されたのはわかるが戦争だ。仕方がなかった。」
「……。
 すみません、ボス。
 日本人に何か敵意があったら怖かったので。」

もし、ボスが太平洋戦争中のアメリカ人だったら殺されかねん。

「いや、悪かった。あんなやり方をしてしまって。
 やはり怖かったからな。日本人は団結力が強いからな。」
「!ヤ、ヤガラス……!」
「ん?デザート、どうした?」
「……う、後ろ。」

へ?
うしろ?
ダァァァン!!!という音と共に俺は吹き飛んだ。

「グァァッ!」
「私のグスタフになにやってんのよ」

え、誰!?

「ド、ドーラ。そこまでにしてやってくれ。こいつも悪気があったわけでは……」
「黙って! 答えろガキ!
 何で私の愛しのグスタフにジュウを向けてたの?」
「あ、あの、ほんと、すみません。」


あの後ドーラさんにこぴっどく叱られました。
てか、あの人誰だよ!?
怖すぎんだろ。危うくおしっこちびっちゃいそうだった。

「おい、ヤガラス。
 次やったら殺すzzZ」

ね、寝っちゃった。
よくわからない人だなぁ。

「ドーラは、ああなると鬼になるから気をつけてね」
「あ、はい。そ、それはそうとボス!
 敵の方にどうも戦闘機があるらしいんですよ。」
「知ってる。
 ヤガラス君とエナガちゃん。ちょっとこっちに来てくれ。」
「「Yes Boss」」


「こいつを見てくれ」

こ、これは!

「ジェ、ジェットエンジンですか?」
「そうだ、実は戦闘機を作ろうと思ているんだ」

あぁ、
目には目を歯には歯をってやつか。

「間に合うんですか?」
「あぁ、間に合いはするんだが。
 ヤガラス君、いいニュースと悪いニュースがある。」
「わ、悪いニュースは?」
「またおつかいを頼むことになる」
「あ、はい。では、いいニュースっていうのは……。」

私はその昔
アメリカのスパイとして戦ってたんだ
その時にソ連が少し不思議な実験をしていたんだ
それに巻き込まれて私は死んでしまった
気づいたら農家の次男として育っていた
その世界はまるで物語にでも出てきそうな世界だったんだ
大きくなると冒険者として活動して
彼女に出会ったんだ
だけど、魔王軍との戦いが始まり魔物が増えていった
そこで私は足を無くしてしまった
ちなみに今つけているのは義足だ
今から19年前のことだ
一緒にいた冒険者たちは私のことをお荷物として扱うようになった。
けど
彼女は、ドーラは私のことをそれでも愛してくれた
新しい職も見つけ、子供も生まれ幸せだった
だが、戦争が激化して行き
私もなにか役に立てないか考えた
元冒険者として、元空軍として

「今の私は戦うことができない。そこでヤガラス君、君に操縦してもらいたい」
「え、戦闘機をですか?」

なぜ戦闘むけではない俺なんだ?

「君は前の世界の知識がある。それに女性に戦闘させるのは男として気が引ける」
「待ってください!
 矢田部じゃなくて私が行きます。」

「いや、恵奈賀。俺が行くよ、空飛びたいし。陸より危険だ。」
「ありがとう。
 ではこの城の裏手側に森があるんだ。そこに洞窟があって、その中に黄色い魔石があるはずだ。
 それを取ってきてもらいたい」
「Yes Boss!」
「取りに行くのは明日でいい。それよりも今日は戦闘機のデザインを君に頼みたい。いいかな?」
「わかりました。早速やってきます!」
「あ、矢田部、私も手伝うよ。」


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