Jack of all trades ~主人公ポジションを奪います~

フランク 相川

第十三話 昔話

 前回の後、和鷹一行はクラスで孤立した。
わけでもなくこれ以上何もしないのならみんなには言わないことになった。
姫様、優しすぎるよ。まぁ、田村がいいって言ってたからいいけど。
「そういえば、谷鴉くん。あの痣は大丈夫なの?」
「あぁ、田村をかばったやつか。大丈夫だよ。むしろ前の背中の傷の方が痛いよ。」
実は俺の背中には田村を庇って負った傷がある。あれはひどかった。一生消えない傷だ。
「そういえば、殴られそうになった時にいきなり来たけどあれは、何だったの?」
「あー、ワープをしたんだ。」
「すごっ!僕もやってみたい!」
んじゃ、俺が田村に空間魔法を教えてる間に傷の話でもするか。
中学の時に子犬が虐められているのを見つけて
助けようとして喧嘩してたら
たまたま押し倒されたところに尖った石があったんだ。
背中を切っちゃってやべぇとおもってたらその子犬が寄ってきて
ぺろってなめたら血が出てなかったんだよね。
とりあえず、俺の家は両親がその時旅行に行ってて
兄さんと家にいたんだ。
兄さんは当時大学生の三年で彼女さんもよく来てたな。
そういえば二人をくっつけたのも俺だっけ。
まぁ、話を戻すと帰ると一人だったからその犬を
洗ってあげたんだ。そしたらめちゃくちゃ綺麗な白でびっくりしたな。
犬種を調べてもよくわからなかった。
初めてネットって使えないと思ったね。
「谷鴉くん。こんな感じ?」
「あ、そうそう。」
話を戻そう。
その後、僕はその犬を放したんだ。
今思えば買っておけばよかったなと思う。
でも、中学生の俺には考えられなかった。
家のこともあったし。
裏に林があったんだがそこへやったんだ。
けど心配性の俺は翌日、様子を見ると元気に駆け寄ってきたんだ。
動物ってかわいいなぁ。
まぁ、7カ月後にいなくなったけど。
俺はそいつにアルバと名ずけたんだけどね。
「できた!」
「おぉ!すごいじゃん。」
「よし、もう一回練習だ。」
アルバの毛並みは白で緑と青のオッドアイ
だったな。
「かわいいなぁ。」
「え……、僕!?」
「ちげぇよ。」
「じゃぁ、島崎さん?」
「ちげぇよ。いや、違くないけど、ちげぇよ。」

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