ウクライナ危機!釈尊の戦争・平和観を考える

樺山 輝一

釈尊 4

 「先生、戦争は悲惨ですね。難民になっている女性や子供がたくさんいます」
 「おもい話が続いたので、『貧女の一灯』のお話しをしましょう。釈尊が祇園精舎で指導をしていた時のことです。国の王様が、釈尊にあかりを照らす油を供養しようと、牛馬車であぶらのつぼをたくさん運んでいました。それを知った一人の貧しい女性が、私も供養すると決意します。あぶら屋にいきますが、2枚のコインしかありません。『これだけ』とあぶらうりからいわれました。『お願いします。一生懸命働いて貯めた大事な大事なお金です。私も釈尊に供養をしたいのです』貧しい女性の真心を知ったあぶらうりは少し余分にあぶらを売りました。
 祇園精舎では王様が供養した大きなあかりがたくさんあります。そのなかで貧しい女性の供養した小さなあかりがぽつんとありました。
 女性はあかりを供養するときに願いをかけます。
 『この国にきてくださり大変ありがとうございます。いつまでもお元気でいてください。どうか釈尊の教えでこの国が平和でありますように食べ物に困らなくなりますように、みなが健康でありますようにみなが幸せでありますように』
 一点の汚れもない純粋な心で願いました。
 夜が明け王様の大きなあかりは消えました。ですが、貧しい女性の供養をした小さなあかりは消えていません。強い風が吹いても消えることはないのです。どうしてあかりが消えないのか弟子が釈尊に質問します。
 『女性が供養したあかりはみなを救いたい、幸せになってもらいたいという大きな真心でともされたあけりだからだよ』と、釈尊は答えました。

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