ウクライナ危機!釈尊の戦争・平和観を考える

樺山 輝一

釈尊 2

 「先生、釈尊の種族はジェノサイドを受けましたが、これはどういうことでしょうか」
 「コーサラ国からジェノサイドを受けました。釈迦族の国を属国化していた国で、釈尊の晩年、または入滅後におきた事件です。中村元先生は釈尊の在命中の事件でしたらもっと文献が残っているとの見解で私もそう思います。釈尊はコーサラ国でも何年も指導していましたし、歴史的事実はさておき、エピソードは文献に残っています。コーサラ国の将軍ヴィドーダバは四軍を率いて釈迦族の首都カピラヴァストゥに近づいて来た。釈尊は枯れ木の下で端坐している。ヴィドゥーダバはそれを見て、葉のよく繁った大樹がほかにたくさんあるのに、なぜ枯れ木の下で坐しているのですかと問うと、釈尊は『親族の影は涼しいのです』と答えた。ヴィドゥーダバは兵をひいて戻りました。結局ジェノサイドは起こりますが、この時は釈尊の真心が、将軍ヴィドゥーダバに通じたのです」

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