汚濁

「S」

episode.『04月04日(木)』



雲一つない青空。

夕日に染まる街も、輝く海も。

何度見ても飽きないのがおかしな話。

近所の神社や電車の中。

見晴らしのいい場所で眺めれば、蘇るのはたくさんの思い出で。

皆に会いたいなと一人黄昏る。

でも結局、会う事を恐れては笑みを溢す。

そうやって、孤独に抱かれて生きる日々なのです。





初恋は破局し、片想いも叶わない。

あの日描いた夢も、停滞している。

伸ばした手には何もない。

過去の自分が知れば、絶望するだろう。

自分には何もない。

生きている価値を奪われたも同然だと。

嘆き悲しむだろう。

だから過去に誇れる自分でいようとする。

まだ、私に希望はありますか?





負の感情が創作意欲を掻き立てる。想像を育む。

理想は叶えなければ妄想でしかない。

芸術は悲しみと苦しみでできている。

なら、心を病んだ私はどうだろう。

虚しい世界を広げ、自己投影に重んじる。

どうやら私は、笑っちゃうくらい創作が大好きのようで。

周りとは少し、違うようです。

          

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