汚濁

「S」

episode.『10月10日(水)/10月11日(木)』



仮面を被る人生。素としか思えない演技。

偽り続ける自分。道化を演じる愚か者。

見つけてもらえない悲しみ。居場所のない苦しみ。

どこにいたって一人きり。闇ばかり濃くなる。

誰も本当の私を知らない。

もう、自分で自分がわからないよ。

この胸の痛み。支えきれない重荷。

私は、どうしたらいい?





歯車一つ狂えば、調子が悪くなるように。

思い通りにならない時は、その日のやる気が全て削がれる。

ネガティブ思考に陥って、口を開くこともままならない。

人間関係の破壊神と化して、生きることが面倒臭く感じる。

それほどまでに落ちぶれてしまう。究極の気分屋。

陰と陽の差が激しい私は最悪だ。





光の私は純粋で、闇の私は真っ黒で。

誰かの笑顔を望むのに、こんな世界は嫌だと言う。

些細な幸せに感謝するのに、疑念を抱かずにはいられない。

誰かと一緒にいたいと思っても、一人にしてくれと希う。

囚われ続ける矛盾の中で、無関心にも彷徨っている。

普通のようで歪んだ私は、嫌な奴なんだ――。





皆、リアルとネットは違うと言う。それはそうだろう。

リアルは皆、誰も理解してはくれない。見ようともしてくれない。

偏見と憶測。陰口と愚痴。そんなものばかりだ。

誰かの何かに合わせないといけない社会。

類は友を呼ぶ天国のような繋がりのネット。

どちらが生きやすいかなんて明白だろう?





私の愛は重い。

だから私だけを見てくれる人しか好きにはなれない。

嫉妬されるのは可愛いけれど、する側に回るのは嫌なんだ。

あなたにはもっと素敵な人がいる。自分はふさわしくない。

逃げる言い訳ばかり並べて取り溢す。近寄り難くて離れてしまう。

私はやっぱり一人なのだと、気づかされながら。





人間関係は複雑だ。

良い人ばかりいるけれど、良い人止まり。

私の求める人はいなくて、上辺だけが広がっていく。

誰も私を理解してはくれない。

わかってほしくはないし、わかってほしいとも思わない。

私は一人でいいんだ。気楽じゃないか。

だって、見限った現実にはもう、何も無いんだもの――。

          

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