汚濁

「S」

episode.『09月06日(木)』



一人に慣れた上辺の自分。

心の奥底で、孤独に押し潰されそうになる自分。

どちらが本当の自分なのか。時々、自分がわからなくなる。

でもやっぱり、最後に残るのは結局どちらも『ひとりぼっち』だということ。

何も感じないはずなのに、寂しさにより泣き叫びたくなる。

どうすればいいのだろう――。





自分勝手な親。常識を語る割に、全然まともじゃない。

偏屈で、ひねくれ者で、子供に対する思いも上辺だけ。ただの独裁者。

ああいうのを親失格と言うのだろう。悪い大人の例としてしか感謝がない。

歪すぎる家庭。幸せがどこにあるのかわからないほどに、普通じゃない。

もっと自由に生きたかったな。





人と関わることが嫌いだ。

関わってしまえば、他人との違いを見せつけられる。

自分の求めるものはないのだと、現実を見せつけられる。

どんなに手を伸ばしても、それが違えば泡となって消えてしまう。

お前も、本物ではなかったのだと。

暗闇の中、佇む私は、

それでも手を伸ばし続ける私は、愚かだ。





誰も認めてはくれないだろう。私という人間を。

あなたが知っている私は、私じゃない。

あなたが求めている私は、偽りの道化。上辺の私。

それでも演じ続けるのは、誰かに見つけてもらいたいから。

届かないとわかっていても、捨て去ることができない。

愚かな私の、数多い願いだ――。





誰も私を知りはしない。

親に縛られ、環境に縛られ、何度も現実を見せられる。

生まれた星を間違ったと、何度思ったことか。

死んだ方がましだと何度思ったことか。

自由って、どこに行けばあるのかな……。

どうすれば、手に入るのだろう……。

私にはもう、わからないよ――。





一人は強い。けれどか弱い。

欲が満たされれば、今の自分は消えてしまう。

求めていたものが手に入った時、願いが叶った時、私は何もできなくなってしまうだろう。

儚い。願えば願うほど苦しくなる。求めれば求めるほど、悲しくなる。

届いてほしいけれど、叶ってほしくはない。

ほんと、嫌になる。

          

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