外道戦士アベル

田所舎人

アベルと少女2

 翌日。
 借り馬車の手綱を握るアベルは攻略したダンジョンへと向かった。なぜなら、いくら高レベルのアベルでも持ち運べるアイテムには限界があり、放棄したアイテムが多量にあったからだ。
 アイリスに命令してせっせと運ばせるアベル。
「ほら、腰が入ってないぞ! 腰が!」
「アベルさまぁ……重すぎますぅ……」
 見た目少女のアイリスはその細い手や足をプルプルと振るわせて必死にアイテムを馬車に積み込む。奴隷紋が浮かび上がるような命令の仕方こそしていないが、やっていることはイジメだった。
 そんな頑張るアイリスの二の腕や腰、お腹、太腿を撫でては驚かせてアイテムを落とさせてはゲラゲラと笑うアベル。
 それでもアイリスは頑張ってダンジョンから荷物を運び出し、馬車の荷台が八割ほど埋まったところでようやく終わった。
「よし、では帰るか」
 アベルは早速御者台に上ろうとしたところでアイリスがへばっている事に気が付いた。
「あのぉ……アベルさまぁ……少し休ませてください……」
 荷台にも上がれないのか、その場で蹲るアイリス。
「……そうだな。アイリスも頑張ったことだしな……労ってやろう」
 何を思いついたのか、アベルは悪い笑みを浮かべながら冒険者の必需品の道具袋の中から毛布を取り出し、その場に敷く。
「そら、ここに横になれ」
「え? でも、アベル様。毛布が汚れますよ?」
「構わん。動けないなら、俺様が横にしてやろう」
 言うが早いか、柔らかく軽いアイリスを抱えて毛布に横たわらせる。
「どれ、疲れが取れるようマッサージをしてやろう」
「え!? そ、そんなアベル様!!」
 アイリスは身をよじるが手をアベルの足で押さえつけられ、そのまま脚を触られる。
「ほう。かなり凝ってるな」
 その細い脚をモミモミと堪能するアベル。
 疲れたという証拠に汗も流れてアイリスの匂いが強くなっており、アベルはやや興奮気味に太腿、ふくらはぎ、足の裏まで丹念にマッサージをしていく。
「あっ……ん……うう……ひゃあ!?」
 柔らかく解したり、少し強めに解したり、そのたびにアイリスは強い反応を示す。まるで押せば鳴る楽器を楽しむようにアベルは執拗にアイリスの身体のツボを探しては押していく。
 そのまま下半身から上半身に、上半身から全身に、全身から局部へと移り……アベルは終えた。
 荷運びで疲れたのか、マッサージで疲れたのか分からないアイリスはぐったりとしている。そんなアイリスを毛布でくるんで荷台に放り込み、御者台に上って手綱を握る。
「さてと、帰るか」
 金目のアイテムと何でも言う事を聞く美少女奴隷を手に入れたアベルは満面の笑みで都市へと戻るのだった。

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