我ら天下の暇人グループ
2.’’いい人達’’
「マウニ!クー!遊びに来たよ!」
「あれ、ヒスが来るとか珍しいじゃん」
「いらっしゃいヒスー!」
ヒスに連れられてやってきたのは、ギルドから少し離れた場所に建っている普通の家だった。
住人は若い女性が2人…生活の痕跡はある…けど奥に電子ロックが付いてる部屋が辛うじて見える……なるほど。
「初めましてカティリアさん。マウニです。いつもヒスがお世話になってます」
「初めましてマウニさん。……何故私の名前を知ってるのか聞いても?」
「あら、その答えは貴女ならもう知ってるでしょう?」
「さぁ…どうでしょうね?」
顔を合わせて3秒で始まった陰険トークは、クーさんによってすぐに終わりを迎えた。
「クーです!いつもヒスちゃんがお世話になってます!ラディールさんとトリエラさんも!」
「え…あ、はい…」
「どうも…」
花が舞いだしそうな笑顔で挨拶をした彼女は、私達にお茶を勧めた。
ヒスは既に席に着いており、出された茶菓子を黙々と口に運んでいる。
「ダージリンティーです。お口に合うといいんですけど…」
「態々すみません。いただきます」
「はい!」
出された紅茶を口に含む。
そして私はラディール達の持つティーカップをーーーー’’はらい落とした’’。
まさに今飲もうと彼らが手にしていたカップはそのまま床に落ち、カシャンと音を立てて割れる。
「…えっ、カティリア?どうしたの?」
「あっつ!!ちょっとカティリア!紅茶こぼれ……」
「どういうことか説明してもらってもいいですよね?」
トリエラの抗議を遮り、私はクーさんに視線を向ける。
彼女は先程から崩していない笑顔を浮かべたまま私を見つめている。
「さすが暗殺者。睡眠薬盛ったくらいじゃ分かりますか」
なんでもないような顔でとんでもない事を言うなこの人…。
視界の端ではラディール達が動揺を隠せないでいる。
ヒスは…
「え、ヒス?」
「あ、カティリアもこれ食べる?美味しいよ!」
「いやそうじゃなくて…」
「あぁ、薬は私効かないの。昔たくさん飲まされたからね!」
「あ…そう…」
睡眠薬盛られた事よりヒスの言動に動揺してしまう。
それを見ていたマウニさんがふと口を開いた。
「さぁでは答え合わせといこう。この答えがカティリアさんの質問の答えでもある。私達の職業は何でしょう」
マウニさんが紅茶を飲みながら聞いてくる。
あれにも睡眠薬入ってるのかな…入ってるんだろうな…。
「ヒスの友達」
「違法薬物を取り扱う犯罪者」
「随分と個性的な回答だ……カティリアさんは?」
ラディール達の答えを聞いて苦笑しながら、彼女は私に視線を向けた。
「情報屋ですか」
「ご名答。なんで?」
「奥に電子ロックの付いた部屋がありました。普通はそんなもの付けないから恐らく一般人ではない。けれどパッと見てこの家は女性が2人で住んでいるただの一軒家。つまり目立っては困るような職業のはずです」
私の言葉にトリエラが後ろを振り向く。
電子ロックの存在に気付いた彼は、駆け寄って物珍しそうに観察を始めた。
ラディールはヒスに茶菓子を勧められて困っている。
「流石だね。でも目立っては困る一般人のしない仕事なんて他にもいくらでもある。なんで情報屋?」
「私達は今星の石に関する情報が欲しい。そんな状況下でヒスが貴女達を紹介した。その上私達の名前と私の職業まで知っていたので…」
「あははっ!いいねいいね!その通りだ。職業柄あまり存在を知られたくなくてね。情報を提供するのは最低限の人間にしてるんだ。ヒスに教えてる間あんたらには眠っててもらおうと思ったけど、カティリアさんに免じて全員に教えてあげるよ」
クーさんが「睡眠薬は入れてません」と、新しく紅茶を淹れてくれた。
口に含み、それが確かな情報であるのを確かめる。
安堵の表情を浮かべたラディールが、おずおずとティーカップに手を伸ばす。
「星の石に関する情報だったね。巷では希少価値が高いってことだけど……とっておきの穴場を教えてあげよう」
裏がありそうな笑顔を浮かべ、マウニさんはゆっくりと話し始めた。
「あれ、ヒスが来るとか珍しいじゃん」
「いらっしゃいヒスー!」
ヒスに連れられてやってきたのは、ギルドから少し離れた場所に建っている普通の家だった。
住人は若い女性が2人…生活の痕跡はある…けど奥に電子ロックが付いてる部屋が辛うじて見える……なるほど。
「初めましてカティリアさん。マウニです。いつもヒスがお世話になってます」
「初めましてマウニさん。……何故私の名前を知ってるのか聞いても?」
「あら、その答えは貴女ならもう知ってるでしょう?」
「さぁ…どうでしょうね?」
顔を合わせて3秒で始まった陰険トークは、クーさんによってすぐに終わりを迎えた。
「クーです!いつもヒスちゃんがお世話になってます!ラディールさんとトリエラさんも!」
「え…あ、はい…」
「どうも…」
花が舞いだしそうな笑顔で挨拶をした彼女は、私達にお茶を勧めた。
ヒスは既に席に着いており、出された茶菓子を黙々と口に運んでいる。
「ダージリンティーです。お口に合うといいんですけど…」
「態々すみません。いただきます」
「はい!」
出された紅茶を口に含む。
そして私はラディール達の持つティーカップをーーーー’’はらい落とした’’。
まさに今飲もうと彼らが手にしていたカップはそのまま床に落ち、カシャンと音を立てて割れる。
「…えっ、カティリア?どうしたの?」
「あっつ!!ちょっとカティリア!紅茶こぼれ……」
「どういうことか説明してもらってもいいですよね?」
トリエラの抗議を遮り、私はクーさんに視線を向ける。
彼女は先程から崩していない笑顔を浮かべたまま私を見つめている。
「さすが暗殺者。睡眠薬盛ったくらいじゃ分かりますか」
なんでもないような顔でとんでもない事を言うなこの人…。
視界の端ではラディール達が動揺を隠せないでいる。
ヒスは…
「え、ヒス?」
「あ、カティリアもこれ食べる?美味しいよ!」
「いやそうじゃなくて…」
「あぁ、薬は私効かないの。昔たくさん飲まされたからね!」
「あ…そう…」
睡眠薬盛られた事よりヒスの言動に動揺してしまう。
それを見ていたマウニさんがふと口を開いた。
「さぁでは答え合わせといこう。この答えがカティリアさんの質問の答えでもある。私達の職業は何でしょう」
マウニさんが紅茶を飲みながら聞いてくる。
あれにも睡眠薬入ってるのかな…入ってるんだろうな…。
「ヒスの友達」
「違法薬物を取り扱う犯罪者」
「随分と個性的な回答だ……カティリアさんは?」
ラディール達の答えを聞いて苦笑しながら、彼女は私に視線を向けた。
「情報屋ですか」
「ご名答。なんで?」
「奥に電子ロックの付いた部屋がありました。普通はそんなもの付けないから恐らく一般人ではない。けれどパッと見てこの家は女性が2人で住んでいるただの一軒家。つまり目立っては困るような職業のはずです」
私の言葉にトリエラが後ろを振り向く。
電子ロックの存在に気付いた彼は、駆け寄って物珍しそうに観察を始めた。
ラディールはヒスに茶菓子を勧められて困っている。
「流石だね。でも目立っては困る一般人のしない仕事なんて他にもいくらでもある。なんで情報屋?」
「私達は今星の石に関する情報が欲しい。そんな状況下でヒスが貴女達を紹介した。その上私達の名前と私の職業まで知っていたので…」
「あははっ!いいねいいね!その通りだ。職業柄あまり存在を知られたくなくてね。情報を提供するのは最低限の人間にしてるんだ。ヒスに教えてる間あんたらには眠っててもらおうと思ったけど、カティリアさんに免じて全員に教えてあげるよ」
クーさんが「睡眠薬は入れてません」と、新しく紅茶を淹れてくれた。
口に含み、それが確かな情報であるのを確かめる。
安堵の表情を浮かべたラディールが、おずおずとティーカップに手を伸ばす。
「星の石に関する情報だったね。巷では希少価値が高いってことだけど……とっておきの穴場を教えてあげよう」
裏がありそうな笑顔を浮かべ、マウニさんはゆっくりと話し始めた。
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