世界最強の男の娘

光井ヒロト

4話  領地開発〜中編〜




 掲示板の隣には意見箱が設置されている。

 そこの中に、新しいメニューはないですか? という意見が入っていたので、次は食を発展させよう。


 この世界はパンが主流だが、米も食べられているようだ。昔、異世界人が他にいたのだろうか?
まぁいい。先に洋食を広めている。ハンバーグやスパゲッティ、カレーライスを屋敷の料理人に試作してもらってから、レシピを広めている。領内の料理人が独自に創作したり、アレンジを加えたりして領の外からも沢山の観光客が来るようになり、最近では王都でも作られるようになったらしい。贔屓にしている商人からの情報だ。


 同時に、農地の改革も進めている。畑作、稲作を整備して、二毛作に変更させた。食糧を多く確保でき、値段も安くなったので、貧困な人でも買えるようになった。 

 さらに、品種改良でブラック伯爵領内だけのブランド品を発売した。それにレイ印が押されていれば正規のもので、偽物が横行しないようにした。偽造防止でレイ印に魔力を通せば、光るようになっている。


 果樹園もつくり、害獣対策を施して様々な果物を育てている。米や小麦と同様に、品種改良とブランド品をつくった。カカオ豆を魔物の森で発見したので、チョコレートをつくることに成功した。

 ちなみに、コーヒー豆も発見した。が、意外と好評ではなかったので、自分用だけをつくり、毎朝飲んでいる。スッキリするのでいいのだが、何故か驚かれる。ただ、天使のミリースだけは意見が合った。


 衣服に関してだが、俺にデザインのセンスはないと思ったので、アイデアだけを出して職人のインスピレーションに任せている。

 最近では、現代日本よりも斬新な服が出てきて、偶に着せ替え人形にされる。その時外には、もの凄い人だかりができて、屋敷に帰られなくなりかけた。

 ここから、ファッションショーを開催して、ファッションモデルができた。一度モデルを引き受けて、ランウェイ歩いたのだが、次の日から俺がファッションショーで着た服を着た人が増えすぎて、不気味だった。
 メイドたちに 俺ってそこまで人気なの? と聞くと、 そうです!みんなレイ様が大好きなのですよ。特に容姿が! 
 解せんな


 この日を境に、意見箱に男女問わず、結婚したいというプロポーズばかりであふれ、対応に困った。
 また、貴族からの婚約のお話が殺到し、こちらも男女問わず。こちらの対応の方が困った。必ず返事を返さなくてはならないので、公爵と侯爵への対応が困る。特に男からのだ。普通に男なので出来ないと言えばいいのだが、信じてもらえるか分からない。

 神聖教国の聖典では、同性愛は厳禁とされていて、流石に異端審問はきつい。困り果てたので、時期ではないということで全て拒否しておいた。


「なんか、他にすることないかな?ロイド」


「そうですね…レイ様はやり過ぎだと思うとですが…この領内の識字率や若者の就職率はどのようなものなのですか?」


「そうだな、識字率に関しては六割と言ったところだな。まぁ、読み書きの本を売っているから、低く過ぎることはないだろう」


「就職率はどのような状況で?」


「就職率は一つの職に就くのは七割だな。公共事業で飯を食っているか、アルバイトをして回っている奴もいるが、冒険者というのがあるからな。取り敢えず、職に就けるだろう」


「学院はつくらないのですか?」


「つくってもいいのだがな…まぁ、少し待っていろよ。そ・の・う・ち・、つくることになるさ」


「さ、左様ですか…」


「ミリースは何かない?」


「私は、魔道具の普及率ですかね…彼らの生活は不便ではないものの、便利とは言えませんからね」


「確かにそうだな…うん、少し考えてみるか」


「では、某が様々な魔物の魔石と素材を回収してきましょう」


「リスベル、頼んだ」


「御意に」

 街を歩いて探してみようかな。


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