The hater
第13話
全ては、あの男から始まった。
ゼルス。
私はあの邪神に造られた。
大昔に、私は。
なんのことか分からない人も居るだろうし、居なくてもいいと思っているけれど一応説明しておくと。
ゼルスは愛の邪神、そして全てを生み出した創造主だ。
彼に創れないものは無く、毀せないものも無く。
ただ、全ては彼に従っていた。
不老不死を超越した、不滅の存在で。
私達には遠い存在だった。
ある時、天と大地という概念が意志を持った。
自らを「捨てられた者」とし、ゼルスに反逆した。
結果は、ゼルス達の敗北。
全てを司る神にあるまじき失態とされ、人々から見放された。
元々、邪神という立ち位置から人間達からは良く思われていなかった。
今で言うサタニズムみたいなものだった。
だから、彼は辛うじて四柱の獣達を生み出した。
ボルボロスとか、そんな感じの名前だった。
彼は、その泥の悪魔を私に授けた。
そして、2つの制約を設けた。
1つ、1度契約を破棄したら二度と同じ存在と契約してはいけない。
2つ、もしそれを破ったら死をもって償うべし。
何故そうしたかはわからないけれど、私はそれを受け入れた。
そして、時が来た。
私とゼルスは人間へと降格された。
全て天と大地の取り決めだった。
ゼルスが堕ちたその後に、私も堕ちた。
数十年のズレはあったけれど、大したものではなかった。
お互いに貴族の子に産まれた。
体が弱かった私は、初めての友達が出来て。
既視感があったけれど思い出せなかった。
その時に、父親がゼルスだと知った。
私はどうしてか、男の子を好きになった。
だから、泥の悪魔を手放した。
そして仲良くなって、友達として遊んで…………楽しかった。
けれども、数年後に、ゼルス達の訃報を聞いた。
男の子は泣いてた。
家族を喪って。
私は慰めることしか出来なかった。
お互いに悲しくて。
だからこそ、彼を支えると決めたのに。
体はそれを許さなかった。
壊れたんだ。
血をたくさん吐いて、吐いて、吐いて。
血塗れの手で彼は私を抱きしめてくれた。
そして、彼は私に泥の悪魔を渡そうとした。
私は受け入れたんだ。
多分、ゼルスはこれを見越していた。
どうしてかは、わからないけれど。
彼にもう一度出逢えたのなら、その意味を聞きたかったな。
そして、目覚める。
知らない星に。
どうやら、私には続きがあったらしい。
そして、私達は再び出会った。
今度こそ、幸福にしてみせる。
ゼルス。
私はあの邪神に造られた。
大昔に、私は。
なんのことか分からない人も居るだろうし、居なくてもいいと思っているけれど一応説明しておくと。
ゼルスは愛の邪神、そして全てを生み出した創造主だ。
彼に創れないものは無く、毀せないものも無く。
ただ、全ては彼に従っていた。
不老不死を超越した、不滅の存在で。
私達には遠い存在だった。
ある時、天と大地という概念が意志を持った。
自らを「捨てられた者」とし、ゼルスに反逆した。
結果は、ゼルス達の敗北。
全てを司る神にあるまじき失態とされ、人々から見放された。
元々、邪神という立ち位置から人間達からは良く思われていなかった。
今で言うサタニズムみたいなものだった。
だから、彼は辛うじて四柱の獣達を生み出した。
ボルボロスとか、そんな感じの名前だった。
彼は、その泥の悪魔を私に授けた。
そして、2つの制約を設けた。
1つ、1度契約を破棄したら二度と同じ存在と契約してはいけない。
2つ、もしそれを破ったら死をもって償うべし。
何故そうしたかはわからないけれど、私はそれを受け入れた。
そして、時が来た。
私とゼルスは人間へと降格された。
全て天と大地の取り決めだった。
ゼルスが堕ちたその後に、私も堕ちた。
数十年のズレはあったけれど、大したものではなかった。
お互いに貴族の子に産まれた。
体が弱かった私は、初めての友達が出来て。
既視感があったけれど思い出せなかった。
その時に、父親がゼルスだと知った。
私はどうしてか、男の子を好きになった。
だから、泥の悪魔を手放した。
そして仲良くなって、友達として遊んで…………楽しかった。
けれども、数年後に、ゼルス達の訃報を聞いた。
男の子は泣いてた。
家族を喪って。
私は慰めることしか出来なかった。
お互いに悲しくて。
だからこそ、彼を支えると決めたのに。
体はそれを許さなかった。
壊れたんだ。
血をたくさん吐いて、吐いて、吐いて。
血塗れの手で彼は私を抱きしめてくれた。
そして、彼は私に泥の悪魔を渡そうとした。
私は受け入れたんだ。
多分、ゼルスはこれを見越していた。
どうしてかは、わからないけれど。
彼にもう一度出逢えたのなら、その意味を聞きたかったな。
そして、目覚める。
知らない星に。
どうやら、私には続きがあったらしい。
そして、私達は再び出会った。
今度こそ、幸福にしてみせる。
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