The hater

とある学園の教師

第11話

「そうか………タカシ。お前には、希望が………」
元木が悲しそうな顔で彼の顔を見る。
「ああ、まあ。有るには有るんだが、如何せん複雑で」
「私は恵まれていると痛感するよ、お前の辛さを理解出来ないことを悔やんでいる」
「やめとけやめとけ、理解したところで人生の大半を無駄にするだけだ」
「そうだよな………」
「そうだよ、さて………」
「うん?」
「俺は帰るよ、明日学校だし」
「そうか、夜道には気をつけろよ」
「何言ってんだよ、湿気たこと言わないで一緒に帰ろうぜ。送ってくよ」
「…………有難い」
「あは」






「疲れたな〜〜〜〜」
風呂から上がり、布団にダイブする。
目を瞑って再び考える。
「友達、か」
そう呼べる者。唯一の友。
そして、初恋の麗人。
「ディーヴァ…………」
桃髪の美しい髪、可愛らしい顔。
思い出すだけで、涙が流れてくる。
「本当に、殺しちまったんだよな………」
「なぁ、アジアンタ。お前をアイツと重ねても、怒らないか?」
「俺は怒ってくれると、嬉しいなぁ」
「だって、じゃないと、俺はクズのままになってしまう」
「あはは、もうどうでも良いや」
目から光が消える。
「なんでこうなっちゃったんだろう」
「どうして、こうも上手く行かないんだろう」
「壊れかけなのになぁ」
「終わりそうなのになぁ」
「ゼルス」
「お父さん」
「俺はどうすればいい?」
「声が聞こえない」
「ウロボロスからも、ボルボロスからも」
「ああ、どうか」
「報われたいなぁ」










「おはよ、タカシ」
「おは」
土曜、早朝のカフェ。
アジアンタと、何時もの会話を交わす。
「疲れてる顔だね、どしたの」
「いや、何でもない」
泣いてたなんて、男が廃る。
「ふーん、まあ無理は良くないよ」
「してないさ、今はまだ」
「もう!何時でもしちゃダメだよ!めっ」
「あはは、構わないだろう。お前には心配して欲しいからな」
「うわ、メンヘラみたいなこと言ってる。気持ち悪いよ」
「あはははは」
乾いた笑い。
「もう………」
「なあ、アジアンタ」
「お前は前世を信じるか」
「…………信じるよ」
「そっか…………じゃあ安心して聞けるな」
「うん?何を?」
「お前は、ディーヴァか?」
沈黙。1、2、3、と時間が過ぎる。
「………………うん」
嘘は吐いていない。
直感が告げる。
鳥肌が立つ。
「そう、か…………」
「貴方のことも、知ってるよ。クローヴェル」
「はは、当たり前だろうに。良かった………本当に………」
「あはは、泣きそうになってるの、可愛い」
「くそっ………恥ずかしい……」
顔を覆う。
だが、それは嬉しさの表現だった。


「私はね、元々ボルボロスの宿主だったの」
「生まれつき、ね」
「だから、憎しみを持ってた訳じゃないけど、憎しみを操ることが出来た」
「だけど、ある時を境に使えなくなった」
「不老不死じゃなくなったの」
「だから、限界だった体が更に脆くなった」
「クローヴェルに宿ったから、って知ったのは死ぬ時かな」
「だから、生きたいって願ったら」
「不幸の柱が私に持ち掛けてきたの」
不幸の柱。 
復讐の四柱の一角。
「生まれ変わらせてあげるから、宿らせておくれ、と」
「だから、私は受け入れた」
「そして、こうして、今を生きてるんだ」

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