The hater

とある学園の教師

第8話

積みゲーを崩すこと。
積み重なった本を読み尽くすこと。
疲れを癒す為に猫を吸うこと。
好きな人に好きということ。
弱い人に優しくすること。
強い人を地に伏せること。
痛みを知ること。
人を殺すこと。
家族を殺めた存在に復讐すること。






「タカシ、お前も飲めばいいだろう」
元木が隣りに来る。
思いを馳せていたが、そうだ。
今は祝賀会をしているのだった。
迷う。どれを食べよう、どれを飲もう。
そんな事を考えていて、ふと過去を思い出したのだった。
「あぁ、悪いな。少し疲れてるみたいだ」 
「そーっすよ元木さん!あの電磁砲食らって生きてるだけでも凄いんすからね?あまり無理させないであげてくださいな!」
「こいつから金を搾り取る立場なのに言えた口じゃないだろう」
一同大笑い。
タカシも釣られて笑う。
「だが、確かにそうだ。お前は死なないと豪語するものの、本当に死なないことを証明して見せた」
立ち上がって、皆に言い聞かせるように言った。
「お前は、彼らの信頼を得ることが出来たんだ。少なくとも、ここにお前を化け物扱いするものは居ないだろうよ」
「ふっ、そうとは限らないだろ。あの姿を見せてもなお、俺を人間扱いしてる奴が居たらそれこそ人でなしだね」
皆が黙ってしまう。
「でも、それでいても、俺を信用してくれるのなら、嬉しい」
酒のせいで顔が熱い。
多分、周りには照れているように思われているだろう。
そう思うと余計に顔が熱くなる。
「やだ……可愛い………」
「誰だ今可愛いって言ったの」
彼は地獄耳だ。
小言でも良く聞こえる。
「酒の席ですよ、楽しくいきましょう」
「わーってるよ。喧嘩はしたくないからな」
黙々と食べてる者もいれば、彼に魅入ってる者もいる。
「みんな食え!俺の奢り!何百万でも払ってやらァ!」
再び熱が戻る。
叫んだり、悪酔いしてダウンしたり。
本当の楽園というものはこういうことなのかもしれない、とも思った。
「ターさんはなんで俺達と協力してくれんですかぁ?」
1人が絡んでくる。
「大したことじゃない。気にすんな」
「でも、こういうのは一人でやった方が得ですよね?」
「それは無理だなぁ………お偉いさんとの約束があるし」
「そうなんすか………難しいっすねぇ」
「そうだなぁ………」
「タカシさーん」
女性の声が、彼を呼ぶ。
「貯金っていくらあるんですかぁ?ぐふ」
「2000万ちょい」
「うわヤッバ。私と結婚しません?」
あからさまなアピール。
「断る。俺にゃ心に決めた奴が居るんでね。しかも今は高校生だし」
「そっか………成人してるのに高校通うのは大変ですもんねー」
「あぁ、本当だよ。とてもではないが、難しくなってきてるしな。PCの使い方なんて知らねぇよ」
「PCを使えるようになることも義務教育に組み込まれますからね。プレゼンとかやったなぁ」
「高校でやる必要あるのか?普通校だぞ」
「あるんじゃないですか?義務になるんだから必須なんでしょうね」
「そっか………」
「あー!私のビールー!!」
「うるせぇ!俺が先に口つけたんだ!」
遠くで声がする。言い争いみたいだ。
「うっせぇ!貸切だから良いけどあまり汚すなよ!」
「吐きそう」
「あーもう!袋用意するから待ってろ!」
阿鼻叫喚だ。
なんせ、20人もいる。
酒の勢いで騒ぐ者達。
楽しいが、大変だった。
「これは、ヤベぇぞ……」


結局、解散したのは深夜1時。
タカシは次の日の学校の為に早くお開きにしようとしたが止めることが出来なかった。
「疲れた………」
ゲッソリした顔で歩く。
家までもうすぐだが、遠く感じる。
「死ぬかと思った」
死なないが。
不老不死冗句である。
あの後、元木に言われた。
『お前には、遊びが無い。もう少し柔らかくなれ』
と言われた。
『お前に言われたくねぇよ』
そう返したものの、引き摺っている。
「俺は、家族を取り戻す為に戦うだけだ」
憎しみの籠った目で、宵闇を見つめた。

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