The hater

とある学園の教師

幕間の物語

不良に絡まれる少年が居る。
珍しい話ではない。
これは端的に言えば、気の短い青年達の逆鱗や、気まぐれに蹂躙されることを指す。
俗に言う、フルボッコ、リンチ、それ等の暴力の意味を持つ単語が当てはまる。
その不良達を成敗するかは、自分の技量に掛かっている。
勇気、膂力、適応力。
様々な力があるものは、彼らを助ける。
「大変だなぁ」と、見過ごす者は言外に怯えている。
「強くなれよ」と見放す者は自分を強いと思い込んでいる馬鹿者だ。
助ける者は助ける。
そのポリシーを抱えた人間こそが、空御門タカシ。
クローヴェルという男だった。



今回も、とある男子学生が不良達に絡まれていた。
自分よりも年下の集団。
まだ中高生くらいだろう。
気弱そうで、前髪を隠した中性的な男子が複数の高校生らしき男に絡まれている。
金を強請っているように思えた。
タカシはそれを見かけたから、不意に立ち止まって飛びかかった。
そこからは殴り合いに発展して、無傷の勝利を収めた。
若年の喧嘩は、ドラマや洋画のように派手なものでは無い。
ただ殴り合うだけ。蹴りは空振りするし、顔だけは殴らない。
相手の集団は鉄パイプを使ったり、金属バットを持っていたがタカシは全て握り潰して、千切った。
大抵、悲鳴を上げながら逃げていったし、腰が抜けて立てなくなっていた。
「弱い癖に弱い者虐めするんだ。まぁ現代社会の闇だからしゃあないよな」
「その、あの、ありがとう、ございます………… 」
吃りながらも感謝の言葉を述べる少年の頭を撫でる。
「気にすんな。助けられたから助けたんだ。困ったら頼ってくれよな」
胸元のポケットに紙切れを入れる。名刺だ。
手書きの。
去ってしまったタカシに、困惑する少年。
「なんなんだあの人…………」
多分、忘れない記憶になっただろう。

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