The hater

とある学園の教師

シュヴァーゼ、ヴァイーゼの場合

白薔薇ヴァイーゼ黒薔薇シュヴァーゼという少女達が居る。
彼女達はクローヴェル達の血の繋がらない妹だ。
無口のヴァイーゼに、無表情のシュヴァーゼ。
2人の相対する存在。


彼女達は生まれた時から一緒だった。
共に兄の愛を享受し、共にそれを疎んだ。
彼女達は正真正銘、人間だ。
義兄や義姉とは違って、普通だった。
だが、ある時異常を知った。

兄が怪我をした。
腕に切り傷ができていた。
妹達を庇ってできた傷らしい。
肉が裂けて、血が吹き出している。
見ていられない。
泣きそうだった。
そんな時、兄が傷を手で覆った。
手を離す頃には既に塞がって。
血だけが垂れていた。
彼女達はそれに、恐怖を感じた。
人ではないのだ、と。
魔術も、魔法も使った仕草もなかった。
それからだ。
彼女達が兄を嫌悪するようになったのは。
人ならざる力を持つ彼に、不気味な印象を抱いたから。
単純に鬱陶しいのもあったのだが。


姉妹は勉強が好きだった。
毎日、嫌いな兄に学びを請うくらいには。
嫌いではあるものの、忌憚のあるものでは無い。
無害であることは知っているから。
手を出すことはないと。
そう安堵していたから。


彼に悪意がないのも知っていた。
だから、あからさまに反抗的な態度を取ることはなかった。
多少の暴言はあれど、彼を大きく否定しなかった。


あの日がやってきた。
全てが狂った日。
姉妹はいつものように廊下を歩いていた。
物音がした。窓が割れる音だった。
彼女達は急ぎ足で、音の元へと向かった。


正直のところ、心配していなかった。
兄の傷は治るし、姉も同じなのだろうと思っていた。
だが、血に塗れて倒れる二人を見て、その考えは払拭された。


駆け寄ろうとした刹那、彼女達の命は潰えた。




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