界外の契約者(コール)
霧島弾とヨグ
霧島弾
彼は幼少の頃から県会議員だった親から期待を向けられ、真面目に勉強をして結果を出す優等生だった。
決して揺るがない。
そう信じ、彼は受験した名門中学校に進学した。
そこからだった。彼がおかしくなったのは。
その中学校は一年の時から高校受験に備えてたくさんの課題や勉強を生徒に強要した。
霧島は最初の頃は着いていけていたものの、途中でドロップアウトしていく同級生達を見ていくうちにやる気をなくし、中学2年で近くの公立中学に転向した。
そのせいで親からは期待の目を向けられなくなり、幸丘高校に上がってからは荒れに荒れた。
なかでも特に喧嘩は頻繁にしており、運動の苦手だった霧島は高校2年で学校を占める番長的な存在になっていた。
誰よりも強い、しかし、そのせいで学校中の生徒たちから嫌われ、いつしか一人ぼっちになっていた。
孤独には慣れているつもりだった。
そもそも彼は親に目をつけられなくなってから人間関係に疑問を感じ、誰とも交流していなかった。
一匹狼、その言葉が示すように常に1人。信頼するべき人もいない。すべての人間が信じられない。
そんな孤独の人生を変えようかと思ったのがあの日だった。
ある雑誌で『彼女を作ろう! 彼女と一緒なら孤独からはおさらばさ!』と、大きな見出しでそう書かれた三流記者が書いたようなコラムがあり、そのアドバイスが書いてあった。
中でも興味を引いたのは『学校で嫌われてるならナンパするべし』という、一見特定の読者に対して失礼な章節だ。
ナンパ。
生まれてこのかた、異性と会話する機会がそうそう無かった霧島にとって、ナンパは困難な事ではあったが。
高校で彼女を作るよりは、自分を知らない女性と付き合う方が断然良い。
霧島はナンパする事を決め、覚悟を決めて立ち上がる。
決断の後は思ったより力が入った。
学校帰り、最寄りのファーストフード店で腹ごしらえと口説き文句の事前確認を行う。
20時を過ぎた頃にはすでに動いており、とりあえず女の子が集まるゲーセンのプリクラ機の辺りに移っていた。
そこでどう考えてもギャルっぽい女子高校生を見つけ、その子に練習した口説き文句を披露する。
そこからだった。そこから話が急速に変わる。
ギャルは一瞬怯えてクルリと後ろを向き、そのまま『薄暗くタバコの煙が蔓延する対戦台機がたくさん並んだ』場所に逃げるように走っていった。
自分を知っていたのか、それともナンパに怯えてしまったのか。
余談に俺がカッコよすぎて逃げちゃったのかと、勘違いも甚だしい妄想もしていたが、そのギャルが逃げた先の暗いゲーム台機エリアからたくさんの男がゾロゾロと出てきた。
その数名が【フラッグ】のチームマークである黒い旗のエンブレムが服屋防止に縫いつけてあったりペイントされていのを見て、なにやらヤバイと思いながらも、男たちに混じってさっきのギャルを目視で確認し、急いで店を出ていた。
そこから夜の街で大規模な逃走劇。そしてボコボコにされて生死の境を彷徨い、この世とあの世の境目にいたヨグと契約して命の危機を脱した。
そこからだった。霧島が一般人は入ってはいけない領域に入ったのは。
ヨグにあったその日、深夜に家に帰ってから貯めていた所持金と生活用品を持って家を出た。幸いにも仕事の都合で両親が2週間も家を空けていたので、警察にはまだ知られていない。
そして、その夜から【フラッグ】のメンバーを襲撃するべくビジネスホテルを転々としていた霧島。
理由としてはヨグから「あたしの近くにいないと、他の界外術師に見つかるよ」との事だったので、襲撃する幹部のいる区内に移ってうた。しかし、その法則を『約束された盤上』の銀城と言うサングラスに見抜かれていたようで、普通に見つかり拉致されたのだった。
霧島はその経緯と過程を思い返しながら、今の現状を見つめる。
あれからまだ数時間しか経っていないが、状況はとんでもない方向に向かっている。
まず、霧島の左腕には抱きかかえるように女の子がいた。そしてその頭に拳銃の銃口を突きつけている。
そして周りの風景は暗闇で、不思議な事に自分や、近くに立っているヨグの姿は確認できる。
状況を改めて見つめ、静かに目を閉じる。
霧島は、自分がとんでもない事をしているのだと理解している。しかし、これは必要な事だ。
自分を生かすために必要な行動だ。
そう心に言い聞かせながら落ち着こうとしていた。そんな時だった。
「ねぇ、あんたの願いはまだ叶えてないけどこれでいいの?」
ドキッとした。目の前にいるヨグがぶかぶかの袖口を弄りながら霧島に話しかけてきた。それだけども虚勢を張って心臓に悪いのに驚かすなと、心の中で愚痴をこぼしながら応答する。
「これが終わってからでいいだろ」
「あんた、本当は気づいてるんでしょう? 」
「…………何にだ?」
「自分があいつらの界外に利用されて殺されるの」
いきなり自分の核心を掴んできたヨグ。一瞬考え、拳銃の引き金にかける人差し指を脱力させたが、すぐに気を引き締めて会話を続ける。
「なんでそんなのがわかるんだ? お前は人の心なんて読めねーんだろ」
「何言ってんのあんたは」
虚勢を張って返す言葉に、ヨグは呆れて袖をぶらぶらと振り回す。
「あんたは最初に願った。【フラッグ】を壊滅させたら自分の魂をあたしに差し出すって」
「それが」
「だから、あたしはあんたを生かす」
断言するように、霧島に言い切るヨグ。
それに、霧島が目を見開くほどの驚きと前とは違う何かを感じ取っていた。
「確かにあたしは『絶対のその先』って存在に憧れてた。それを何百年もの間、あの白い部屋で待ち望んでいた。でも、今はそんなもの要らない」
「なんで……、お前があんなに欲しいと言っていたのに?」
霧島はこの話をヨグに聞く前から、なんとなくだが察していた。
ひとつは銀城と、銀城が呼び出した老人がヨグにその話を持ちかけた後、返答が違ったのか自分を痛めつけた時だった。
もしも、変わる前だったら素直に従ってい話に乗っていたはずだ。
「確かにあたしは主神。いや、本当はアザトース様がいる限り永遠の2番手なの……」
アザトース。霧島は知らなかったが、このアザトースとはクトゥルフ神話の本当の主神。
 クトゥルフ神話の宇宙や物象がヨグ=ソトースのことを意味するなら、アザトースはその上の世界に存在する。
その名前を口にした時のヨグ=ソトースの顔は暗く、霧島も見たことない悲しい顔だった。
「アザトース様は、あたしよりも上位で実力もある。でも、アザトース様は何もしない。乾いた魂をいつも眷属に癒してもらいながら、クトゥルフの運命を片手遊びで操る……」
「お前はしごとをしていた……と?」
「えぇ、いつもアザトース様の仕事をこのあたしが片付けていた。いつも、いつも……」
なぜだろう。
霧島は何かを感じていた。
「だから、あたしは変わろうとした。アザトースっていう『絶対』のその先にある存在になりたいと考えていた」
霧島はこの一言で感じていたものがわかった。
自分と同じなんだ……と。
「あんたに界外されて、あたしはこの世界にいる神と人間を全部喰らおうと躍起になってた。契約通りいって、あんたの魂を取り込めばあたしは自由。その後は世界中の生き物を搾取して『絶対のその先』になろうと考えてた」
霧島はそこまで自分と同じだと、しかし、その後の何かでヨグは変わっている事に気がつく。
「でも、今はそんなのどうだっていいって思ってる。そこの女の子の連れがそんなあたしを否定してくれたから」
そう言って霧島が抱えていた少女に指をさし、柔らかく微笑んだ。
霧島が見た事もないその表情は、ヨグという神にどう影響を与え、変化させたのを物語ってる。
「あの男は、あたしの夢をバカにした。そんなの、副神としての概念で生まれて初めてだった。そん時気づいたけど、あたしは多分、誰かに否定して欲しかったんだって。今のままで良いって、そんなのより誰かに尊敬されるやつになれって」
ヨグはそこで区切った後、霧島の近くに歩き垂れた袖口を彼に差し伸ばす。
「あんた……、霧島弾。これからあたしの夢を叶えるのがあなたの役割りに任命する」
ヨグの言葉を全て把握したわけではない。
少しだ。
しかし、境遇も同じならその答えも同じではないのか?
「そして、あなたに結ばせた契約の改変もする」
誰かに期待され、頑張って生きる人生から孤独の人生へ。
越える壁がでかく、違う道で何かを得ようともがいた者。
「この世界でもっと何かを得たい。その為にあたしはあなたを守るし、あなたは勝手に死んではならない。今契約に魂の譲渡も要らない。この契約は霧島弾の生涯続く。契約の変更はこれで良い?」
その時、霧島の胸元からガチャリと音がした。どうやら契約とやらが変更されたようだった。
「…………いいのかよ、こんな腐った世界に俺の生涯中居て。違う世界の神様だってのに」
「何言ってんの。また戻ってもアザトース様の仕事をするのはあたしだってーの」
「ふん、お前も変わってんな」
「そっちこそ、その女の子を人質にしてまであのニアってやつと決着つけようとか。カッコつけすぎ」
「俺が撒いた種だ。ならちゃんとケリは俺がつけなくちゃだろ」
「……さっきや、最初会った頃よりけっこう変わったね」
「どうやら長らく人と接してなくて、腑抜けてたみてぇだな」
「今は?」
「お前がいるから心強い」
「へぇー」
霧島とヨグは、最初あった頃のような警戒心がある会話はもはやしておらず。不要だった。
彼は幼少の頃から県会議員だった親から期待を向けられ、真面目に勉強をして結果を出す優等生だった。
決して揺るがない。
そう信じ、彼は受験した名門中学校に進学した。
そこからだった。彼がおかしくなったのは。
その中学校は一年の時から高校受験に備えてたくさんの課題や勉強を生徒に強要した。
霧島は最初の頃は着いていけていたものの、途中でドロップアウトしていく同級生達を見ていくうちにやる気をなくし、中学2年で近くの公立中学に転向した。
そのせいで親からは期待の目を向けられなくなり、幸丘高校に上がってからは荒れに荒れた。
なかでも特に喧嘩は頻繁にしており、運動の苦手だった霧島は高校2年で学校を占める番長的な存在になっていた。
誰よりも強い、しかし、そのせいで学校中の生徒たちから嫌われ、いつしか一人ぼっちになっていた。
孤独には慣れているつもりだった。
そもそも彼は親に目をつけられなくなってから人間関係に疑問を感じ、誰とも交流していなかった。
一匹狼、その言葉が示すように常に1人。信頼するべき人もいない。すべての人間が信じられない。
そんな孤独の人生を変えようかと思ったのがあの日だった。
ある雑誌で『彼女を作ろう! 彼女と一緒なら孤独からはおさらばさ!』と、大きな見出しでそう書かれた三流記者が書いたようなコラムがあり、そのアドバイスが書いてあった。
中でも興味を引いたのは『学校で嫌われてるならナンパするべし』という、一見特定の読者に対して失礼な章節だ。
ナンパ。
生まれてこのかた、異性と会話する機会がそうそう無かった霧島にとって、ナンパは困難な事ではあったが。
高校で彼女を作るよりは、自分を知らない女性と付き合う方が断然良い。
霧島はナンパする事を決め、覚悟を決めて立ち上がる。
決断の後は思ったより力が入った。
学校帰り、最寄りのファーストフード店で腹ごしらえと口説き文句の事前確認を行う。
20時を過ぎた頃にはすでに動いており、とりあえず女の子が集まるゲーセンのプリクラ機の辺りに移っていた。
そこでどう考えてもギャルっぽい女子高校生を見つけ、その子に練習した口説き文句を披露する。
そこからだった。そこから話が急速に変わる。
ギャルは一瞬怯えてクルリと後ろを向き、そのまま『薄暗くタバコの煙が蔓延する対戦台機がたくさん並んだ』場所に逃げるように走っていった。
自分を知っていたのか、それともナンパに怯えてしまったのか。
余談に俺がカッコよすぎて逃げちゃったのかと、勘違いも甚だしい妄想もしていたが、そのギャルが逃げた先の暗いゲーム台機エリアからたくさんの男がゾロゾロと出てきた。
その数名が【フラッグ】のチームマークである黒い旗のエンブレムが服屋防止に縫いつけてあったりペイントされていのを見て、なにやらヤバイと思いながらも、男たちに混じってさっきのギャルを目視で確認し、急いで店を出ていた。
そこから夜の街で大規模な逃走劇。そしてボコボコにされて生死の境を彷徨い、この世とあの世の境目にいたヨグと契約して命の危機を脱した。
そこからだった。霧島が一般人は入ってはいけない領域に入ったのは。
ヨグにあったその日、深夜に家に帰ってから貯めていた所持金と生活用品を持って家を出た。幸いにも仕事の都合で両親が2週間も家を空けていたので、警察にはまだ知られていない。
そして、その夜から【フラッグ】のメンバーを襲撃するべくビジネスホテルを転々としていた霧島。
理由としてはヨグから「あたしの近くにいないと、他の界外術師に見つかるよ」との事だったので、襲撃する幹部のいる区内に移ってうた。しかし、その法則を『約束された盤上』の銀城と言うサングラスに見抜かれていたようで、普通に見つかり拉致されたのだった。
霧島はその経緯と過程を思い返しながら、今の現状を見つめる。
あれからまだ数時間しか経っていないが、状況はとんでもない方向に向かっている。
まず、霧島の左腕には抱きかかえるように女の子がいた。そしてその頭に拳銃の銃口を突きつけている。
そして周りの風景は暗闇で、不思議な事に自分や、近くに立っているヨグの姿は確認できる。
状況を改めて見つめ、静かに目を閉じる。
霧島は、自分がとんでもない事をしているのだと理解している。しかし、これは必要な事だ。
自分を生かすために必要な行動だ。
そう心に言い聞かせながら落ち着こうとしていた。そんな時だった。
「ねぇ、あんたの願いはまだ叶えてないけどこれでいいの?」
ドキッとした。目の前にいるヨグがぶかぶかの袖口を弄りながら霧島に話しかけてきた。それだけども虚勢を張って心臓に悪いのに驚かすなと、心の中で愚痴をこぼしながら応答する。
「これが終わってからでいいだろ」
「あんた、本当は気づいてるんでしょう? 」
「…………何にだ?」
「自分があいつらの界外に利用されて殺されるの」
いきなり自分の核心を掴んできたヨグ。一瞬考え、拳銃の引き金にかける人差し指を脱力させたが、すぐに気を引き締めて会話を続ける。
「なんでそんなのがわかるんだ? お前は人の心なんて読めねーんだろ」
「何言ってんのあんたは」
虚勢を張って返す言葉に、ヨグは呆れて袖をぶらぶらと振り回す。
「あんたは最初に願った。【フラッグ】を壊滅させたら自分の魂をあたしに差し出すって」
「それが」
「だから、あたしはあんたを生かす」
断言するように、霧島に言い切るヨグ。
それに、霧島が目を見開くほどの驚きと前とは違う何かを感じ取っていた。
「確かにあたしは『絶対のその先』って存在に憧れてた。それを何百年もの間、あの白い部屋で待ち望んでいた。でも、今はそんなもの要らない」
「なんで……、お前があんなに欲しいと言っていたのに?」
霧島はこの話をヨグに聞く前から、なんとなくだが察していた。
ひとつは銀城と、銀城が呼び出した老人がヨグにその話を持ちかけた後、返答が違ったのか自分を痛めつけた時だった。
もしも、変わる前だったら素直に従ってい話に乗っていたはずだ。
「確かにあたしは主神。いや、本当はアザトース様がいる限り永遠の2番手なの……」
アザトース。霧島は知らなかったが、このアザトースとはクトゥルフ神話の本当の主神。
 クトゥルフ神話の宇宙や物象がヨグ=ソトースのことを意味するなら、アザトースはその上の世界に存在する。
その名前を口にした時のヨグ=ソトースの顔は暗く、霧島も見たことない悲しい顔だった。
「アザトース様は、あたしよりも上位で実力もある。でも、アザトース様は何もしない。乾いた魂をいつも眷属に癒してもらいながら、クトゥルフの運命を片手遊びで操る……」
「お前はしごとをしていた……と?」
「えぇ、いつもアザトース様の仕事をこのあたしが片付けていた。いつも、いつも……」
なぜだろう。
霧島は何かを感じていた。
「だから、あたしは変わろうとした。アザトースっていう『絶対』のその先にある存在になりたいと考えていた」
霧島はこの一言で感じていたものがわかった。
自分と同じなんだ……と。
「あんたに界外されて、あたしはこの世界にいる神と人間を全部喰らおうと躍起になってた。契約通りいって、あんたの魂を取り込めばあたしは自由。その後は世界中の生き物を搾取して『絶対のその先』になろうと考えてた」
霧島はそこまで自分と同じだと、しかし、その後の何かでヨグは変わっている事に気がつく。
「でも、今はそんなのどうだっていいって思ってる。そこの女の子の連れがそんなあたしを否定してくれたから」
そう言って霧島が抱えていた少女に指をさし、柔らかく微笑んだ。
霧島が見た事もないその表情は、ヨグという神にどう影響を与え、変化させたのを物語ってる。
「あの男は、あたしの夢をバカにした。そんなの、副神としての概念で生まれて初めてだった。そん時気づいたけど、あたしは多分、誰かに否定して欲しかったんだって。今のままで良いって、そんなのより誰かに尊敬されるやつになれって」
ヨグはそこで区切った後、霧島の近くに歩き垂れた袖口を彼に差し伸ばす。
「あんた……、霧島弾。これからあたしの夢を叶えるのがあなたの役割りに任命する」
ヨグの言葉を全て把握したわけではない。
少しだ。
しかし、境遇も同じならその答えも同じではないのか?
「そして、あなたに結ばせた契約の改変もする」
誰かに期待され、頑張って生きる人生から孤独の人生へ。
越える壁がでかく、違う道で何かを得ようともがいた者。
「この世界でもっと何かを得たい。その為にあたしはあなたを守るし、あなたは勝手に死んではならない。今契約に魂の譲渡も要らない。この契約は霧島弾の生涯続く。契約の変更はこれで良い?」
その時、霧島の胸元からガチャリと音がした。どうやら契約とやらが変更されたようだった。
「…………いいのかよ、こんな腐った世界に俺の生涯中居て。違う世界の神様だってのに」
「何言ってんの。また戻ってもアザトース様の仕事をするのはあたしだってーの」
「ふん、お前も変わってんな」
「そっちこそ、その女の子を人質にしてまであのニアってやつと決着つけようとか。カッコつけすぎ」
「俺が撒いた種だ。ならちゃんとケリは俺がつけなくちゃだろ」
「……さっきや、最初会った頃よりけっこう変わったね」
「どうやら長らく人と接してなくて、腑抜けてたみてぇだな」
「今は?」
「お前がいるから心強い」
「へぇー」
霧島とヨグは、最初あった頃のような警戒心がある会話はもはやしておらず。不要だった。
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