チビで鈍足。高校サッカーへの挑戦

ノベルバユーザー425222

はじまり

 退屈な自習の時間。何も手に付かず机の上にただノートを広げボーッとしていた。周りの生徒たちは受験に向けて必死にペンを動かす中、この物語の主人公である丸山蹴斗まるやましゅうとはただその時を待っていた。そしてついにその瞬間が訪れた。
「蹴斗。校長室までくるように。」
教室のドアを開け担任が入ってきてこう告げた。
 (ついにきたぞ。)
蹴斗は覚悟を決めて教室を立ち去り校長室へと階段を下っていった。校長室の前までくると1度大きく深呼吸をした。
(ここから俺の挑戦が始まるんだ!)
 意を決してドアをノックする。
コンコン「失礼します。丸山蹴斗です。担任の先生に呼ばれてきました。」
「おぉ蹴斗くんか。座りたまえ。」
校長先生にそう促され校長室特有のふっかふかのソファに腰掛ける。
「なんの話かは分かってると思うから単刀直入に言うよ。」
校長先生のその言葉に心臓がバンスし体温が上昇する。
「はい。お願いします。」
「丸山蹴斗。S高校、、、、合格!おめでとう!」
その言葉で全身の力が抜けようやく安心することができた。
「中学でもよく頑張ってたからね。厳しい挑戦かも知れないけど頑張るんだよ。」
「はい!ありがとうございます!高校でも精一杯頑張ります!」
校長先生に感謝と決意を述べ校長室を出るとちょうど授業の終わりを知らせるチャイムが鳴った。休み時間となり教室に帰るとクラスメイトの本田歩美ほんだあゆみが駆け寄ってきて尋ねた。
「おかえり蹴斗!、、、、で、どうだった?」
「バッチリ合格!緊張したー笑笑」
「おめでとう!凄いじゃん!本当によかった!でも、、、これで蹴斗とはしばらくお別れになっちゃうね、」
喜んでいると同時に少し悲しそうな歩美に蹴斗はこう告げる。
「俺さ、絶対全国まで行ってテレビで活躍するから!!そん時は歩美も応援してね!」
「する!絶対するに決まってるよ!あと帰ってきたら連絡くらいちょーだいね!」
「了解!まじで頑張ってくるわ!」




こうして周りが公立高校の試験に向けて勉強に励む中、私立のS高校への入学が一足早く決まった蹴斗は未来での高校生活に胸を踊らせるのであった。

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