聖剣に選ばれたスライムは、魔物なので勇者失格です!?

アイララ

冒険者したいが準備もしたい

それから討伐した素材について。まずは冒険者ギルドで預かって価格調査され、ギルドの取り分を差し引かれる。

その後、余った素材を現金か素材で渡されるらしい。集めた素材は売り払われ、ギルドの運営や私みたいな初心者冒険者に使われるそうだ。

そしてそれが保険にも関わってくる。まぁ、保険と言っても元いた世界のとは少し違う。冒険者ギルドの運営する病院と言ったほうが正しいのかもしれない。

ギルドは集めたお金を使って、冒険者を助ける為の教会を建ててるとの事。教会にいる聖職者は、身体回復の専門家。そんな人達が怪我した冒険者を治療する保険となっている。

勿論、冒険者自身も回復薬や回復魔法で身体を治すことはできる。でもそれは軽い怪我だけ、重傷を負った人をすぐ治せるのは教会の聖職者だけみたい。

だから皆、集めた素材が勝手に分配されるのを了承してる訳。こっそりギルドに預ける素材を少なくしたら、バレた時に教会から『治療はお断りします。』と言われるからね。

『さて、これで一通りの説明が終わりとなります。同時に書類の記入も終わったようですね。では冒険者証明書の発行料、100ゴールドをお願いします。』

『これを、100ゴールドです。支払いが終わりましたら、あちらにある依頼用掲示板に来てください。貴女に相応しい依頼を探しながらお待ちしています。』

彼から貰ったお金で交換も終わり、ついに私も冒険者になれた。魔王討伐への第一歩である。

言われた通りに依頼用掲示板の方へ来てみると、彼はそれに貼ってある紙を眺めていた。

『貼ってある依頼の中で、彼女のギルドランクで出来るのはどれかな?ふむ、薬草採取にゴブリン討伐ぐらいか。聖剣に選ばれた彼女の実力を知りたい所だし、ここはゴブリン討伐にしよう。

おや、もう支払いは終わりましたか。貴女の為にいい依頼を探しておきました。ゴブリン討伐です。準備が出来次第、討伐に向かいましょう。』

「随分と決めるのが早いのね、まぁいいけど。それより準備って?この聖剣さえあれば大丈夫だと思うけど。」

そう言うと、なぜか彼に呆れられた。失礼な、この聖剣を握った時に、転生前やってたゲームの動きが身体に入ってきたんだよ。

おかげで、いきなり襲い掛かってきた君の剣を真っ二つに出来たよね。その力でゴブリンぐらい、簡単に討伐できそうだけどな。

『大丈夫ではありません。確かに聖剣に選ばれた貴女が、そこいらのゴブリンに遅れをとる事はないと思います。

ですが、貴女が今着ているのは簡素な布の服ですよね。そんな装備では森の中を歩くのも一苦労です。木の枝や小石に引っ掛かるだけで身体が怪我しますよ。

近くの店できちんとした防具を揃えますので準備させてください。』

「あっ、、、いっけない、すっかり忘れてた。えへへ。」

こうして私は防具を揃える為に、彼と共にお店に行く事となった。

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