異世界転生してハーレムルートなのにヤンデレしか選択肢がないんだが?
13 ショタだとか男の娘だとか
別にヤンデレられたいわけじゃないからなにもないなら無いで構わない。むしろそのほうが俺としては安全に生きていけるわけで。
ただ毎回思うけど、みんな非常にかわいいのでものすごく残念な気持ちにはなる。普通の大学生やってたら俺はこんなに女の子たちと話せないだろう。
何度でも言うけど、俺は平凡むしろマイナスな男子大学生だ。
大事なことだから言っておくけどな、文系だって女の子に縁がないやつは居るし、俺はその一人だし、文系の縁がないやつってのはとことん何も無いんだ。覚えとけ。
「それで、ウタキさんはどういうルートなんですか?」
「驚いた、クレアったらそんなこともわかるの?」
「だってエレーナさんが一緒ってことはなにか事情がおありでしょうし…」
当たっててよかった、とクレアははにかんだ。うーん、しかしかわいい。
「ヤンデレハーレムです」
「ヤンデレハーレム」
「ヤンデレハーレムですか」
クレアはあらあら~と首をかしげているけど、クレオは渋い顔をしている。美少女ってのは本当にどんな表情でも絶対的に可愛いんだな。すげえな。世の中不公平だよな。
二人は顔を見合わせたり、こっちを見たりを数回繰り返す。クレアが口を開いた。
「ヤンデレって、なんです?病んでる、ではなく?」
「女の子に病的に愛されるってかんじかな」
「でしたら、私はともかくきっとクレオは違いますね」
「えっ、なんでそう言い切れるんだよ?」
「だってウタキ、クレオは女の子じゃないもの」
「はぁ!?」
びっくりしてクレオを見る。どっからどう見ても女の子にしか見えない。クレアと違うのは胸だけだ。
・・・胸?
「あの、その、私は、その…男なんです」
男 の 娘 。
いやいやいやいや属性ぶちこみすぎだろ、絶対守備範囲じゃないだろエロ漫画っぽきゃ何書いても良いとか思ってんだろ。書いてるのが誰とは言わないが。
たしかに胸はぺったんこだけど、身長はクレアと全然変わらないし、肩幅だって広くない。これが小学生とかなら身体的差異がないのも納得だけど明らかにこの二人は17とか18とかくらいだ。
「ふたりは、何歳?」
「私と同い年よ、19歳」
「デスヨネー…」
単純に、それこそリトロスとか王様みたいに男の部分が表立ったキャラならルートには入らないかもしれないけど、男の娘ってそういうジャンルが存在するじゃん日本では。
その理屈で行くとクレオは俺のルートに入ってくるんじゃないの?クレアと一緒に?どんな状況?双子とアレやコレやするってこと?男女の双子(一人は男の娘)と?
なにそれ俺もうついていけない。冒険に出る前からいろいろリセットしたい。勘弁してよもう。まだ始まりの町だよ。
「ウタキ、大変だろうけど私は見捨てないわ」
「エレーナさん、ちょっと俺のほう向いてもらえませんかねえ」
「うふふ、仲良しなんですね、妬けてしまいます」
「でもクレアは姫様たちより激しくないな」
「あらあら、そうなんですか?もとからそんなに嫉妬しいではありませんけれど…」
「まあまあ、大丈夫ですよウタキさん」
クレオがにっこりと笑って頬を染めた。
「最終的にクレアと結婚して私たち三人で家族になればいいんですものね」
「あらあらクレオったら、それはいい考えだわ」
「エレーナ、チェンジ」
「ないわよそんな制度」
どうやら俺は男の娘もるルートに入ってしまうっぽいです。もう嫌だ帰りたい。
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