泪の色

トロロ

イジメ


人を殺した。
誰にも 見えない場所で

僕の クラスでは ひとつのイジメが起きていた
イジメの対象は 気弱な女の子の 麓(ろく)
麓は 1年生の時から 理由は
わからないが 一言も喋っていない
それが原因で毎日 いじめられている

『凛〜 またやっちゃえよ
どうせ 大人はなにも出来ないんだからさ』

親が学校長ということもあり
担任の先生も 僕達が何をしても
反論などはしてこなかった

そして 僕は ずっと ずっと、 イジメを続けた
自分の心を置き去りにして

麓の 教科書を窓から投げ捨て
体操着をボロボロにして ゴミ箱に捨てた
だが この6年間 1度も 麓は涙1つも流さなかった

クラスのみんなは 大爆笑
自分でも気づいていたのかもしれないが
周りの反応から もうやめることは出来なかった

大人は何も言わない 全て金に踊らされて

放課後 僕はクラスで一人 椅子に座っていた
僕の日課でもあった
そして 1人で 教科書を拾っている
麓の姿が 窓から見える
腹が立った 何も出来ないなら
死ねばいい
自分から行動を起こさないと何も変わらないことは 1番知っている

僕の親は 金をだし目に この学校を牛耳り
生徒の親からの信頼も厚かった
そのため 僕は この6年間
先生に怒られたこともないし
悪口を言われたことも無い

変わってしまったんだ 環境が

幼稚園の時は とても気弱で
友達も1人もおらず 痣を何個も
作り 毎日いじめられていた
その時 僕は 幼稚園児ながらに思った

『 もう死にたい 』と
僕は自分自身を変えようとした
そうするにつれ 親も 周りの反応も
少しずつ 変わっていった

そして今 僕はここにいる

全てを思い返していた その時。
僕の 頬には 涙が流れていた

ただの償いだったのかもしれない
だけど僕は 目を閉じた。

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