勝部??

伊達\\u3000虎浩

第2章9クラス委員??中

 
 黒板を凝視しても、目を細めてみても、書いている文字は変わらない。
 当たり前である。
 しかし、それで納得できるほど、敗北勝負はできた人間ではない。
 かつまは猛抗議した。


「せ、先生!!何で俺が副委員長などやらなきゃならないんですか!!」


 全く、ロクデナシ魔術講師じゃないんだからしっかりして下さいと、かつまは心の中で呟く。
 かつまの猛抗議を受け、ここぞとばかりにひかりが参戦する。


「そ、そうじゃぞ!!我の力を欲するのは解る。だが我にはやらねば成らぬ事があるのだ!!」


 全くもってこやつはクソじゃ。
 我は世界を救うのに忙しいのに、何が悲しくて、まるお君ポジションにつかなならんのだ。
 ひかりは心の中で呟く。
 すると担任の先生が、ニッコリ微笑みかけ、事情を説明する。


「結城さんは学年トップですから、少しお勉強の時間を割いても問題ないでしょうし、敗北君は男の子ですからしょうがないですぅ」


 な、何を言うておるのだこのクソ女は。
 世界を救った俺はべん王軍にスカウトされてきょうをみる時間を割けと申して気負ったわ。
 我の真の力を解放してやろうか。
 ひかりは左目を抑えながら、プルプル震えだした。


 何て事を言うんだこの先生は。
 男だからと言う言葉は、この世から消しさるべきだよ!
 重い荷物を持たされたり、力仕事を押し付けられたり、男の子だから何て言われて得した事があるだろうか?否!断じてない!


 しかし、かつまとひかりの猛抗議を受けても、全く怯む事もなく、担任の皐月さつき みどりはニコニコしていた。


 かつまとひかりが、目を合わせてアイコンタクトをとり、みどりの考えを改めさせるべく、動こうとした時であった。
 ポキポキ、ポキポキ。
 みどりは指を鳴らし始めたのである。


「か、かつま!!マズイぞ・・みどりんがお怒りだ」


 言われなくても解っているわと、かつまは心の中で呟いた。
 ニコニコしながら指を鳴らすのやめてほしい。
 かつまを盾にするひかりに、世界を救う前に俺を救えと目で訴えるが、プイっと無視される。


 仕方なく、かつまがみどりに声をかけるのだが、バキバキっと鈍い音が教室内に響き渡り、かつまの声は聞こえなかった。


 かつまとひかりが、おそるおそるみどりの隣を見ると、チョークらしき物が粉状になっている。
 みどりの右手から、サラサラ落ちる白い粉を、ただ呆然と眺める二人。


 それでもなおみどりは、終始ニコニコしている。
 二人は頑張りますとしか言えなかったのであった。


「ハーハハハハハ!うぬらは運が良い。我が指揮するこのクラスに確実に勝利を与えてやろう!」


 学級委員長として、挨拶をやらされる事になったのだが、ひかりはノリノリであった。


「我に従え!!」


「・・・・。」


 静まり返る教室内で、ただ一人笑顔のみどり。
 ギアス好きのかつまは、ひかりのセリフを聞いて、少し羨ましく思っていた。


 かつまは流石に恥ずかしいので、我に従えとか、刻むとか、生きろ!!とか、数々の名言を心の中で叫びながら、無難な挨拶で済ませた。


「生徒が自ら進んで学級委員に立候補してくれるなんて・・みどり感激」


 かつまは今度からみどりを、ロクデナシ教師と呼ぶ事にしようと、心に刻むのであった。


 学級委員長とは何か。
 簡単である。
 クラスをまとめる役であり、何かあれば怒られる役でもある。
 だからか、こういうのが好きそうな茜が、全く興味を示さない。


 かつまがチラっと茜を見ると、机に顔をうずめ、眠っていた。
 隣ではひかりとみどりが、高笑いをしている。


「勝ったな・・ガハハ」


 ガハハと高笑いしている二人を、かつまは遠い目をしながら見ている事しかできなかった。


 ※ここまで読んでいただきありがとうございます。
 さていかがだったでしょうか?
 この作品を通して、懐かしむもよし、何言ってるんだこいつはと調べるもよし、こいつ面白くないと思うのはダメです!ごめんなさい嘘です。
 勝ったなガハハで検索すると、どういう意味なのかとか解ると思います。
 長くなってしまいましたが、次回もお楽しみに。
 ではでは。

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