勝部??

伊達\\u3000虎浩

第2章5 合宿エクストラ?? 下

 前半はルール説明です。
※をつけていますので、大富豪に詳しい方は飛ばしても問題ないですが、できたら全部読んでいただきたいです。


(主な登場人物)
・部長 林道 茜りんどう あかね ・副部長 敗北 勝負はいきた かつま
・会計 山月 やまつきありさ ・騎士(書記) 結城ゆうき ひかり
・秘書 服部 彩はっとり さやか ・顧問 西園寺 麗子さいおんじ れいこ


 不敵な笑みを浮かべて茜が告げる。


「大富豪で勝負よ」


 大富豪という言葉に首をかしげる彩は、かつまにどんなゲームなのか、確認してきた。
 仕方がないのでかつまは、ルール説明をする。


 大富豪とは、みんなで遊べるトランプを使ったゲームである。
 プレイヤーは順番に、前の人が出した数字より大きい数字のカードを場に出していき、最初に手持ちのカードがなくなった人が勝ちというゲームである。
 1ターンでどれだけ自分のカードを減らせられるかが、このゲームの重要なポイントでもある。
 自分がだす事ができない、または出したくない時はパスが可能で、駆け引き、よみあい、騙し合いのゲームでもある。


 最初に手持ちのカードがなくなった人は大富豪となり、最後まで残っていた人が大貧民となる。
 大富豪となったプレイヤーは、次のゲーム時、自分がいらないと思ったカードを2枚大貧民に渡し、強制的に大貧民の手札から、強いカードを2枚奪えるのだ。
 こう聞くと、大富豪になった場合、一生大富豪になったままなのかと思いがちだが、上手くカードを使えば倒す事が可能である。
 革命とよばれるシステムだ。


 ではカードの強さを説明する。
 3<4<5<6<7<8<9<10<11<12<13<A<2<ジョーカーの順である。
 大富豪で忘れてはいけないのが、さっき言ったように、革命というシステム。
 同じ数字を4枚または、3枚+ジョーカー1枚、2枚+ジョーカー2枚を場にだす。
 すると革命がおき、<、が、>に変わるのだが、ジョーカーが最強なのは変わらない。
 大富豪の人は当然、強いカードを占めている可能性が高い。
 大貧民から2枚カードを奪っているからだ。
 そこで、革命をすることによって強いカードを弱くして、大富豪を倒すのだ。
 大富豪の人は、それを恐れて、革命されてもいいように、弱いカードを残しておくのもポイントの一つである。


 ジョーカーは、オールマイティーカードでもあり、一緒に使う事が可能である。
 例えば、相手が11を2枚場に出し、残り1枚だとしよう。
 このまま誰もカードを出さないと、相手が勝ってしまう。
 そんな時に、12を1枚+ジョーカー1枚を場に出せば、相手の勝利を防ぐ事が可能だ。


 もし友人同士でやる事があった場合、確認しておく事がある。
 このゲームには、数多くのローカルルールが存在しており、スペードの3から始める地域もあれば、ジョーカーを倒せる唯一のカードとして扱う地域もあり、スペードの3を持っている人は最初に、好きなカードをだす事が可能とする地域もある。


 最後にこのゲームには、細かいルールが存在する。
 細かいと言ってもこれもローカルルールの存在である。
 ある地域では、8を出せば強制的にターンを終了させ、自分から好きなカードをだせるとした8切り。
 10を出せば、8を出した時と同じような効力を発揮させる、10つけ。
 11を出したらそのターンだけ、革命している事になる11の反乱。
 5をだしたら1つとばせる5とばし。
 5を2枚だしたら、とんで、とんで、で3つとばしで4番目の人の番になる。
 これも地域によって、2つとばしの所もある。
 同じマークを2番目の人が出すと、そのターンは同じマークしか出せない、しばり。
 これも、地方によっては途中からでもOKという、地域がある。
 そして、階段とよばれる出し方である。
 同じマークで並んでいる数字、例えば456とか4567とか。
 3枚だしたら、3枚の階段で返さないといけなかったり、4567だと革命だったり、5が含まれているから1つとばして・・などなどだ。


 ※※※


 かつまが説明を終えると、茜がルール説明を始めた。


・最初、スペードの3を持っている人は好きなカードを場にだしてよい。


・8切りと、5とばしはOK。


・5とばしは、4番目の人になる。


・しばりは2番目にカードを出す人のみ有効。


・5人いる為、大富豪、富豪、普通、貧民、大貧民と順位をつける。富豪は貧民から、1枚強いカードと、弱いカードを交換できる。


・ジョーカーは最強。


「後、最後に出すカードが、最強カードだと負けね」
「うむ。その方が面白いもんな」
「まぁ、とりあえずやってみようぜ」
 こうして大富豪がはじまった。


 茜がカードを配る。
 ・・・まずまずかな。
 かつまは、相手に見えないようにし、トランプを綺麗に並べていく。
「ふはははは!!俺かなり愚民共。我のターンからじゃ。行ってこい我が眷属よ」
 どうやら、ひかりがスペードの3を持っているらしい。
 順番は、ひかり、かつま、ありさ、茜、彩の順だ。
 ひかりの声と共にだされたカードは6だ。
 ・・・こいつ、3を出さずに6だと?
 かつまがチラりと見ると、ニヤリとひかりが笑う。


 かつまは7で続く。
 茜は9をだし、ありさが10、彩が13とカードをだしていく。
「ク、クク。愚民共が、醜い争いを繰り広げておるわ」
 ひかりはババババっと、謎のポーズをしながら、2を出してきた。
 ・・・間違いない!やつは革命する気だ。
 ここで、ジョーカーが出ないと場は流れ、ひかりが好きなカードを出す事ができる。
 ここまでが、大富豪の基本的な流れである。


 右手で左目を抑えながら、ひかりはニヤリと笑う。
 ここで革命をおこすのかと、茜、ありさ、かつまは唾を飲み込んだ。
「君に決めた」
 モンスターボールを投げるような、掛け声と共にひかりはカードを1枚出す。
 カードの数字は5。
 ルールに従って、かつまは順番がとばされる。
 チラチラかつまを見ながら、口元を抑えるひかり。
 ・・うぜぇ。
 かつまがとばされたことにより、ありさの番となる。
「ふふ。ひかりの好きにはさせない」
 意味ありげなセリフをはくありさ。


 ありさがだしたカードは6なのだが、同じマークのダイヤをだした事により、この場が流れるまでダイヤしかだせない。
「し、しばりだ」
 何故か息を切らせている変態ありさに若干ひいてしまう。
 茜、彩とパスをする。
 ・・・ダイヤのカードを持っていないのか、それとも作戦なのか。
 しかし、ひかりは動じることなくカードをきる。


 かつまの番になった。
 ダイヤのカードを持ってはいるのだが、ペアになっている。
 ひかりがペアでだした時の為に、ここはパスだろう。
「パスだ」
 かつまはパスを選択した。
 ありさもパスなら、場が流れて再度ひかりからになる。
 ひかりは負けじとカードをだす。
 ダイヤの13だ。


 ここは流石にパスするかと思っていたが、ありさは応戦する。
 ダイヤのA。
 ・・このカードを見るたび、野球がやりたくなるのは、きっと俺だけではないはず。
 かつまが、大富豪と関係ない事で感動していると、ひかりの動きがとまった。


 しばらく、手札とにらめっこしていたひかりはパスを宣言する。
「フン。ここは譲ってやる」
「おぉ。ひかりをとめるとは・・やるなありさ」
 かつまがありさを褒めると、嬉しそうな顔で自信満々に宣言する。


「しばりでは、誰にも負けん」


 いい終わった後、何故か顔を真っ赤にするのであった。


 ありさがカードを出す。
 続いて、茜、彩、ひかりと続く。
 ・・・どうする?またしても、ペアを崩すか悩む場面だ。いや、ここは我慢だ。
「パ、パスだ」
 この宣言に、茜とひかりがニヤリと笑う。
 場のカードは11だ。
 パスをするという事は、これ以上強いカードを持っていないのでは?と考えたのだろう。
 ・・甘いぜ。
 かつまは心の中でニヤリと笑う。


 ひかりの番からだ。
「リバースカードオープン」
 場にカードをだしたのはいいが、カードは裏返っている。
 しまったっとひかりが申しわけなさそうに、かつまにオープンさせてくれと、頼んできた。
 仕方がないので、カードをオープンさせるかつま。


 カードを見たかつまは、固まってしまう。


「ふはははは!死者蘇生!」


 オープンさせたカードの数字は5であった。


 右手をこめかみにあて、左手を真っ直ぐ伸ばしたひかりが、高笑いする。
 ・・・ちきしょう・・かいばぁぁ!
 かつまは再度とばされ、ありさ、茜、彩と続く。
「ククク。混沌のレクイエムの時間だ」
 ひかりがAをだしてきた。
 ひなりの手元は残り6枚だ。
 ここでとめなくては、あがられてしまう。


 かつまは勝負にでる。
 自分の手札に1枚しかなかった最強カード。
「な、なめるなぁあ」
 かつまは2をだし、流れを変えようとする。
 ・・どうだ?さっきパスしたから、11以上はないとふんでいただろう?
 これでやっと、自分の好きなカードがだせると、かつまが場のカードをヤマに崩そうとした時だった。


「甘い!甘いぞ城之内!」


 ひかりが、ジョーカーをだしてきた。
 誰が城之内だ!とツッコミそうになったが、それどころではない。
 ひかりがあがってしまう。


「ク、クク。我の名はライトニング。世界を救う者である」


 ひかりが3を3枚+ジョーカーをだす。
 革命だ。
「見たか貧民共!フハハハハハ」
 ひかりが1番にあがる。
 最後に出したカードは5であった。


 結局、3回とばされたかつまはビリとなり大貧民に。
 2位に茜、3位にありさ、4位に彩と続く。
 大富豪の醍醐味と言っても過言ではない。
 2回戦からが面白いのだ。
 2回戦が始まる前に、茜が提案する。
 勝った人はチョコレートフォンデュを食べれる。
 最後に負けた人は、食べれない。
 茜の提案に、全員納得する。


 こうして、第2回戦が始まるのであった。


 次回 第2章6 GW?? 上


 ※ここまで読んで頂きありがとうございます。
 大富豪の説明は解りやすかったですか?
 ローカルルールを全て説明すると、凄まじい量でして、多少省いております。
 例えば、地域によってはクローバーの3から始める所があるそうです。
 大富豪をやった事がない方は是非やってみて下さい。
 では、次回もお楽しみに。



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