勝部??

伊達\\u3000虎浩

第2章5 合宿エクストラ?? 中

(主な登場人物)
・部長 林道 茜りんどう あかね ・副部長 敗北 勝負はいきた かつま
・会計 山月やまつき ありさ ・騎士(書記) 結城ゆうき ひかり
・秘書 服部 彩はっとり さやか ・顧問 西園寺 麗子さいおんじ れいこ


 温泉あがりに卓球をしようと誘う茜、否、卓球大会が開かれることになった。
「卓球大会?」
 かつまは茜に聞き直す。
「えぇ。温泉の後は卓球でしょ!」
 ・・温泉の後はコーヒー牛乳だと思うのだが。
 温泉に入った後に、また汗をかこうとする意味がわからない。
・・・そもそも俺、温泉に入ってないんだけど。
「とにかく、この合宿は私達が強くなる為のものなんだから、文句言わない」
 茜がラケットを右肩にのせ、偉そうに命令してくる。
「ま、いいんじゃないか」
 両腕を組んでありさが賛同する。
 ひかりと彩も、納得しているようだ。
 ・・まぁ、あの2人は強くの部分ですでに落ちているだろう。
 かつまに拒否権はない。
 拒否したら後が怖いのだ。
「まぁいいけど。個人戦なのか?」
 かつまは、ラケットを取りに行くついでに、確認をする。
 この合宿には5人しかいない。
 チーム戦をするには1人足りないので、個人戦だろうと考えたのだが、茜が首を横にふった。
「チームワークを高める為にも、ここはチーム戦にしましょう。そうね、相部屋の人がパートナーって事でいいかしら」
 顎に手をあてて、茜が4人に告げる。
「一応聞くが、意味はあるんだろうな?」
「はぁ?今まで意味ない事なんかなかったじゃない」
 ・・・そうだっただろうか?
 かつまは考えこむ。
 かつまが考えこんでいると、茜がため息とともに解説してきた。
「いい?勝っても負けても、その後同じ部屋なら反省できるじゃない!!だからこそのペアなのよ」
 ・・俺1人なんだけど。
 一応理屈というか、納得する理由だったので、かつまは反論しなかった。
 1人で反省するのはまだいい。
 だが勝った場合、どうしろというのだろう。
・・誰もいない部屋でガッツポーズ何かしてたら虚しいだけだよ?
 そんな事をかつまが考えているとは知らず、試合のくじ引きをする事になった。


 一回戦 かつまVS忍魔術にんまじゅつ


 いうまでもないとは思うが、一応言っておく。
 対戦相手は、ひかりと彩である。
「ハ、ハ、ハ!遂に貴様とやる事になるとはな」
「うむ。拙者の生き様しかと見届けるでござる」
 彩がそういうと、ひかりが目を輝かせて彩に駆け寄る。
「い、今のはかっこよかったな」
「むむ。そうで・・ござるか」
 ひかりに褒められて、恥ずかしいのか顔をそらす彩。
「・・いや、生き様って死亡フラグじゃないか?」
 ・・もしくは、見とけ!って言われた方が死んじゃうんだよね。
「ワンセット15点先取した方が勝ち。いいわね?」
 審判の茜が確認してきた。
 かつま達がうなずくのを確認して、試合が始まった。


 卓球とは、1VS1や、2VS2でおこなわれる室内競技である。
 簡単に説明するなら、選手はお互いにコートに向かいあって立ち、ラケットを持って、ピンポン玉を打ち合い、点を多くとった方が勝ちという競技である。
 テニスの室内版と勘違いしがちだが、卓球はサーブする時自陣のコートに一回バウンドさせないといけなかったりと、多少ルールが違うのだ。男女混合もある。
 今回は遊びみたいなものなので、1VS2である。


 かつまからのサーブで、試合が始まった。
 まぁ最初はこんなものだろうと、かつまがサーブを打つ。
「もらったぁぁぁあ」
 ひかりがラケットをフルスイングする。
「・・・!!」
 フルスイングしたラケットがすっぽ抜け、かつま目掛けて飛んできた。
 かつまはラケットを全力でかわす。
 コン・コロコロコロ。
 ボールはかつまのコート上で、転がっていた。
「忍魔術チーム1点」
 審判の茜がジャッジする。
「いゃいや待て!今のは無しだろ!?」
 かつまは納得できず、審判にやり直しを求めた。
 ・・・だいたい何が忍魔術だよ!幽遊白書にでてきそうなチーム名・・あれ?そう考えたらカッコいいかも。
 かつまが心の中で呟いていると、茜が返事してきた。
「あんたがしゃがむからでしょ?普通に彩が打ち返してたわよ」
「ラケットが飛んできたら、普通しゃがむだろ?」
 かつまが茜にそう告げると、茜が首をかしげる。
「ラケットが飛んできたら普通キャッチするわよ?」
「ラケットをキャッチするってか!?」
 こいつは何を言っているのだろうか。
 かつまには理解できなかったので、他の4人を見る。
「ク、ク、ク。我はラケットごと打ち返すわ」
「うむ。拙者なら身代わりの術でかわすでござる」
 ・・次のターン全力で、ラケットを投げてやろうか?
 イライラしながら、かつまはサーブに戻る。


 サーブを打つ前に、かつまは深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
 たかがゲームじゃないか?
 熱くなるな!いつだってクールに!冷静に!
 俺は第三の男・・三村だ!!
 大好きなバトルロワイヤルを思い出しながら、サーブを放つ。
「もらったぁぁぁあ」
 再度ひかりが、ラケットをフルスイングする。
 案の定ラケットが飛んできた。
「馬鹿め・・・見切った!!」
 かつまはラケットを打ち返した。
 ・・・あれ?
 打ち返した後、もう一つラケットが飛んできた。
「風魔手裏剣  影風車」
 ・・・火影ではなくうちはの・・技。
 かつまの目元に彩のラケットが直撃し、倒れたかつまは気を失ってしまった。
 かつまが気絶した事により、卓球大会はお開きとなった。


 部屋で寝ていたかつまは、うなされていた。
 ・・誰かに見られている気がする?
 バッと体をおこして辺りを見渡すが、誰もいなかった。
 気のせいだろうか?
 毛布を被り、天井を見上げるかつま。
「・・うわ!?」
「・・!!」
 かつまはびっくりして、飛び起きる。
 天井を見上げると、天井の裏から彩と目があったのであった。
「かつま殿。いきなり大きな声をあげるからビックリしたでござるよ」
 シュタっと軽やかに彩が飛び降りてきた。
「いや・・普通ビックリしたらでるだろ。それよりなんであんな所にいたんだよ」
「・・・うむ。先ほどはすまなかったでござる」
 そう言って深々と頭を下げる彩。
「まぁ・・何だ。気にするな」
 頭をポリポリかきながらかつまは返す。
 どうやら責任を感じて、おきるのを待っていたみたいだ。
・・できることなら普通に待っていてほしい。
「うむ。かつま殿が起きたら、下に来るようにと、茜殿が言っていたでござる」
「そうなのか?なら行くか」
 かつまは彩を連れて、下へと向かうのであった。


 下に降りると、茜達がお菓子を食べながらお喋りしていた。
「おお!目が覚めて何よりだ。もう大丈夫なのか?」
 かつまに気がつくと、ありさが駆け寄ってきた。
 どうやら自分を心配してくれたみたいだ。
 こいつは変態でなければ、この中で一般常識に長けているやつだ。
 このヘンテコ部活動に、いてくれなくては困る人材と言っても過言ではない。
 友人第一号のありさにかつまは、少し感激していた。
「心配かけさせて悪かったな。もう大丈夫だ」
 自分のせいではないにしろ、心配をかけさせたのは事実なので、謝るのが普通だと思い、かつまは軽く頭を下げる。
 かつまの言葉に、満面の笑みでありさは返す。
「そうかそうか大丈夫なのか。じゃあかつま!頼みがある」
 ・・何だよ?水臭い。俺とお前の仲ではないか。
「何だ?言ってみろ」
 かつまも上機嫌で返す。


「チョコレートフォンデュを作ってくれ」




「・・・・・。」




「あの野郎!!食い物が心配だっただけじゃねぇか!!」
 かつまは泣きながら、チョコレートフォンデュを作るのであった。


 チョコレートフォンデュを作って、リビングに戻る。
「・・・できたぞ」
 テーブルの上に置くと、ありさが嬉しそうに手を伸ばした。
「待ちなさい!!」
 両腕を組んで、茜がありさの動きをとめる。
「な、何だいきなり」
 ありさは茜に聞き直した。
 茜はバンとテーブルの上にトランプを置いて宣言する。


「大富豪で勝負よ!!」


 次回第2章5 合宿??エクストラ 下


※ここまで読んで頂きありがとうございます。
さて今回はいかがだったでしょうか?
今回は自動段落機能を使ってみました。
どうですか?読みやすいですか?
感想等聞いて今後どうするか、考えたいと思います。
では次回もお楽しみに。





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