勝部??

伊達\\u3000虎浩

第2章3 忍者?? 下

(主な登場人物)


・部長 林道 茜 りんどう あかね・副部長 敗北 勝負はいきた かつま ・会計 山月やまつき ありさ ・騎士(書記) 結城ゆうき ひかり
・顧問 西園寺 麗子さいおんじ れいこ・転入生 服部 彩はっとり さやか


 勝負部に転入生を入部させてほしいと、麗子に頼まれたのだが、転入生はひかりの知り合いらしく、ひかりが転入生の入部を拒否する。
入部したくば、勝負!こうして、ひかりと転入生の勝負が始まるのであった。


 ひかりと彩が睨みあう。
茜は両腕を組んでいかにも悪巧みしていますと口元をゆるめ、ありさはひかりと彩を見て、顔を赤くしてよだれを垂らす。
・・目的がなんかずれてないか?
かつまはひかりと彩にたずねる。
「なぁ・・入部する、しないの話しじゃなかったのか?」
直後、茜から蹴られてしまう。
・・・!?おぉ・・。
茜の目を見てかつまは悟る。
・・これ以上言うなと目が・・語ってらっしゃる。
かつまを睨んだ茜は2人に確認をとる。
「では、これより入部テストをおこなう!準備はいいわね?」
茜の質問に両腕を組んで首を縦にふる彩。
「ク、クク。遂に我の力を解放する日がこようとは」
ひかりは、右目を左手で抑え、左肘に右手をそえて宣言する。
「我はライトニング!この世界を救うものである」
2人の勝負の幕があける。


 茜はホワイトボードに何か書き始めた。
待つこと数分後・・。
「またせたわね・・これで勝負よ!!」
バンとホワイトボードを叩き、茜は4人に説明を始める。
「今回は”秘伝レシピ”料理対決よ!」
部室内に衝撃がはしった。
ひかりと彩はあごに手をあて「うぬぬ・・」「うむむ・・」悩む。
ありさがかつまに確認する。
(おい。何故、入部テストが料理対決何だ?)
(俺が知るわけないだろう!)
チラっと茜を見る。
・・・凄くご満悦していらっしゃる。
満面の笑みで茜が続ける。
「ちなみに、審査員は私とかつまにありさの3人でおこない、点数の多い方が勝者よ」
ありさが手をあげる。
「質問なのだが・・料理をするのか・・?」
「そうよ」
今度は彩が手をあげる。
「何故・・拙者たちが料理など作らねばならぬでござるか・・?」
彩に続きひかりが茜に指を向ける。
「我は魔をあやつりし者、料理な・・はっ!さては茜・・腹がへって痛い」
茜がひかりの頭をはたく。
「いい?”秘書”を決めるのよ?2人の為の勝負っていったらこれ以外ないじゃない!」
頭を撫でながらひかりが質問する。
「ッテテ・・どういうことなのだ?」
「レシピを日本語に訳すと”何かを準備する手順書”つまり今回の対決、”秘伝レシピ料理対決”とは・・」
ひかりと彩は目を輝かせ、声を揃える。
「秘伝書料理対決!!」
目を輝かせる2人をニヤリと笑う茜。
かつまとありさはこの光景に慣れつつある自分達が、とても嫌だった。


 茜から勝負内容を聞いた、ひかりと彩は考え込んでいた。
審査員に選ばれたという事は、2人の料理を食べなくてはいけない。
・・・大丈夫か?
「さやかは料理した事はあるのか?」
かつまがたずねると、彩は眉をひそめる。
「・・かつま殿。拙者は見ての通り、くのいちでござるよ。作法は心得ておる」
・・・。
くのいちならの意味が解らないが、取り敢えず置いといて、ひかりにたずねる事にした。
「・・ひかりは大丈夫なんだろうな」
かつまがたずねると、ひかりは自信満々に言い放つ。
「愚かなり・・かつま、我を誰だと思うておる」
・・・中二病。
とても不安になったかつまは、茜とありさに確認する。
「おぃ。どうするんだ?あの2人、何だか料理が作れなさそうだぞ」
ひかりと彩に聞こえないように小声で話すと、”作れない”の辺りで2人がビクッと動く。
・・・まさか?
「もしかして・・お前らも作れないんじゃ・・」
ありさは焦ったように弁解する。
「ばばば馬鹿を言うなかつま!16歳にもなって、りょりょ料理ぐらいつかれるさ」
ありさに続き茜が弁解する。
「そそ、そうよ!私のレシピはすでに100をここ、こえているんだから」
・・・・君たち、噛み噛みだけどね。
噛んで許されるのは、蝸牛の少女だけだから、と心の中で突っ込み茜に提案する。
「なら、お前らも参戦な」
固まる2人。
急遽、茜、ありさ、ひかり、さやかによる料理対決が幕をあけるのであった。


 料理対決をするという事で、家庭科室にやってきた勝負部。
急遽、茜が参戦するという事で、審判と審査員の両方をかつまが担当することになった。
料理をするにあたり準備すると言い残し、更衣室に行く4人。
待つ事数分後・・茜がでてきた。
「猫が好き・・なのか?」
「いい、いいでしょ別に・・フン!」
猫のプリントだらけのエプロンを装備している茜。
・・・なんで怒ってんの?
次にでてきたのは彩だ。
「・・・つっこまないからな!」
「・・?何を言っているでござるか?」
うちわのプリントだらけのエプロンを装備している彩。
・・・火影に憧れるなら、なるとマークにかえろってばよ!
次にでてきたのはひかりだ。
「なんでゴスロリ服にツインテールなんだ・・」
「知れたことよ・・今宵の我はレイラちゃんなのだ」
・・この世界を救った俺は魔王軍にスカウトされて・・のコスプレとか誰も解らないだろうが!
マニアにはたまらないんだろうけど、とかつまは最後にでてきたありさを見る。
「・・・・よし。準備できたなぁ。始めるぞぉ」
「つつ、ツッコんでくれ!かつま!何でウェルカムなのかと!・・あぁ無視しないでくれ」
・・・それ前回の柔道でやったからね?
かつまのシャツを引っ張り、泣きながらお願いするありさを連れ、調理開始のゴングを鳴らす。


 調理開始と言ったものの、食材に変な物を入れられてはたまらないので、監視しに動くかつま。
・・・まずは茜からか・・ん?
茜の調理場に来たかつまは、何かに悩む茜に声をかけた。
「レシピを100持つ茜さん。どうかしたのか?」
「う、うるさい!ちょっと考えていただけよ」
なぜか、お米の袋とにらめっこしている茜。
・・しょうがない。助け舟でもだしてやるか。
「普段使っている、お米と何か違っていたのか?」
「・・!?そ、そうなのよ。ねぇかつま?お米を洗うって、石けんで?それともシャンプー?」
・・・どこの美容室ですか?
「水洗いで、お米を洗う・・ええい!無洗米にしとけ」
「無洗米って・・え?こっちでは洗わなくていいなんて・・なんていいお米なのよ」
・・・どこの通販番組ですか?
取り敢えずシャンプー米にならずにすんでよかった・・無洗米を開発してくれた企業の皆様!並びに農家の皆様!心の底から感謝申し上げます。
アイラブ無洗米!かつまは深く感謝し、ありさの所へ向かうのであった。


 ありさの所にやってきたかつま。
ありさは何故か鼻歌を歌っている。
・・”ごはんはおかず”を鼻歌で歌いながらごはんを作るのであれば、まずはごはんを用意しときなさい!
かつまが心の中でつっこむように、ありさはご飯を用意せず鍋をかき混ぜている。
順調そうに見えたありさが、急に顔を赤くし、ぐへへと奇声をあげながら、鍋に何かを入れようとしている。
・・・あれ・・は・・まさか?
ありさが入れようとしている何かを見て、かつまがありさをとめにはいる。
「あ、ああ、ありさ!何をいれようとしている!」
「か、かつま!いや、今後の為にかつまでじっけ・・いやかつまに元気になってもらおうかと」
「貴様は鬼か!!」
「・・・?鬼じゃなく、すっぽん鍋をって何だ!えぇいかつま離せ!」
「た、頼むー。そ、それだけは・・トンちゃ・・だけは食べないであげて」
かつまは泣きながら、ありさにお願いするのであった。


 何とかありさの説得に成功したかつまは、彩の様子を見にきた。
「・・おい。何だこれは?」
「なぬ?かつま殿はこれをしらぬでござるか?」
「あぁ知らないから、是非!解説を頼む」
「仕方がないでござる。これは”兵糧丸”でござる」
「ひょう・・ろうがん?」
「左様でござる。古くから忍者の里や村では農作物が豊かではないとされており、お肉やお魚もあまり食べなかった。拙者達は任務で天井裏に隠れたり、壁に張り付いたりする為、重量制限がかかっておるのでござるよ。そこで」
「だぁぁあもういい!解った、わかった。つまり原材料はなんだ?」
「大豆でござる」
「・・・。」
茹でただけのお手軽料理ではあるが・・まぁ安心して食べられるからいいか。とかつまはその場をさった。


 最後にひかりの、様子を見にきたかつまは固まってしまう。
なにやらブツブツ呟きながら大きな鍋をかき混ぜているのだが、鍋の中の色が紫色であった。
「・・ひかりは何を作ってるんだ?」
「ク、クク。カレーを作っておったのだが・・いやすまぬ。我の魔の力に反応してしまったようじゃ」
ひかりの周りには大量のブルーベリージャムの瓶が、転がっている。
「そうか。そうか。言っとくが食べ残したら退部だからな」
「・・・・」
固まるひかり。
今の時代、食べ物で遊ぶ事、食べ物を粗末に扱う事は禁止されている。
「ク、クク。安心せい。食べるのは審査員のかつ」
「食べないよ?」
ひかりの言葉を遮るかつま。
再び固まるひかり。
「ち、ちがうんだかつま!私は一生懸命つくたのに・・」
素に戻るひかり。
「冗談だよ、冗談。仕方ない・・秘密兵器をよぶか・・」
「我は戦略兵器レイラ」
・・だから、この世界を救った(略)のフレーズはマニア向けだからな!
心の中でツッコミながら、かつまは電話をかけるのであった。


 かつまが電話してから数分後。
「よばれて、飛び出て、じゃ、じゃじゃーん!」
・・?ちょっと違うような?
かつまが呼んだのは麗子であった。
「フフフ。私の為に可愛い幼女が作ってくれた料理とは・・おぉ!これか!」
目を輝かせて麗子は料理を見渡す。
「これは・・お粥だな!」
「ごはんです」
顔を赤くして茜が答える。
「ふむ。ただのお粥だけでは味気ないだろうから、塩をかけるなり、お茶をかけると美味しくなるぞ。もしくはその辺の自販機からお茶を買って、かけるといい。夏は最強のごはんになるからな」
麗子の話しを4人が真剣に聞く。
きちんと茜の料理を完食した麗子は、茜の頭を撫でて一言、ごちそうさまでした、と告げる。
「さて次はスープかな・・具がないみたいだが」
「ハ、ハイ!かつまが・・その・・すっぽんをいれるのはダメだと」
「そうか・・具なしでは味気ないであろう。冷蔵庫にあるものをぶちこめばたいていの物なら大丈夫だ。」
そう言ってありさのスープを飲みほす。
そして、茜同様にごちそうさまでしたと告げる。
「さて次は大豆かな」
「兵糧丸でござる」
「ふむ。このままでも美味しいのだが、煮たり、焼いたり、砕いたりするのもいいぞ。」
「砕くのでござるか?」
「あぁそうだ!砕いてプリンに入れてみるといい。うまいぞ」
そう言って一口で食べ、さきほどと同じようにごちそうさまでしたと告げる。
・・ここまではいい。しかし次だぜ、先生さんよ~。
かつまの口元がニヤリとする。
「ふむ。これは何かな?」
「・・・カレーです」
恥ずかしそうにひかりが告げる。
「ひかり君。顔をあげたまえ。君はこれをどういうつもりで作ったんだね?あぁ責めているんじゃないいんだ。」
「・・・。」
「ふふふ。一生懸命作ったのだろう?なら恥ずかしがる事はない。堂々と胸をはりたまえ」
そう言ってひかりが作った謎のカレーを食べる麗子。
「うむ。ここまできたらいっそ、カレーを倒すのがいいだろうな」
「たおす?」
「あぁそうだ。もっとブルーベリーをぶちこんで、ブルーベリージャムを再構築するのさ。ブルーベリージャムを大量にぶち込んだら、冷蔵庫にいれておく。カレーに水を大量にいれたらそれは水だ。水の味しかせん。だからこれもカレーをブルーベリージャムで倒す・・倒すのは得意じゃなかったかな?」
そう言って優しく微笑んでひかりの頭をなでる。
「と、得意であります。師匠!」
麗子に向かって敬礼するひかり。
かつま以外の4人は固まってしまっていた。
「いやぁとても美味しかったよ。ごちそうさまでした」
そう言って深々とお辞儀をする麗子。
「・・真面目な所もあるんで・・イテ」
かつまの背中を4人の拳が襲う。
「フフ。4人に免じて聞かなかった事にしよう。かつま君。真面目ではないよ」
「え?・・でも」
「これは礼儀というものだよ。当たり前ともいうがね」
そう言ってウィンクする麗子。
なんだか、心が痛くなるかつまであった。
「フフ。さて私はそろそろ行くとするよ。あぁそうだ!彩君を入部させる件だが・・」
「異論ありません!!!!」
そう言って4人は麗子にむかって敬礼する。
「良かった。では私はこれで」
そう言って部屋を後にする麗子。
 麗子が部屋から出ていった後、茜が切り出す。
「じゃあ、れいこちゃんが言うように彩は今日から勝負部の一員よ」
「ぐぐぐ・・師匠が言うなら仕方があるまい」
「よろしく頼むでござる」
彩がお辞儀をする。
その行為がさっきの麗子の言葉と重なって見える4人であった。


こうして勝負部に秘書が加わりました。


次回 第2章4 合宿?? 上 


※ここまで読んで頂きありがとうございます。
さて今回はいかがだったでしょうか?
今回から人物紹介を作っております。
おおラノベっぽいという作者の自己満です(笑)
噓です。このほうが読者の方にはよいのでは?と思ったからです。
さて、麗子の食べ方は実際に私の体験談ですので、味の保証はいたしません・なのであしからず。
人には好みがある・・あっ!ひかりのカレーは妄想なので、あしからず
ちなみに彩の語る忍者は一応調べて書かせていただきました。
体重制限60キロらしいです・・私はオーバーしてるので忍者になれないってばよ!
ではこの辺で次回もお楽しみに。









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