勝部??

伊達\\u3000虎浩

第2章3 忍者?? 上

 フハハハハハ!!
全国の書記の諸君またせたな!
書記なんだからなんだのと書類を押し付けられ、全く愚かな人間共ばかりで困った事ばかりであろう!
書く仕事などやらなくてよい!
何故なら我等は騎士なのだからな!
我はライトニング!このせか


 かつまはひかりが書いた議事録を消しにかかり、書き直す。
・・書記は書く仕事だからね?
全くと言いつつ、議事録を作成していく。
詩織のというより、ありさのお願いを聞く事になった我ら勝負部。
残念ながら負けてしまったのだが、詩織か喜んでいたので結果的にはよかったのではないだろうか。
 コーヒーを飲みながら今日の事を思い出して、思わずにやけてしまう。
・・・勝負部ね・・本当におかしな部に入部したものだ。
かつまは静かに入力画面を閉じ眠りにつくのであった。


 勝負部ね・・。
・・本当に何なんだ!!
かつまは放課後、職員室で先生に怒られながらイライラしていた。
 1時間目の国語の授業の時であった。
スヤスヤ寝ているかつまの背中にチクっと何かが刺された。
「イテッ!?・・何するありさ」
「馬鹿、先生のご指名だ」
・・ご指名だといかがわかしく聞こえるからって指名!!
バッと前を向くと先生が目つきを鋭くしてこっちを見ている。
「・・敗北君・・続きを朗読してくれるかね」
メガネをくいっとあげて先生がこっちを見ている。
「は、はい!え・・と」
大慌てで教科書をパラパラとめくる。
「・・教科書152P1行目」
ボソボソっと前の席、茜から教えてもらう。
・・おぉ!チームワークばっちりじゃねぇか!ありがとう!勝負部。
「メロスは激怒した」
かつまが朗読を始めると周りからクスクスと笑い声があがる。
・・あれれ?
「・・敗北君。今は何を学ぶ時間ですか?」
「そりゃ国語・・って銀河鉄道の夜!?」
黒板を見て、バッと茜を見ると、プルプル肩を震わせながらお腹を抱えている。
・・こ、こいつやりやがったな!!
かつまは激怒した、のだが先生がかつまを呼ぶ。
「・・敗北君。放課後職員室に来なさい」
「・・はい」
・・できれば放課後に、校内放送で呼び出してほしい。怒られると解っていて過ごす1日ほど辛いものはない。


 そういうわけで、現在怒られているかつま。
・・説教した後にプライベートの話しとか関係ない話しをするの、ホント勘弁してほしい。
説教が終わりトボトボと部室まで歩いていると、中庭に不自然なものがある事に気付いた。
・・・竹?
噴水の手前に1本だけ竹がささっている。
気になってかつまが覗き込む。
「う、うわぁ」
中に人がいて竹をくわえながら沈んでいる。
制服のリボンの色から女子で1年生なのは解ったかつまは、竹の中央の穴に水を注ぎこむ。
・・・いつまでもつのかな。
しばらくすると女の子が浮上してきた。
「お、愚か者ーー拙者を殺す気かぁぁぁあ」
ぜぇぜぇと言っている少女。
「いやぁすまんすまん。ちょっとやつあたり、じゃなく挨拶をしたくて」
「貴様は、挨拶をしようとして女子おなごをいじめる趣味の持ち主なのか」
両腕を組んで口元にマスクみたいなものをあてる少女。
黒い髪を三つ編みにした少女。
身長は155㎝ぐらいで胸は普通ぐらい。
目元がつり目でなんか変な喋り方・・ひかりの友達か?
「俺は1-Aのはいきた かつまだ」
「ふむ。これは丁寧にかたじけない。拙者は服部 彩と申す」
「はっとり・・さやか?」
「今日から復帰いたすゆえに何処に所属かはしらぬ」
所属ってと思ったかつまの携帯が鳴る。
「マズい・・茜だ・・悪いまた今度な」
かつまは彩と別れ急いで部室に直行したのだった。


 部室のドアを開く。
「遅い!!」
茜が両手を腰に当ててかつまを睨む。
「誰のせいだ・・誰の」
「あんたでしょ」
怒られたのは、かつまが寝ていたからである。
「ぐぐぐ・・」
何も言えず、いつもの自分の机に座る。
「さてお馬鹿も来た事だし昨日の反省会をするわよ」
バン!と机を右手で叩き、左手を腰にあてて宣言する。
後ろのホワイトボードには”反省会”とでっかく書いてある。
「ありさ!我々勝負部の活動目的は何?」
「勝つ・・事だろ?」
「その通りよ!しかし結果はどう?ひかり」
「ぐぐぐ負けた」
「その通りよ!はい、かつま!負けた原因は何?」
「お前の反則のせいだ」
「・・・・」
顔を真っ赤にして頬を膨らます茜。
ぐうの音もでないとはこの事をいうのであろう。
実際、順番をきちんと守っていたら勝てたのかと聞かれたら解らない。
やってみないと解らないし、それを言い出したところで後の祭りだ。
「と、とにかく!今後このような事がないよう反省するわよ」
・・・反省と言われても、順番を守ろうという当たり前の事しか反省できないけどね。
「勝つ事だけが全てじゃないだろ?」
かつまが茜に落ち着くようにと提案する。
「ハァ?勝つ事が全てよ」
「昨日のは勝負に勝って試合に負けたってやつだ」
「それじゃ意味ないじゃない」
再度机を叩く茜。
部室内はシーンと静まり返ってしまう。
・・・マズい・・何だか知らんがますます怒ってらっしゃる。
静まり返った部室。
気まずい空気を変えたのは、来訪者であった。
・・助かった。怒られている時の来訪者や電話大好き!
しかし来訪者の姿を見て考えなおす事になる。
来訪者は勝負部顧問にしてこの高校の校長でもある、西園寺 麗子であった。


 麗子は静まり返っている部室内を見渡し、あごに手を当てフムと考える。
「もしかしして・・私の歓迎会のお話し中だったのか・・すまん」
「違うから!これ・・ほら”反省会”って書いてあるでしょ」
かつまが麗子につっこむ。
「ハハ。冗談だよ、冗談。さて何事かね?」
麗子に昨日の事を話す。
「ふっ・・そう言う事か」
麗子は話しが終わるまで目を閉じ、足を組んで黙って聞いていた。
「では私から皆に顧問として課題をだそう」
麗子は、ひかりを見ると話しかけた。
「ひかり君。君にとって勝利とは何かね?」
「・・それは」
麗子はありさを見る。
「ありさ君。君は解るかね」
「・・・いえ」
麗子は茜を見る。
「部長である茜君は解るかね?」
「勝つ事です」
(フフフ全く)
「茜君。それでは50点だ」
「・・50」
「ではかつま君。君はどうかな?」
「それは・・?」
言いかけたかつまに向かって、麗子は人差し指を口元にあて、ウィンクしている。
答えるなというサインだろう。


麗子は腕を組み机の周りを歩きだした。


「君たちの高校生活は始まったばかりだ。卒業する頃にもう一度同じ質問をしよう。これが課題だ」


「もう一度ですか?」


ありさがたずねる。


「君たちにとって部活動でしか味わえないものがある」


「味わえぬもの?」


ひかりがたずねる。


「あぁそうだ。そしてそれはかけがえのないものになるだろう」


「かけがえのないもの?」


茜がたずねる。


麗子は真剣な眼差しで何の照れも迷いもなく4人に告げる。










「青春だよ」




※ここまで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
いやぁさやかの登場シーンで迷いました・・
最後にするか?いや最後は我らの麗子でしめたいそんな感じです。
面白かったっと思っていただけたら幸いです。
では引き続きお楽しみください。

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