勝部??

伊達\\u3000虎浩

第1章7 世界を救う女??

「失礼。我が名はライトニング。世界を救うものである」


かつまに向かい左手を右ひじに当て右手を額に当ててニヤリと笑う少女。
・・・この女は何を言っているのだ?
茶色い髪や顔立ちからして日本人だよな?
かつまが困惑しているとライトニングは額に手をあてながら左手をバッと差し出す。
「我が結界魔法を打ち消すとは・・お主もしや術式解体のつかいてのものだな?」
そんなものはつかえないし、さすおにともよばれていない・・。さす姉はいるけどね。
「え~っとお前同じクラスだよな?俺の隣の席の・・・」
「お前ではない!ライトニングだ」
いちいちポーズをつけないでほしい・・。
かつまが困惑していると後ろからありさがやってきた。
「何かあったのか?・・ひかりじゃないか」
かつまの肩に手を置き若干息をきらせありさはひかりを見る。
「ググ・・お前はありさ・・」
ひかりは少し後退りする。
「ありさの友達か?」
「違う!」「違うわい!」
そんな全力で否定しなくても・・。
かつまが困惑しているとありさが力説する。
「いいかかつま!私にとって世の中の女子は友達ではない!例えるなら・・そう異性だ!」
そう堂々と宣言しなくても・・・。
かつまがひいているとライトニング、もといひかりは力説する。
「愚か者!よいかわらわにとっての女は友ではない!うえた男どもの生贄に捧げるエサなのだ!」
かつまの顔をのぞきこむように二人は詰め寄る。
「わかったから!離れろ!」
深く関わらないでおこう・・。
かつまは二人から距離をとる。
「それでライトニングはここで何をしているんだ」
かつまは仕方なくひかりではなくライトニングと呼ぶ。
草むらでポニーテールをぴょこぴょこさせながら、何かを探しているなら手伝ってあげようと思ったのだ。
ライトニングは良くぞ聞いてくれた!と言わんばかりにポーズをとる。
「聞きたいか?うん?聞きたいであろう・・?」
「・・・いや別に」
そう言われライトニングはひるんだ。隣のありさは下をむいてウヒっと声をあげる。
「悪かった!冗談だ。聞きたいです」
涙目のライトニングを見て仕方なく付き合う事にしたかつまだったが後悔する事になる。
「そこまでお願いされたのであれば仕方あるまい」
うぜぇ・・。
ライトニングは誰にも聞こえないように口元を手で隠し、ささやく。
「実はわらわは追われておるのじゃ」
・・・・。
「なんじゃその目は!やめろ!哀れな子を見るようなその目をやめろ」
ライトニングはふんがーっとお怒りになる。
哀れな目で見ていたかつまは隣にいたありさに話しかけられる。
「ひかりはこう見えてすごい子なんだぞ」
あぁ・・ある意味すごいよ・・君たちは。
顔を赤くしながらありさは続ける。
「今年の入学生の中で彼女は主席だ」
・・・え?こいつが?
ありさの言葉が聞こえたのかライトニングはぷいっと横をむく。
「お前ってすごいやつだったんだな」
日頃から人を見た眼で判断しては駄目だと、茜やありさ達から学んでいたはずなのに・・かつまは反省する。
その言葉に何故かプルプル震えるライトニング。
・・?なんか変な事言ったか?
「今度良かったら勉強教えてくれよ・・・。な?」
「・・・・・きない」
え?っと聞き直すかつま。
「だから勉強はできないのだ!」
「だってお前学年主席なんだろ?」
かつまにそう言われて少し恥ずかしそうに下を向いてささやく。
「あれは賢者の杖を使ったから・・」
・・・賢者の杖?
「なんだそれは?」
そう言われ少し考え込むライトニング。
「・・・よし!ならば教える代わりに条件がある」
ライトニングは何かに納得したのか、そんな事を言ってきた。
「よいか!わらわは今、追われているのでそいつが来たら追っ払ってほしいのじゃ」
う~ん・・もしかしたらストーカー被害にあっているのかもしれない。
黙っていれば可愛いと言えば可愛いし。
最重要容疑者は隣にいるから、もしこいつだったならやめさせればいいわけだし・・よし!
「あぁ。約束する」
かつまがそう言うとライトニングは安心したのかいつもの調子に戻る。
「ならば仕方あるまい!我が魔力によってのみ発動を可能としたマジックアイテムを見せてやろう」
はぁぁぁぁぁああっと両目をつぶり両手を前に突き出しライトニングはサッとポケットに手をいれる。
「エクスカリバーァァァァァ」
ポケットから何かを取り出し天にかかげるライトニング。
かかげたものそれは・・・六角えんぴつであった。
・・・えんぴつだよな?
何故か息を切らせているライトニングはニヤリと笑みを浮かべる。
「コレがわらわの魔力を持って作り出したマジックアイテム・・エクスカリバーじゃ」
そのえんぴつには番号が振られている。
・・・まさかこいつ・・えんぴつを転がして主席になったというのか・・。
だがかつまには心当たりがあった。
かつまは高校試験の日の事を思い出す。




現在の入試試験はパットを使ったマークシートシステムを採用している。
コンピューターが採点するため、正解なのに字が汚くて不正解扱いされてしまったり、故障で採点ミスになり本来合格だった子が不合格になったりと色々な事情が重なってこのシステムになった。
当然、空欄などあるはずもなく、解らなくても適当に押せば正解になってしまう為、不満の声があったのだが運も実力の内という事でこのシステムになっている。
故障にあう確率は100万分の1と言われており、故障にあった場合は特別生徒という事で報酬や高校入学から卒業まで学費免除するという事になっているのだが、過去に1人しかいないそうだ。
入試当日かつまは少しでも勉強しとくかと少し早めに家をでた。
受験番号の書かれた紙と机が一致している場所を探していると、右目だけが紫色の女の子と目があった。
・・・・。
向こうは無言でただ真っ直ぐ前を見つめている。
・・・外人さん?いやハーフか?いかん、いかん。
かつまは首をふる。
今は入試に来ているのだ!女の子などに気をとられている場合ではない。
再度席を探していると、どうやらその子の左2つ前の席らしい。
かつまが席に座り復習してから10分後チャイムがなった。
しばらくしてキレイな人がパットの画面に映し出された。


「我が高校に通いたいかぁぁぁぁああ」
迷彩服をきたその女性は右手をかかげ叫びだす。
「・・・?聞こえないなぁ」
モニターの女性の目が鋭くなる。
「良いか諸君!戦いは既に始まっているのだ!例えるとするならば」
モニターに映る机を両手で叩き彼女は続ける。
「合コンで友人に騙される気持ちがわかるか?あぁん?何が全然タイプじゃないよ~だよ!ちゃっかり連絡先交換してんじゃねぇか。挙句の果てに、私~家庭的で~え~そんな事ないです~あああああ世の中の男は何ですか?これを言われたら嬉しいんか?100%騙されてるからな!幼女諸君!合コンは戦場だが・・」
モニターが暗くなり校内放送が流れる。
「5分後テストを始めます。机の上には何も置かないようにお願いします」
ざわざわする教室内。
・・・なんなんだ?
かつまはこのキレイな人が後に校長先生だと入学案内で知る事となる。


試験が始まりしばらくすると・・コロコロ・・コロコロ・・
・・何の音だ?
・・・コロコロ・・コロコロ・・タン。
・・何か落ちた?
しばらくすると前から先生らしき人がくる。
かつまの横を通りすぎハイっと小さな声でささやくと再度かつまの横を通り過ぎていく。
・・・何かを拾った?
・・コロコロ・・コロコロ・・コロタン。
・・またか?
しばらくすると嫌そうな顔をして前から先生らしき人がくる。
かつまの横を通り過ぎハイっと小さな声で言うと再度かつまの横を通り過ぎていく。
・・パットの試験だから何かを落とす事なんてあるのか?
・・コロコロ・・コロコロコロ・・タン。
しばらくすると顔を赤くして前から先生らしき人がくる。
かつまの横を通り過ぎハイっと言うと再度かつまの横を通り過ぎていく。
・・勘弁してくれ。
20回ほどそれが続いた時遂に先生らしき人は元の場所に戻らず、かつまの横で待機する事を決めたようだ。
何十回も往復させられ、息を切らして、汗だくになりながら、鬼の形相した人が隣にいるのだ・・。
不幸だぁぁぁぁぁ!とLv0のお兄さんみたいに叫びだしそうになるかつまであった。
否。この先生らしき人こそ叫びだしそうであった。


こいつだったのか・・。
あの夜コロコロコロコロと音がした気がして眠れなかった事の恨みでも言おうかと思ったかつまはライトニングの瞳を見て疑問に思う。
「あの日右目だけ紫色だった気がしたんだが・・」
彼女の前髪を少しずらしのぞきこむ。
・・茶色だよな?
「ぶ、無礼者!!貴様・・わらわに・・触った」
最後何て行ったのか聞こえなかったが顔を真っ赤にして怒っているみたいなので謝ろうとするかつま。
「まぁ良い。紫色になっていないのはバーサーカーモードになっていないからじゃ」
バーサーカーモード?
かつまが説明を求めようとした時であった。
「いたいた~って丁度みんないるわね!」
茜のご到着である。
「おっ!ひかりも一緒とは好都合ね」
ビクっと震えるひかり。
「ひかりではない!ライトニングと呼べ・・」
かつまの背後に周り、文句をいうひかり。
そして背後からかつまにむかいささやく。
「ほら!お主の出番じゃ・・約束したであろう」


まさか・・ストーカーはこいつだったのか!!


第1章8 書記??























「コメディー」の人気作品

コメント

コメントを書く