世界を救った俺は魔王軍にスカウトされて
第一章7 桜ヶ丘高校アリスとレイラ 上
【8】
桜ヶ丘高校とは男女共学のごく普通の高校であり、和斗と妹の美姫は1年生として通っている。
二人は双子という事もあり、学内では有名人である。
学業もスポーツもできる和斗は、女子生徒から人気があり、妹の美姫も兄ほどではないが、学業もスポーツもそこそここなす優等生である。
和斗は男子生徒から少し反感をかっているが、本人は特に気にしていない。
妹の美姫は元気で明るく誰からも好かれているのだが・・・重度のブラコンであった。
「どういうことなのか説明してよ!お兄ちゃん」
ソファーの上で両腕を組み、片足を組んで、カズトを見下ろす妹。
妹の部屋に入ったカズトは正座をさせられ、そんな事を言われる。
「なんて説明したらいいか・・」
実際説明などできるのか?と、考えるカズト。
そんな、曖昧な返事を返す兄に対し、美姫は泣きながら抱きついてきた。
「お兄ちゃんは誰にも渡さないんだから」
妹の美姫を誰よりも大切に思っているカズトは、妹を甘やかしすぎてしまっていた。
妹がわがままになってしまったのは間違いなく自分のせい・・だろう。
しばらく泣きだした妹を優しく撫でていると、スースーと寝息が聞こえてきた。
(フー。なんとか逃れられたか。だが説明するにも・・)
カズトがそんな事を考えながら妹をベットに戻していると、カチャっとドアが開く。
アリスとレイラがそ~っと顔を出してきたので、指を立ててシーっとサインを送る。
二人はうなずくと美姫の部屋に入ってきた。
「あんたって妹に頭があがらないのね」
アリスがニヤニヤしながら、そんな事を言ってきた。
「う、うるさい。それより部屋で待っていろと言っただろう」
少し恥ずかしそうにしながら、カズトが答える。
「お腹がすいたのよ!あんたには気遣いっていう言葉を、知らないのかしら」
アリスはお腹がすいているようだ。
ツンツンっと背中をつつかれて後ろを振り返ると、レイラがスカートをつまみあげ、片足でくの字のポーズをとっていた。
「・・・どうでしょか?」
恥ずかしそうに顔を赤くした、金髪ツインテールの少女。何故恥ずかしそうにしているのかというと、いつも着ているゴスロリ服ではなく、和斗や美姫が通う高校の、制服姿だったからである。
「どう・・って、似合っていると思・・イテ」
アリスに蹴られたカズトは、妹のベットに倒れこんだ。
「バカレイラ!ズルい!ズルい!次私の…ば…ぁん」
そんなカズトをよそに、アリスとレイラは取っ組み合いをはじめる。
(イッテテテ・・アリスのやつ・・・?)
思わず固まる和斗。寝ていた妹と目が合ったからであり、固まるカズトを見た妹は、激しく動揺した。
「おおおおおおお兄ちゃん、そそその夜這いに来るならくると・・前もって・・」
顔を真っ赤に染め上げた妹に、なんと言うべきか、と、頭を抱えるカズトの後ろで、二人はまだ、制服を奪い合っていたのであった。
ーーーーーーーー
「それでどういうことなのか説明してくれるよね?お兄ちゃん」
美姫は怒りと羞恥で顔を真っ赤にしながら、三人を見下ろしている。美姫の前に正座させられたカズトとアリスとレイラ。
兄と魔王サタンの娘。そして勇者一行の1人である少女を、正座させられるのは妹ぐらいだろうとカズトは現実逃避気味に考える。
さて、どう誤魔化すべきか…。
悩むカズトの気持ちなど知った事かと、アリスが口を開いて説明する。
「私たちは学校っていうのに行ってみたいんだけど、あんたのお兄ちゃんがダメだって言うのよ」
アリスはカズトを指さしながら力説する。
そんなアリスをよそに、レイラは無言で座っているた。
「確かにそういったが・・」
(どうする?何て言えばこの状況を変えられる)
「私達はこの学校って所で、みんなと勉強っていうのがしたいだけなのに」
レイラは無言でうなずいている。
「お兄ちゃん…そんなひどい事言わないよね?」
美姫はカズトの顔をのぞきこみながらたずねた。
これは噓をついていないかを見破るためにやる妹の癖である。
(マズい!噓をつけばバレてしまう)
「いいか美姫。この時期に学校に通うっていうのはそう簡単な話しじゃないんだ。制服はともかくとしてまず学力だって必要だ。当然お金もかかる」
カズトのとった行動は単純に、正論を告げるということだった。
「学力ってなんだ?」
「恐らく魔法を覚える為の知識だと思われます」
アリスとレイラはひそひそ話しを始めるが、カズトは隣にいる為、まる聞こえであった。
「制服なら私のが何着かあるし、アリスちゃんだったよね?手芸部の友達に頼んで作ってもらってあげる」
美姫は二人を見て笑顔で接した。
本来ならばちゃん付けされたアリスは怒るのだが、自分の為に何かをしてくれるなら許せるらしい。
「お前っていい奴だったのか」
「美姫様にそんな面倒な事させられません」
「な、なんて事を言うのよアンタ」
「まぁまぁ二人とも。仲良くしなきゃ駄目!そんなんじゃ、作ってあげないよ?」
すっかり打ち解けたのか、三人は仲良く喋っている。その姿をみてカズトはホッと胸をなでおろすのだが、このままではアリスとレイラが、学校に来てしまうという事に気付いた。
さて、どうするか…と、悩んでいると、三人の目線に気付く。
「ん?な、なんだ?」
「お兄ちゃん」
「・・・テト」
「あんたって奴は…さっき気遣いって言ったじゃない」
なんで急に怒られているのかが解らず、固まっていると、アリスから蹴りが飛ぶ。
「サイズを測るんだから出ていけ!!」
背中を蹴られたカズトは、背中をさすりながら、部屋を後にするのであった。
桜ヶ丘高校とは男女共学のごく普通の高校であり、和斗と妹の美姫は1年生として通っている。
二人は双子という事もあり、学内では有名人である。
学業もスポーツもできる和斗は、女子生徒から人気があり、妹の美姫も兄ほどではないが、学業もスポーツもそこそここなす優等生である。
和斗は男子生徒から少し反感をかっているが、本人は特に気にしていない。
妹の美姫は元気で明るく誰からも好かれているのだが・・・重度のブラコンであった。
「どういうことなのか説明してよ!お兄ちゃん」
ソファーの上で両腕を組み、片足を組んで、カズトを見下ろす妹。
妹の部屋に入ったカズトは正座をさせられ、そんな事を言われる。
「なんて説明したらいいか・・」
実際説明などできるのか?と、考えるカズト。
そんな、曖昧な返事を返す兄に対し、美姫は泣きながら抱きついてきた。
「お兄ちゃんは誰にも渡さないんだから」
妹の美姫を誰よりも大切に思っているカズトは、妹を甘やかしすぎてしまっていた。
妹がわがままになってしまったのは間違いなく自分のせい・・だろう。
しばらく泣きだした妹を優しく撫でていると、スースーと寝息が聞こえてきた。
(フー。なんとか逃れられたか。だが説明するにも・・)
カズトがそんな事を考えながら妹をベットに戻していると、カチャっとドアが開く。
アリスとレイラがそ~っと顔を出してきたので、指を立ててシーっとサインを送る。
二人はうなずくと美姫の部屋に入ってきた。
「あんたって妹に頭があがらないのね」
アリスがニヤニヤしながら、そんな事を言ってきた。
「う、うるさい。それより部屋で待っていろと言っただろう」
少し恥ずかしそうにしながら、カズトが答える。
「お腹がすいたのよ!あんたには気遣いっていう言葉を、知らないのかしら」
アリスはお腹がすいているようだ。
ツンツンっと背中をつつかれて後ろを振り返ると、レイラがスカートをつまみあげ、片足でくの字のポーズをとっていた。
「・・・どうでしょか?」
恥ずかしそうに顔を赤くした、金髪ツインテールの少女。何故恥ずかしそうにしているのかというと、いつも着ているゴスロリ服ではなく、和斗や美姫が通う高校の、制服姿だったからである。
「どう・・って、似合っていると思・・イテ」
アリスに蹴られたカズトは、妹のベットに倒れこんだ。
「バカレイラ!ズルい!ズルい!次私の…ば…ぁん」
そんなカズトをよそに、アリスとレイラは取っ組み合いをはじめる。
(イッテテテ・・アリスのやつ・・・?)
思わず固まる和斗。寝ていた妹と目が合ったからであり、固まるカズトを見た妹は、激しく動揺した。
「おおおおおおお兄ちゃん、そそその夜這いに来るならくると・・前もって・・」
顔を真っ赤に染め上げた妹に、なんと言うべきか、と、頭を抱えるカズトの後ろで、二人はまだ、制服を奪い合っていたのであった。
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「それでどういうことなのか説明してくれるよね?お兄ちゃん」
美姫は怒りと羞恥で顔を真っ赤にしながら、三人を見下ろしている。美姫の前に正座させられたカズトとアリスとレイラ。
兄と魔王サタンの娘。そして勇者一行の1人である少女を、正座させられるのは妹ぐらいだろうとカズトは現実逃避気味に考える。
さて、どう誤魔化すべきか…。
悩むカズトの気持ちなど知った事かと、アリスが口を開いて説明する。
「私たちは学校っていうのに行ってみたいんだけど、あんたのお兄ちゃんがダメだって言うのよ」
アリスはカズトを指さしながら力説する。
そんなアリスをよそに、レイラは無言で座っているた。
「確かにそういったが・・」
(どうする?何て言えばこの状況を変えられる)
「私達はこの学校って所で、みんなと勉強っていうのがしたいだけなのに」
レイラは無言でうなずいている。
「お兄ちゃん…そんなひどい事言わないよね?」
美姫はカズトの顔をのぞきこみながらたずねた。
これは噓をついていないかを見破るためにやる妹の癖である。
(マズい!噓をつけばバレてしまう)
「いいか美姫。この時期に学校に通うっていうのはそう簡単な話しじゃないんだ。制服はともかくとしてまず学力だって必要だ。当然お金もかかる」
カズトのとった行動は単純に、正論を告げるということだった。
「学力ってなんだ?」
「恐らく魔法を覚える為の知識だと思われます」
アリスとレイラはひそひそ話しを始めるが、カズトは隣にいる為、まる聞こえであった。
「制服なら私のが何着かあるし、アリスちゃんだったよね?手芸部の友達に頼んで作ってもらってあげる」
美姫は二人を見て笑顔で接した。
本来ならばちゃん付けされたアリスは怒るのだが、自分の為に何かをしてくれるなら許せるらしい。
「お前っていい奴だったのか」
「美姫様にそんな面倒な事させられません」
「な、なんて事を言うのよアンタ」
「まぁまぁ二人とも。仲良くしなきゃ駄目!そんなんじゃ、作ってあげないよ?」
すっかり打ち解けたのか、三人は仲良く喋っている。その姿をみてカズトはホッと胸をなでおろすのだが、このままではアリスとレイラが、学校に来てしまうという事に気付いた。
さて、どうするか…と、悩んでいると、三人の目線に気付く。
「ん?な、なんだ?」
「お兄ちゃん」
「・・・テト」
「あんたって奴は…さっき気遣いって言ったじゃない」
なんで急に怒られているのかが解らず、固まっていると、アリスから蹴りが飛ぶ。
「サイズを測るんだから出ていけ!!」
背中を蹴られたカズトは、背中をさすりながら、部屋を後にするのであった。
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