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魔法の世界で新たな人生を~捨てられた人生のやり直し~

天羽睦月

第72話 相談


思っていることを伝えていくと、雫はただ救いたいという感情だけじゃないですかと言うが、それも悪くないでしょうと微笑した。出雲はその雫の表情を見ると、救いましょうよと雫に言った。

「私も本当は救いたいですが、まずは凛様に相談をします。 私はすぐには動けませんが、出雲ならすぐに動けます! 皇家は霞ヶ袖にあります」

霞ヶ袖はこの国の中心部にある巨大な都市である。そこでは政治や経済を中心に多くの国民が働いている場所でもある。

その国の中心に巨大な屋敷を構えているのが皇家であり、国策にも意見が出来る美桜の家よりも力を持っている貴族である。美桜はその貴族の長男と結婚をさせられることを父親に決められてしまった。

「この通りいけば霞ヶ袖に向かえます。 私も後ほど合流しますので、美桜様を救ってください。 あ、学校のことは気にしないでください。 こちらで色々やっておきますので」

そう言って雫はスマートフォンで通話をしながら部屋を出ていった。出雲はとりあえず蓮達に連絡をしようと決めた。同じ貴族の蓮や琴音なら力になってくれると思ったし、椿も協力してくれるだろうと思った。

「あ、蓮!? ちょっと協力してもらいたいことが!」

そう言って皇家のことと美桜のことを話すと、蓮は驚いていた。

「そうか、いずれこうなるとは思っていたけど弦十郎さんは強硬手段に出たか」

蓮は一人で何かを言っていたが、出雲にはその意味が理解出来なかった。そして、蓮は協力をするよと言ってくれる。

「でも、貴族の俺は前面に立って協力はでいないんだ。 もし協力をしているとバレたら家ごと潰される可能性があるんだ」

そう言われた出雲は、やはり貴族間のパワーバランスが関係しているんだなと動きにくさを痛感していた。蓮は秘密裏に動くからと言って、琴音には俺から言っとくと出雲に言った。出雲は蓮に対してありがとうと言い、通話を終えた。

「次は椿か。 電話をかけよう」

出雲は椿に電話をかけると、椿は眠そうな声で通話に応じた。

「おはよう! 今時間大丈夫?」

出雲がそう話すと、椿はみゅんと返事をした。

「みゅんってなに?」

出雲が聞くと、椿は何でもないと声をあげていた。

「あ、それで協力してほしいことがあるんだけど」

出雲はそう言って美桜の奪還のことを説明をすると、椿は驚いていた。

「そんなことをしようとしているの!? わ、私は協力できるかは分からない……」

椿は悩んでいるようで、出雲は無理にとは言わないからと言って通話を終えた。

「さて、どうやって美桜を救おうか……」

出雲は悩んでいると、ある作戦を思いついた。

「これだ!」

出雲が作戦を思いついている頃、美桜は皇家に用意をされた自室にて窓側に設置してある椅子に座っていた。

「まだ顔見ていないけど、確か義務教育が終わったら学校に行かないで独自で勉強をしているんだったわね。 それで議員になって国政の中心人物になると、勝ち組人生じゃない」

美桜は自分の婚約者のことを思い返すと、勝ち組人生でイライラとしていた。美桜は部屋を見渡すと自身が持ってきた家具が置かれており、住んでいた家のような感じがしていた。美桜が椅子から立ち上がって外を眺めると、霞ヶ袖にある皇家の広大な日本庭園が見える。霞ヶ袖は国の経済の中心なのにも関わらず、皇家からはその霞ヶ袖のビル群が遠くに見えるほどなので、皇家の土地の広さが分かる。

「これからどうなるのかしら……私は結局逆らえなかったのね……」

美桜がこれからの人生がどうなるのかと不安に思っていると、部屋の扉が軽くノックされた。

「どうぞ」

美桜がそう答えると、皇家のメイドが部屋に入ってきた。

「昼食の時間となりましたので、こちらに」

部屋を出ると、そこには赤い絨毯が敷かれている廊下を歩いて行く。廊下の所々に高級な壺や甲冑などが飾られている。日本を代表する貴族である皇家は、国防や国の発展のために数十世代前の時代から尽力をしてきた由緒ある家柄である。

美桜は天神家が国の中枢にいる皇家と強い関りを持つために、属性魔法が使えない美桜を皇家の跡取りである長男と結婚させるためだと手紙を読んだ時から察していた。

「こんなに良い家を持って強い権力を持つ家に、天神家が繋がりを持てたら盤石だね」

美桜はそんなことを呟きながらメイドの後ろを歩いて行くと、食堂と思われる扉が見えた。そこにメイドが入ると、部屋の中央に置かれている長方形の長い机の上に昼食であるサンドウィッチが置かれていた。

「そちらのサンドウィッチの前にお座りください」

そう指示を受けた美桜か、サンドウィッチが置かれている席の前に座る。美桜は目の前の白いさらに乗っているサンドウィッチを一口食べると、雫の方がずっと美味しいと呟きながら食べ続けていた。

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