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魔法の世界で新たな人生を~捨てられた人生のやり直し~

天羽睦月

第40話 謎の扉


「痛い痛い! 急に引っ張らないでよ!」

出雲が椿の両腕を掴むと両頬を引っ張るのを止めさせた。そして出雲は椿と現在時刻を聞いた。

「今は何時頃かな?」

その言葉に椿は十六時になったところねと返した。

「ワニとの戦闘結構長かったんだね……三時間くらいしてたんだ…‥‥」

その場にいる全員が必死で戦ったので、時間など見ていなかった。そのため大幅な時間経過に誰も気がついていなかった。出雲はあと一時間で試験が終わるけど、どのように終わるのか分からないままである。

「これからどうしようか? あと一時間で試験が終わるけど」

そう出雲が言うと、椿は湖から離れてもう少し探索してみようと言った。その言葉を聞いた出雲はそうだねと言って椿と共に湖を後にした。湖を抜けると岩石でできているトンネルがあった。そのトンネルは出雲の身長でギリギリ天井に届くか届かないかくらいだったので、軽く屈んで歩いていた。そのトンネルを抜けると、そこには初めに見た草原が広がっていた。

「草原!? 草原に出ちゃったよ!」

出雲がそう叫ぶと、その草原には湖で見なかった受験者達が時間を潰していた。その受験者達は出雲達が湖でワニと戦っている際に別の怪物と戦っていたが、ワニ程の強さはなかったのである。

なので、それほど苦労もなく怪我を負うこともなく試験の間の時間を過ごしていた。出雲達はそれを知らないので、この受験者達もそれなりの苦労をしたのだろうと考えていた。出雲は周囲にいる受験者達みたく時間を潰さないで歩き回ろうと決めた。

試験終了までそれほど時間は残ってはいないが、まだ行っていない部分があるのかなと思ったからである。出雲は草花が咲いている草原を歩いて行くと、最初に来た時には気がつかなかった草原の北側に何やら道が多少ずれている場所があることに気がついた。

「椿! あそこ何か変だよ!」

出雲が指をさした場所を椿が見ると、そこには何かを開けて閉めた形跡があった。その形跡のある場所には長年使われていないかのように草が生い茂っていた。出雲はその草を取り払うと、取ってガ見えたのでその取っ手を右手で持って扉を開けた。

「こ、これは!? 地下に続く階段?」

出雲が驚いていると椿が何かありそうとワクワクしていた。出雲は地下に続く階段を降りると、その階段は螺旋状に地下にまで続いているようで、なかなか終わりが見えなかった。

「結構下に降りるわね。 何があるんだろうね?」

椿は出雲に話しかけると、次第に空気が冷たくなってきたのが分かった。出雲は寒くなってきたねと言い、この下に何があるか分からないけどワクワクすると返答した。階段を降り続けると時折椿が足を滑らせて転びそうになるので、出雲は椿の手を握って一緒に降りることにした。

「大丈夫か? もうこれで転ばなくて済むね!」

出雲がそう言うと椿は掴む力が強いと呟きながら頬を紅くしていた。地下に降りる階段を下って何分かが経過すると、視界の先に階段の終わりが見えた。

「やっと階段が終わった! 階段の先に大きな扉があるよ!」

椿が小走りで椿の身長の二倍近い大きさの銅で作られていると思われる扉があった。出雲はその扉を押そうとするも、重すぎるために押すことは出来なかった。

「かなり重い! でも、頑張れば押せる!」

出雲は意気込んで思いっきり重い銅製の扉を押すが、それでも扉は動かない。出雲はどうしてだと首を捻りながら考えるも、答えは出なかった。出雲が唸って考え続けていると、椿が扉のある右側の壁にスイッチのようなものがあるよと出雲に言った。

「これを押せばいいのかな?」

出雲は椿が発見したスイッチを躊躇なく押すと、静かに銅製の扉が開いた。

「やった! 開いた!」

椿が喜んで出雲に抱き着くと、出雲は反射的に抱きしめ返した。

「やった! 椿のおかげで開いたよ! ありがとう!」

出雲がそう言うと、椿はあっと小さな声を漏らして出雲から離れた。

「強くしちゃってごめん! 痛かったかな?」

出雲が謝ると、椿は大丈夫と言って出雲の横に立つ。出雲は椿のその行動を見て、何かしちゃったかなと出雲は思うが、椿がそのことについて何も言わないので自分からは聞かないようにした。

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