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魔法の世界で新たな人生を~捨てられた人生のやり直し~

天羽睦月

第27話 美桜の教え


「俺は美桜に何もしないよ! それぐらいわかるでしょ?」

何もしないとの言葉を聞いて美桜は何もしないのと下から見上げる形で出雲を見る。出雲はその美桜の顔や服の間から見えた胸の谷間を見て心臓が高鳴るも、美桜の左頬を右指の人差し指で二回押すことだけをする。

その押しを受けた美桜はそれだけなのと言うも、出雲がからかわないでと言って前を向いた。美桜はもうお終いかと言って出雲同様に前を向いた。

「楽しめたなら良かった。 私のことも少しは知ってもらえたと思うわ」

美桜は自身を知ってほしいとのこともあり出雲を誘ったようであるが、出雲はそれには気づかずに美桜の趣味のことや一面を知ることが出来た。この世界と自身の世界の似ている点やサブカルチャー、そして美桜との距離が近くなった気がした。

「明後日の試験ちゃんと合格して美桜と一緒に通えるようにする!」

出雲がそう宣言をすると、美桜が出雲の前に出て両腕を自身の胸の前に抱いて拳を握って出雲なら大丈夫よと力強く言った。それを聞いた出雲はありがとうと言い自然と美桜の頭を撫でていた。

「あ……気持ちいい……出雲撫でるのうまいね」

そう言う美桜に気がついたのか、自然と撫でてたと美桜にごめんと謝った。美桜は撫で続けていいのにと言うが、出雲は美桜の髪の柔らかさを堪能したのでまた今度ねと言った。

いつのまにか出雲も自然と美桜と話すことが出来ていた。朝まではどこか距離を感じていたが、今回の遊びのおかげで出雲にも家族の絆が少し理解することが出来たようである。駅に到着して来た時と同じように電車に乗りこんで家に向かって帰る。出雲はこの世界について少し知ることが出来たが、もっと色々なことを知りたいとも思うようになった。

「学校に通うようになったら、美桜ともっと色々なところに行きたい」

出雲がそう言うと、美桜がそうねと返す。電車の中で夕焼け空を見ている美桜は、出雲が来てから毎日が楽しくて仕方ないと感じていた。このまま一緒の学校に通ったらより面白い楽しい毎日を送れるのかなと思い、横にいる出雲に試験頑張ってよねと言う。

「うん! ありがとう! 美桜に応援してもらえれば必ず合格する!」

出雲のその言葉を聞いて美桜は頼んだわよと笑顔で出雲の眼を見て笑顔で言う。美桜は出雲と今日遊びに行って笑顔が増えたような気がしていた。

「その意気よ! 雫に鍛えてもらって、身体も健康的になったんだから必ず上手くいくわ! 私が保証する!」

美桜のその言葉を聞いて、出雲は元気出てきたと両腕を天井に向かってあげる。美桜はその様子の出雲を見て一つ魔法を教えてあげると言った。

「美桜が魔法を教えてくれるの!?」

驚いた顔をする出雲に美桜がこの魔法は覚えて損はないと言う。その言葉を聞いて出雲は何の魔法だろうと考えると、美桜が私の使っている魔法よと言う。

「回復魔法!? その魔法教えてくれるの!?」

出雲が美桜の方を向いて美桜の両肩を掴むと、近いと美桜が驚いていた。美桜は家に着いたら教えてあげるねと返す。

「出雲って時折強引よね。 でも、そんなところがこの世界で活きると思うわ」

出雲の時折出る強引な性格が活きるだろうと聞くと、ありがとうと出雲は笑顔で返事をした。家に到着すると雫が出迎えてくれた。美桜はお待たせと言って荷物を雫に渡すと一度部屋に戻るわと言った。

「かしこまりました。 夕食の時間になったらお呼び致します」

雫はそう言い、自室に歩いて行く美桜に頭を下げる。そして、雫は出雲にお帰りと言って笑顔で楽しかったかと聞いてくる。

「うん! 凄く楽しかった! 美桜の新たな一面も見れて楽しかった!」

そう言う出雲の顔は出会ってから一番の笑顔をしていたと雫が教えてくれる。

「え? そんなに良い顔で笑ってた? なら、それは美桜や雫さんのおかげです」

そう言われた雫は照れると言いながら、夕食までゆっくりしててと言って荷物を美桜の部屋に届けてから使用人たちと料理を作るねと言った。

「わかりました。 あ、今日は激辛は勘弁してください!」

出雲が両手を合わせて雫に言うと、雫が静かに笑顔になって右手で出雲の頭頂部にチョップを浴びせた。

「からかわないように! 一品減らしますよ?」

そう言われた出雲はごめんなさいと言って中庭に走っていった。中庭に到着した出雲は、木に寄りかかるように立てかけられていた長剣を手に取って素振りを始めた。

「少しだけ振っておかないとすぐに動けなくなるからな」

そう独り言を言いながら素振りをし続けて十分ほど経過すると、中庭に美桜が入ってきた。

「やっぱりここにいた。 やっぱり不安があるの?」

美桜が小首を傾げながら聞いてくると、出雲は素振りだけはしておこうと思ってと返す。美桜はそれが終わったら教えてねと言って、木に寄りかかってスマートフォンを見始める。

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