魔王様は学校にいきたい!
月夜に笑う者
月明りの差す回廊を、静かに歩く細身の人影。
「おのれ……っ」
体格や声質から察するに中年の男性であろうか、逆光に阻まれ顔を確認することは出来ない。
「計画を台無しにしただけではなく、私の精神侵食を貧弱な魔法などと……許せませんね」
精神侵食は魔人ラドックスの用いる魔法である、すなわち人影は魔人ラドックスにより精神を支配された何者かなのであろう。
「それにしても評判に違わぬ怪物でした、私の魔法を悉く退けるとは……」
ラドックスはブツブツと独り言を漏らしながら回廊を歩き続ける。
「しかし怪物的な力をもってしても、私を完全に消滅させることは出来ませんでしたね。クククッ……そもそも全ての私を消滅させることなど不可能なのです。やはり私の精神侵食は無敵の力、決して貧弱な魔法ではありません」
静まり返った回廊に、ラドックスの笑い声が響き渡る。
「南ディナール王国とロムルス王国の同盟締結は防げませんでしたが、大した問題ではありません。策も手駒も無数に用意してありますからね、クククッ……」
ラドックスは回廊の突き当りへと差しかかる。突き当りを境に月明りは途切れ、回廊の先には暗闇が幕を下ろしている。
「全ては邪神ガレウス様復活のために……!」
月夜に笑うラドックスは、ロームルス城の回廊を抜け暗闇の奥へと姿を消すのだった。
「おのれ……っ」
体格や声質から察するに中年の男性であろうか、逆光に阻まれ顔を確認することは出来ない。
「計画を台無しにしただけではなく、私の精神侵食を貧弱な魔法などと……許せませんね」
精神侵食は魔人ラドックスの用いる魔法である、すなわち人影は魔人ラドックスにより精神を支配された何者かなのであろう。
「それにしても評判に違わぬ怪物でした、私の魔法を悉く退けるとは……」
ラドックスはブツブツと独り言を漏らしながら回廊を歩き続ける。
「しかし怪物的な力をもってしても、私を完全に消滅させることは出来ませんでしたね。クククッ……そもそも全ての私を消滅させることなど不可能なのです。やはり私の精神侵食は無敵の力、決して貧弱な魔法ではありません」
静まり返った回廊に、ラドックスの笑い声が響き渡る。
「南ディナール王国とロムルス王国の同盟締結は防げませんでしたが、大した問題ではありません。策も手駒も無数に用意してありますからね、クククッ……」
ラドックスは回廊の突き当りへと差しかかる。突き当りを境に月明りは途切れ、回廊の先には暗闇が幕を下ろしている。
「全ては邪神ガレウス様復活のために……!」
月夜に笑うラドックスは、ロームルス城の回廊を抜け暗闇の奥へと姿を消すのだった。
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