魔王様は学校にいきたい!
風の魔人
「リィの名前はリィアン、風の魔人リィアンだよ」
突如として姿を現した、ガレウス邪教団の魔人リィアン。得体の知れない存在を前に、ガーランドとパルチヴァールは警戒を強める。
「魔人だと? もしやガレウス邪教団か?」
「へえ、リィ達のことを知ってるんだ」
「サンダーバードやイビルバードの襲撃はお前の仕業だな」
「大正解、私の可愛い魔物達だよ」
まるでオモチャを扱うかのように大鎌を回転させ、クスクスと無邪気に笑うリィアン。
「リィアンといったな、お前の目的はなんだ?」
「はあ? そんなの教えるわけないじゃん?」
「お嬢さん、大人しく答えた方が身のためですよ」
「お嬢さん? もしかしてリィを子供扱いしてる?」
リィアンはムッと表情をしかめ、背景へと溶けるようにその場から姿を消し──。
「人間のくせにリィを子供扱いするな!」
「なっ、いつの間に──ぐあぁ!?」
一瞬にしてパルチヴァールの背後へ移動すると、目にも止まらぬ速度で大鎌を振るったのである。パルチヴァールは咄嗟に飛び退いたものの、腰から脇腹にかけてザックリと切り裂かれてしまう。
「くっ……不覚です……」
「あれ? 胴体を真っ二つにしたつもりだったのに、避けるなんて意外とやるじゃん?」
リィアンはグルグルと大鎌を回転させながら、ガーランドへと毒心に満ちた視線を送る。
「クスクスッ、お仲間さん死んじゃうよ? いいのかな?」
「ふんっ、お前の攻撃で死ぬほど俺達はヤワではない」
「あっそ」
つまらなさそうに頬を膨らませ、再び薄れるように姿を消すリィアン。対するガーランドはリィアンの気配を探るべく、全神経を周囲に張り巡らせる。
「風の魔人と名乗っていたな、大気の密度を操作し姿を隠しているのか?」
緊張感の高まる中、息絶えていたはずのサンダーバードに異変が現れる。なんと倒されたはずのサンダーバードが息を吹き返したのだ。
切り裂かれていた胴体はグジュグジュと音を立てながら再生し、青白かった翼はどす黒く変色していく。
「アンデット化の薬、効き目バッチリ!」
「クオッ!? クオッ!?」
姿を現したリィアンは空の注射器をポイッと放り捨てる。以前ロアーナ地方を襲ったガレウス邪教団も利用していた、魔物を強制的にアンデット化させる薬品を投与したようだ。
「もっともっと大暴れして、大混乱を巻き起こすんだよ。そしてヨグソードを奪えるだけの隙を作るんだよ」
「クオオォーッ!」
「いけサンダーバード、王都ロームルスをメチャクチャにしちゃえ──」
「させるものか!」
振り下ろされるガーランドの一撃、その威力はサンダーバードを一刀両断する程である。しかしリィアンは大鎌を滑らせ、あっさりとガーランドの一撃を弾いてしまう。
「その細腕でよくぞ俺の剣を……っ」
「リィの邪魔をしないで!」
続けざまに大剣を振るうガーランド、巧みに大鎌を操るリィアン。幾度となく繰り返される激しい打ちあい。
「もうっ、しつこい!」
「くっ、しまった──」
打ちあいの中で生まれた一瞬の間、その一瞬の間にリィアンはユラリと姿を消してしまう。
「クスクスッ、それじゃね」
「くそ、逃げるな!」
「クアアァーッ!!」
慌てて後を追おうとしたガーランドだったが、蘇ったサンダーバードに行く手を阻まれてしまう。
「ちっ、先にサンダーバードを片づけねばならんか」
そして一人残された聖騎士は、再びサンダーバードへと立ち向うのだった。
突如として姿を現した、ガレウス邪教団の魔人リィアン。得体の知れない存在を前に、ガーランドとパルチヴァールは警戒を強める。
「魔人だと? もしやガレウス邪教団か?」
「へえ、リィ達のことを知ってるんだ」
「サンダーバードやイビルバードの襲撃はお前の仕業だな」
「大正解、私の可愛い魔物達だよ」
まるでオモチャを扱うかのように大鎌を回転させ、クスクスと無邪気に笑うリィアン。
「リィアンといったな、お前の目的はなんだ?」
「はあ? そんなの教えるわけないじゃん?」
「お嬢さん、大人しく答えた方が身のためですよ」
「お嬢さん? もしかしてリィを子供扱いしてる?」
リィアンはムッと表情をしかめ、背景へと溶けるようにその場から姿を消し──。
「人間のくせにリィを子供扱いするな!」
「なっ、いつの間に──ぐあぁ!?」
一瞬にしてパルチヴァールの背後へ移動すると、目にも止まらぬ速度で大鎌を振るったのである。パルチヴァールは咄嗟に飛び退いたものの、腰から脇腹にかけてザックリと切り裂かれてしまう。
「くっ……不覚です……」
「あれ? 胴体を真っ二つにしたつもりだったのに、避けるなんて意外とやるじゃん?」
リィアンはグルグルと大鎌を回転させながら、ガーランドへと毒心に満ちた視線を送る。
「クスクスッ、お仲間さん死んじゃうよ? いいのかな?」
「ふんっ、お前の攻撃で死ぬほど俺達はヤワではない」
「あっそ」
つまらなさそうに頬を膨らませ、再び薄れるように姿を消すリィアン。対するガーランドはリィアンの気配を探るべく、全神経を周囲に張り巡らせる。
「風の魔人と名乗っていたな、大気の密度を操作し姿を隠しているのか?」
緊張感の高まる中、息絶えていたはずのサンダーバードに異変が現れる。なんと倒されたはずのサンダーバードが息を吹き返したのだ。
切り裂かれていた胴体はグジュグジュと音を立てながら再生し、青白かった翼はどす黒く変色していく。
「アンデット化の薬、効き目バッチリ!」
「クオッ!? クオッ!?」
姿を現したリィアンは空の注射器をポイッと放り捨てる。以前ロアーナ地方を襲ったガレウス邪教団も利用していた、魔物を強制的にアンデット化させる薬品を投与したようだ。
「もっともっと大暴れして、大混乱を巻き起こすんだよ。そしてヨグソードを奪えるだけの隙を作るんだよ」
「クオオォーッ!」
「いけサンダーバード、王都ロームルスをメチャクチャにしちゃえ──」
「させるものか!」
振り下ろされるガーランドの一撃、その威力はサンダーバードを一刀両断する程である。しかしリィアンは大鎌を滑らせ、あっさりとガーランドの一撃を弾いてしまう。
「その細腕でよくぞ俺の剣を……っ」
「リィの邪魔をしないで!」
続けざまに大剣を振るうガーランド、巧みに大鎌を操るリィアン。幾度となく繰り返される激しい打ちあい。
「もうっ、しつこい!」
「くっ、しまった──」
打ちあいの中で生まれた一瞬の間、その一瞬の間にリィアンはユラリと姿を消してしまう。
「クスクスッ、それじゃね」
「くそ、逃げるな!」
「クアアァーッ!!」
慌てて後を追おうとしたガーランドだったが、蘇ったサンダーバードに行く手を阻まれてしまう。
「ちっ、先にサンダーバードを片づけねばならんか」
そして一人残された聖騎士は、再びサンダーバードへと立ち向うのだった。
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