魔王様は学校にいきたい!
結果発表
時刻はすっかり夕暮れ時、楽しかった学園祭もそろそろお終いである。
学園祭の締めくくりは、“全員対抗、出し物人気投票”の結果発表だ。特設舞台の周辺は結果を待つ生徒と来場者で溢れ返っている。
結果発表を担当するのはノイマン学長とラヴレス副学長の二人。はたして結果はどうなったのか、いよいよラヴレス副学長の口から結果発表が行われる。
「それでは第三位を発表します、第三位は……生徒会による舞台“生徒会絢爛歌劇”です! 代表の生徒は舞台上へどうぞ!」
発表と同時に会場からワッと拍手喝采が起こる、代表のハインリヒは浮かない表情で舞台へとあがっていく。
「ほっほっほっ、おめでとうですな」
「ありがとうございます……爺様……」
「おやおや、三位は不服のようですな?」
「当たり前ですよ、私は一位を狙っていたのに……っ」
「結果は謹んで受け入れるべきですな、三位も立派な成績ですぞ」
「ええ、分かっています……」
ハインリヒは第三位の賞状を受け取り、そそくさと舞台から降りていく。
会場の落ちつきを見計らい、ラヴレス副学長は第二位の発表へと移る。
「続いて第二位を発表します、第二位は……下級クラスによる舞台“超本格舞台劇! 勇者と魔王、伝説の戦い!”です! 代表の生徒は舞台上へどうぞ!」
再びの拍手喝采をあびながら、代表のシャルロットは嬉しそうに舞台へとあがっていく。
「ほっほっほっ、素晴らしい演劇でしたな」
「ありがとうございます、嬉しいですわ!」
第二位という好成績に、観客席のウルリカ様とアンナマリア、そしてヘンリーも大喜びである。
「第二位なのじゃ、頑張ったのじゃ!」
「一位じゃないのは残念っす、でも嬉しいっすね!」
「四人で力をあわせた結果ですよ、やりましたね!」
シャルロットは第二位の賞状を受け取り、ペコリとお辞儀をして舞台から降りていく。
いよいよ次は第一位の発表だ、ラヴレス副学長はコホンと咳ばらいをして観客の注目を集める。
「それでは栄えある第一位の発表です」
待ちに待った第一位の発表を前に、会場はしんと静まり返る。そして──。
「第一位は……下級クラスのベッポとオリヴィアによる“聖女のお菓子屋さん”です! 第一位のお二人は舞台上へどうぞ!」
「「「「「わあぁーっ!」」」」」
観客は一斉に立ちあがり、第一位の二人へと惜しみない拍手をおくる。選ばれた二人は手を取りあって大喜びだ。
「やった、やりましたねベッポ様」
「ああ、やったなオリヴィア!」
「第一位です、嬉しいですっ」
「うおっ、いきなり抱きつくなよ!?」
興奮したオリヴィアは勢い余ってベッポをギュッと抱き締める、普段のオリヴィアからは想像もつかない大胆な行動だ。それほど第一位に選ばれて嬉しかったのだろう。
「おいオリヴィア、放せって……」
「嫌です、放しませんっ」
抱き絞められたベッポは真っ赤な顔で照れてしまっている、しかし満更でもなさそうだ。
「さあ二人とも、舞台上へどうぞですな」
沈みかけの夕陽を背景に二人は舞台へとあがっていく、太陽まで第一位の二人を祝福してくれているような光景だ。
「リヴィのお菓子は世界一じゃからな、当然の結果なのじゃ!」
「オリヴィアちゃんのお菓子には勝てないっすねー」
「彼女の作るお菓子にならば、負けても致し方ないか……」
観客席ではウルリカ様やアンナマリア、そしてハインリヒまで大きな拍手をおくっている。
下級クラスを疎ましく思っているはずのハインリヒまで納得させてしまうとは、よっぽどオリヴィアの手作りお菓子はおいしいのだろう。
「よく頑張りましたな、おめでとうですな」
「「ありがとうございます」」
たくさんの祝福に包まれて、二人は第一位の賞状と優勝杯を受け取る。
こうして楽しかった学園祭は、大盛りあがりで幕を閉じたのであった。
学園祭の締めくくりは、“全員対抗、出し物人気投票”の結果発表だ。特設舞台の周辺は結果を待つ生徒と来場者で溢れ返っている。
結果発表を担当するのはノイマン学長とラヴレス副学長の二人。はたして結果はどうなったのか、いよいよラヴレス副学長の口から結果発表が行われる。
「それでは第三位を発表します、第三位は……生徒会による舞台“生徒会絢爛歌劇”です! 代表の生徒は舞台上へどうぞ!」
発表と同時に会場からワッと拍手喝采が起こる、代表のハインリヒは浮かない表情で舞台へとあがっていく。
「ほっほっほっ、おめでとうですな」
「ありがとうございます……爺様……」
「おやおや、三位は不服のようですな?」
「当たり前ですよ、私は一位を狙っていたのに……っ」
「結果は謹んで受け入れるべきですな、三位も立派な成績ですぞ」
「ええ、分かっています……」
ハインリヒは第三位の賞状を受け取り、そそくさと舞台から降りていく。
会場の落ちつきを見計らい、ラヴレス副学長は第二位の発表へと移る。
「続いて第二位を発表します、第二位は……下級クラスによる舞台“超本格舞台劇! 勇者と魔王、伝説の戦い!”です! 代表の生徒は舞台上へどうぞ!」
再びの拍手喝采をあびながら、代表のシャルロットは嬉しそうに舞台へとあがっていく。
「ほっほっほっ、素晴らしい演劇でしたな」
「ありがとうございます、嬉しいですわ!」
第二位という好成績に、観客席のウルリカ様とアンナマリア、そしてヘンリーも大喜びである。
「第二位なのじゃ、頑張ったのじゃ!」
「一位じゃないのは残念っす、でも嬉しいっすね!」
「四人で力をあわせた結果ですよ、やりましたね!」
シャルロットは第二位の賞状を受け取り、ペコリとお辞儀をして舞台から降りていく。
いよいよ次は第一位の発表だ、ラヴレス副学長はコホンと咳ばらいをして観客の注目を集める。
「それでは栄えある第一位の発表です」
待ちに待った第一位の発表を前に、会場はしんと静まり返る。そして──。
「第一位は……下級クラスのベッポとオリヴィアによる“聖女のお菓子屋さん”です! 第一位のお二人は舞台上へどうぞ!」
「「「「「わあぁーっ!」」」」」
観客は一斉に立ちあがり、第一位の二人へと惜しみない拍手をおくる。選ばれた二人は手を取りあって大喜びだ。
「やった、やりましたねベッポ様」
「ああ、やったなオリヴィア!」
「第一位です、嬉しいですっ」
「うおっ、いきなり抱きつくなよ!?」
興奮したオリヴィアは勢い余ってベッポをギュッと抱き締める、普段のオリヴィアからは想像もつかない大胆な行動だ。それほど第一位に選ばれて嬉しかったのだろう。
「おいオリヴィア、放せって……」
「嫌です、放しませんっ」
抱き絞められたベッポは真っ赤な顔で照れてしまっている、しかし満更でもなさそうだ。
「さあ二人とも、舞台上へどうぞですな」
沈みかけの夕陽を背景に二人は舞台へとあがっていく、太陽まで第一位の二人を祝福してくれているような光景だ。
「リヴィのお菓子は世界一じゃからな、当然の結果なのじゃ!」
「オリヴィアちゃんのお菓子には勝てないっすねー」
「彼女の作るお菓子にならば、負けても致し方ないか……」
観客席ではウルリカ様やアンナマリア、そしてハインリヒまで大きな拍手をおくっている。
下級クラスを疎ましく思っているはずのハインリヒまで納得させてしまうとは、よっぽどオリヴィアの手作りお菓子はおいしいのだろう。
「よく頑張りましたな、おめでとうですな」
「「ありがとうございます」」
たくさんの祝福に包まれて、二人は第一位の賞状と優勝杯を受け取る。
こうして楽しかった学園祭は、大盛りあがりで幕を閉じたのであった。
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