魔王様は学校にいきたい!
残念王子
「なっ……君は……!?」
大きく目を見開いたアルフレッドは、そのまま静かに膝をつくとウルリカ様の小さな手をそっと握りしめる。
「なんと愛らしい少女なのだ! 透き通る白い肌、艶やかな黒い髪、天真爛漫な瞳! これ以上に尊い存在がありえるだろうか!」
「はて? なにを言っておるのじゃ?」
「君こそ私の求めていた理想的な少女! これは間違いなく運命の出会いだ!」
そう言うとアルフレッドはウルリカ様をギュッと抱きしめる、そして息を荒げながら無抵抗なウルリカ様の唇へと迫り──。
「……電撃魔法、サンダソニア……」
「愛しき少女よ、どうか私の愛を受け止めておくれれれっ!?」
クリスティーナの放った電撃魔法によって、その場にバッタリと倒れるのだった。
「今のは一体? 王子様はどうしてしまったのですか!?」
「とにかく王子様を治療しなくては、私の治癒魔法で──」
「いいえオリヴィア、放っておいて構いませんわ」
「えっ、でも……」
困惑するオリヴィアとナターシャ、そこへ呆れた様子のクリスティーナとエリザベスがやってくる。
「大丈夫……手加減したから……」
「兄上の自業自得だ、手加減など必要ない」
「あれさえなければ最高のお兄様ですのに、残念すぎるお兄様ですわ」
「「「はぁ……」」」
シャルロットも一緒になって三姉妹は大きなため息をつく、よく見るとゼノン王とヴィクトリア女王も揃ってため息をついている。オリヴィアとナターシャはますます訳が分からない。
「あの……一体どういうことなのでしょう?」
「つまりアルフレッドお兄様は、小さな女の子を見るとメロメロになってしまいますのよ」
「「メロメロ……」」
「メロメロなんて……生易しいものじゃないわ……」
「あれは異常行動だ、ただの犯罪だ」
「「犯罪……」」
実年齢はともかくとして十歳前後にしか見えないウルリカ様、可愛らしい容姿も相まってアルフレッドを虜にしてしまったらしい。
「おーい、起きるのじゃ」
当のウルリカ様はというと気絶したアルフレッドの頭をツンツンと突っついている、なんとも呑気なものである。
一方のアルフレッドはピクリとも動かない、かと思いきやガバリと起きあがりウルリカ様の両手をギュッと握り締める。
「愛しき少女よ! この私を心配してくれたのか!」
興奮した様子で目をギラギラと輝かせるアルフレッド、とても電撃魔法をくらった直後とは思えない。
「尊き愛を感じる……っ!」
「ふむ……ところでお主は学園祭にきてくれるかのう?」
「学園祭だって!?」
「ロームルス学園の学園祭なのじゃ! 妾も参加するからの、遊びにきてほしいのじゃ!」
「愛しき少女から学園祭に招待された、これ以上に喜ばしい出来事があるだろうか! 必ずや遊びにいかせてもらおうとも!」
「わーいなのじゃ! 嬉しいのじゃ!」
嬉しさのあまりピョンピョンと飛び跳ねるウルリカ様、可愛らしすぎる仕草にアルフレッドはデレデレである。
「父上よ! 国家の総力をあげて愛しき少女の学園祭を盛りあげましょう!」
「いや待てアルフレッド、今は邪神の話を──」
「邪神など放置で構いません! それよりも愛しき少女の学園祭です!」
目を血走らせ叫び声をあげるアルフレッド、もはや完全に暴走している。
「お兄様……これ以上暴走するなら……本気の魔法を撃ちこむわよ……」
「いいや姉上、今度は私の必殺剣をお見舞いしてやるさ」
「私はどこで育て方を間違えたのかしらね……」
「俺の教育に問題があったのやもしれん……」
「はぁ……もうメチャクチャですわ……」
目に余る長兄の奇行に、頭を抱えるロムルス王家の面々。
なにはともあれ学園祭の準備は着々と進んでいく。
大きく目を見開いたアルフレッドは、そのまま静かに膝をつくとウルリカ様の小さな手をそっと握りしめる。
「なんと愛らしい少女なのだ! 透き通る白い肌、艶やかな黒い髪、天真爛漫な瞳! これ以上に尊い存在がありえるだろうか!」
「はて? なにを言っておるのじゃ?」
「君こそ私の求めていた理想的な少女! これは間違いなく運命の出会いだ!」
そう言うとアルフレッドはウルリカ様をギュッと抱きしめる、そして息を荒げながら無抵抗なウルリカ様の唇へと迫り──。
「……電撃魔法、サンダソニア……」
「愛しき少女よ、どうか私の愛を受け止めておくれれれっ!?」
クリスティーナの放った電撃魔法によって、その場にバッタリと倒れるのだった。
「今のは一体? 王子様はどうしてしまったのですか!?」
「とにかく王子様を治療しなくては、私の治癒魔法で──」
「いいえオリヴィア、放っておいて構いませんわ」
「えっ、でも……」
困惑するオリヴィアとナターシャ、そこへ呆れた様子のクリスティーナとエリザベスがやってくる。
「大丈夫……手加減したから……」
「兄上の自業自得だ、手加減など必要ない」
「あれさえなければ最高のお兄様ですのに、残念すぎるお兄様ですわ」
「「「はぁ……」」」
シャルロットも一緒になって三姉妹は大きなため息をつく、よく見るとゼノン王とヴィクトリア女王も揃ってため息をついている。オリヴィアとナターシャはますます訳が分からない。
「あの……一体どういうことなのでしょう?」
「つまりアルフレッドお兄様は、小さな女の子を見るとメロメロになってしまいますのよ」
「「メロメロ……」」
「メロメロなんて……生易しいものじゃないわ……」
「あれは異常行動だ、ただの犯罪だ」
「「犯罪……」」
実年齢はともかくとして十歳前後にしか見えないウルリカ様、可愛らしい容姿も相まってアルフレッドを虜にしてしまったらしい。
「おーい、起きるのじゃ」
当のウルリカ様はというと気絶したアルフレッドの頭をツンツンと突っついている、なんとも呑気なものである。
一方のアルフレッドはピクリとも動かない、かと思いきやガバリと起きあがりウルリカ様の両手をギュッと握り締める。
「愛しき少女よ! この私を心配してくれたのか!」
興奮した様子で目をギラギラと輝かせるアルフレッド、とても電撃魔法をくらった直後とは思えない。
「尊き愛を感じる……っ!」
「ふむ……ところでお主は学園祭にきてくれるかのう?」
「学園祭だって!?」
「ロームルス学園の学園祭なのじゃ! 妾も参加するからの、遊びにきてほしいのじゃ!」
「愛しき少女から学園祭に招待された、これ以上に喜ばしい出来事があるだろうか! 必ずや遊びにいかせてもらおうとも!」
「わーいなのじゃ! 嬉しいのじゃ!」
嬉しさのあまりピョンピョンと飛び跳ねるウルリカ様、可愛らしすぎる仕草にアルフレッドはデレデレである。
「父上よ! 国家の総力をあげて愛しき少女の学園祭を盛りあげましょう!」
「いや待てアルフレッド、今は邪神の話を──」
「邪神など放置で構いません! それよりも愛しき少女の学園祭です!」
目を血走らせ叫び声をあげるアルフレッド、もはや完全に暴走している。
「お兄様……これ以上暴走するなら……本気の魔法を撃ちこむわよ……」
「いいや姉上、今度は私の必殺剣をお見舞いしてやるさ」
「私はどこで育て方を間違えたのかしらね……」
「俺の教育に問題があったのやもしれん……」
「はぁ……もうメチャクチャですわ……」
目に余る長兄の奇行に、頭を抱えるロムルス王家の面々。
なにはともあれ学園祭の準備は着々と進んでいく。
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