魔王様は学校にいきたい!
転生
「げげぇっ! まさかウルリカっすか!?」
ウルリカ様の姿を見て顔面蒼白のアンナマリア。一方のウルリカ様はキョトンとした表情でアンナマリアを見つめている。
「うむ? もしやお主はアルテミアかの?」
「いやいや違うっす! 私はアルテミアじゃないっす!」
「やはりアルテミアなのじゃ! 久しぶりなのじゃ!」
「違うっすよ! 話を聞いてないんすか!?」
そう言うとアンナマリアはプイッとそっぽを向いてしまう、先ほどまでの緊張感は一体どこへやら。
そんな中オリヴィアは、恐る恐る疑問を口にする。
「あの……もしかしてウルリカ様は、アルテミア様とお知合いなのですか?」
「うむ! 千年前に戦った仲なのじゃ、懐かしいのじゃ!」
「「「……千年前?」」」
突拍子もないウルリカ様の言葉に、オリヴィア、シャルロット、シャルルの三人は揃って首を傾げてしまう。
「まさかウルリカ様……千年前に存在したという、勇者アルテミア様のことを言っているのですか?」
「千年前の勇者アルテミア様は、魔王と戦った伝説の勇者様ですわよね。もしかして伝説に出てくる魔王とは、ウルリカのことですの?」
「伝説はよく分からんのじゃ、とにかく千年前に戦ったのじゃ」
「待ってくれ、現在の教主様は第十九代のアルテミア様だ。ウルリカ嬢と勇者アルテミア様が戦っていたとして、なぜウルリカ嬢は現在のアルテミア様を知っているのだ?」
「確かにシャルルの言う通りですわね……千年前のアルテミア様と現在のアルテミア様は別人のはずですわ、“久しぶり”という挨拶はおかしいですわよ?」
「シャルロットちゃんの言う通りっす! 私は勇者アルテミアではないっすよ!」
「うーむ……」
次々とあがる疑問、しかしウルリカ様はハッキリ答えようとしない。アンナマリアの方を見ながら、じっと考え込んでいる。
「お主から感じる魔力はアルテミアのものと同じなのじゃ、しかし姿は千年前と違うのじゃ……」
しばらく考え込んでいたウルリカ様は、ポンッと手を叩き「なるほどなのじゃ!」と声をあげる。
「時空間魔法で転生したのじゃな!」
「ぎくぅっ!」
ギョッと目を見開くアンナマリア。冷汗ビッショリで肩を震わせる様子は、明らかにただ事ではない。
「アルテミアは時空間魔法に長けておったからの、時空を超えて転生してきたのじゃな。しかしなぜ子供の姿なのじゃ? 時空間魔法で時を進めれば、大人の姿まで戻れるはずなのじゃ」
「ヨグソードが手元になかったからっすよ!」
ウルリカ様の言葉でアンナマリアはプツンッと切れてしまったようである。キッと目を尖らせながらウルリカ様へと詰め寄っていく。
「ヨグソードなしの時空間魔法では、子供に転生するだけで精いっぱいだったんす!」
「それは悪いことをしたのじゃ。千年前の戦いで拾ったものの、妾はヨグソードを使わなかったからの。サーシャにあげてしまったのじゃ」
「あげてしまった!? 時空剣ヨグソードは世界にただ一つの、時空間魔法の魔法媒体っすよ! 正真正銘の神器っすよ! あっさり人にあげないでくださいっす!!」
あたふたとした雰囲気は消え去り、アンナマリアは大声を張りあげている。どうやらすっかり素に戻ってしまったようだ。
アンナマリアの豹変っぷりに怯えながらも、シャルルは恐る恐る口を開く。
「教主様……本当に教主様は千年前の……?」
「そうっすよ! 私は勇者アルテミアの転生体っす、つまり千年前に存在した勇者アルテミア本人っすよ」
「は……はは……ご本人か……」
「アルテミア様は千年前の勇者アルテミア様本人ですのね……。そして伝説に出てくる魔王とはウルリカのことですのね……。アルテミア様は千年前から時空間魔法で転生してきたのですわね……。頭が追いつきませんわ……」
「突拍子もなさすぎますね……」
あまりにも規模の大きな話を聞かされて、三人はすっかり放心状態だ。そんな中シャルルはハッと気づく。
「ちょっと待ってくれ! ということは教主様とウルリカ嬢は敵なのか!?」
シャルルの言葉でザワリとするオリヴィアとシャルロット。しかしウルリカ様とアンナマリアは緩い雰囲気のまま変わらない。そして──。
「戦いはしたっす、けど敵ではないっすよ?」
「うむ、敵ではないのじゃ!」
「本当の敵は“邪神”っすからね」
ウルリカ様の姿を見て顔面蒼白のアンナマリア。一方のウルリカ様はキョトンとした表情でアンナマリアを見つめている。
「うむ? もしやお主はアルテミアかの?」
「いやいや違うっす! 私はアルテミアじゃないっす!」
「やはりアルテミアなのじゃ! 久しぶりなのじゃ!」
「違うっすよ! 話を聞いてないんすか!?」
そう言うとアンナマリアはプイッとそっぽを向いてしまう、先ほどまでの緊張感は一体どこへやら。
そんな中オリヴィアは、恐る恐る疑問を口にする。
「あの……もしかしてウルリカ様は、アルテミア様とお知合いなのですか?」
「うむ! 千年前に戦った仲なのじゃ、懐かしいのじゃ!」
「「「……千年前?」」」
突拍子もないウルリカ様の言葉に、オリヴィア、シャルロット、シャルルの三人は揃って首を傾げてしまう。
「まさかウルリカ様……千年前に存在したという、勇者アルテミア様のことを言っているのですか?」
「千年前の勇者アルテミア様は、魔王と戦った伝説の勇者様ですわよね。もしかして伝説に出てくる魔王とは、ウルリカのことですの?」
「伝説はよく分からんのじゃ、とにかく千年前に戦ったのじゃ」
「待ってくれ、現在の教主様は第十九代のアルテミア様だ。ウルリカ嬢と勇者アルテミア様が戦っていたとして、なぜウルリカ嬢は現在のアルテミア様を知っているのだ?」
「確かにシャルルの言う通りですわね……千年前のアルテミア様と現在のアルテミア様は別人のはずですわ、“久しぶり”という挨拶はおかしいですわよ?」
「シャルロットちゃんの言う通りっす! 私は勇者アルテミアではないっすよ!」
「うーむ……」
次々とあがる疑問、しかしウルリカ様はハッキリ答えようとしない。アンナマリアの方を見ながら、じっと考え込んでいる。
「お主から感じる魔力はアルテミアのものと同じなのじゃ、しかし姿は千年前と違うのじゃ……」
しばらく考え込んでいたウルリカ様は、ポンッと手を叩き「なるほどなのじゃ!」と声をあげる。
「時空間魔法で転生したのじゃな!」
「ぎくぅっ!」
ギョッと目を見開くアンナマリア。冷汗ビッショリで肩を震わせる様子は、明らかにただ事ではない。
「アルテミアは時空間魔法に長けておったからの、時空を超えて転生してきたのじゃな。しかしなぜ子供の姿なのじゃ? 時空間魔法で時を進めれば、大人の姿まで戻れるはずなのじゃ」
「ヨグソードが手元になかったからっすよ!」
ウルリカ様の言葉でアンナマリアはプツンッと切れてしまったようである。キッと目を尖らせながらウルリカ様へと詰め寄っていく。
「ヨグソードなしの時空間魔法では、子供に転生するだけで精いっぱいだったんす!」
「それは悪いことをしたのじゃ。千年前の戦いで拾ったものの、妾はヨグソードを使わなかったからの。サーシャにあげてしまったのじゃ」
「あげてしまった!? 時空剣ヨグソードは世界にただ一つの、時空間魔法の魔法媒体っすよ! 正真正銘の神器っすよ! あっさり人にあげないでくださいっす!!」
あたふたとした雰囲気は消え去り、アンナマリアは大声を張りあげている。どうやらすっかり素に戻ってしまったようだ。
アンナマリアの豹変っぷりに怯えながらも、シャルルは恐る恐る口を開く。
「教主様……本当に教主様は千年前の……?」
「そうっすよ! 私は勇者アルテミアの転生体っす、つまり千年前に存在した勇者アルテミア本人っすよ」
「は……はは……ご本人か……」
「アルテミア様は千年前の勇者アルテミア様本人ですのね……。そして伝説に出てくる魔王とはウルリカのことですのね……。アルテミア様は千年前から時空間魔法で転生してきたのですわね……。頭が追いつきませんわ……」
「突拍子もなさすぎますね……」
あまりにも規模の大きな話を聞かされて、三人はすっかり放心状態だ。そんな中シャルルはハッと気づく。
「ちょっと待ってくれ! ということは教主様とウルリカ嬢は敵なのか!?」
シャルルの言葉でザワリとするオリヴィアとシャルロット。しかしウルリカ様とアンナマリアは緩い雰囲気のまま変わらない。そして──。
「戦いはしたっす、けど敵ではないっすよ?」
「うむ、敵ではないのじゃ!」
「本当の敵は“邪神”っすからね」
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