音を知らない鈴

布袋アオイ

プロローグ

底を知らない君たちへ 


ある人は言う、今の俺は人生のどん底だ。
ある人は言う、私はもっと幸せになりたい。

それを聞いたひとりが言った、
どん底を知ってるだけまだいいと。







皆さんは自分の名前の由来を知っていますか?
小さい頃から知っている人は、きっと大人になっても知らない人の気持ちは分からないでしょう。
意外と自分を知る大きな手掛かりだったりするんですよ。
だから大切にしないといけない。
名前も、名前の持ち主である自分自身も。

このストーリーの主人公、楠鈴音は自分の名前の由来を知りません。
人生において名前の由来を知らない事なんて大した問題では無いと思っていました。
しかしそれが人生の落とし穴、奈落の底への入り口だったのです。
主人公はどうなっていくのか…。
名前の由来を知らない女の子の日常は、他の人と比べてどう違うのか。
このストーリーできっと貴方も大切に思えてくるはずです。名前と自分のこと。

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