セカンド・ワールドの魔王

魔王なおチュウ(魔闇直樹)

1-4 始まりの森初めてのバトル

 魔理守の目の前にいる二匹のモンスター【キャンディーボール】。そのレベル1とレベル2。普通ならレベル1の状態で2体を相手にするのは簡単ではないが、それに臆する事無く、嬉しそうに笑みを浮かべ構える魔理守、彼の種族は〈小悪魔〉レベル1

 この世界での一番最初のバトルである。初手は魔理守から仕掛ける。

「くらえ!!」

 魔理守はエネルギー玉を連写する。それがレベル2のキャンディーボールに命中する。

「おー、まりりん初めてなのにすごーい。もうHP少しだよ」

「まぁな、楽勝楽勝!」

 彼は、ノリノリで答える。

「でも、MP大丈夫?」

 あおりんが、聞いてきた。

 MPとは、〈マジックポイント〉の事。魔法やスキルを使うと減っていく。

 さらに、悪魔系の種族である魔理守は、魔法を多様する為、MPを多く使うので出来れば数値は多く必要である。

 ちなみに魔理守はレベル1のためMPは12である。

 先程、何発かエネルギー玉を打っていたため、

「やべ、全然ない、やらかした!!」

 残りMPが少なくなり多少焦る魔理守。だが彼は、「だったらこうだ!!」と言い、翼を広げ、飛ぶ!

 【飛行スキル】だ。彼の場合は【悪魔の翼】と呼ばれる。このスキルは、悪魔族の固有スキル。そして、飛行した彼は空中から攻撃を繰り出す。

 まずは通常攻撃、蹴りを入れ、レベル2のキャンディーボールを倒した。

 さらに続けて、

「《デビルクロー》!」

 魔理守の手を黒いオーラが纏い、鋭い爪が現れた。

「くらえーーー!!」

 魔理守はその爪を使い、連続でキャンディーボールに攻撃をする。

 彼の一方的な攻撃に何も出来ず、最後のモンスターは、消滅した。

「キャンディーボール撃破!!」

 魔理守は気分良く叫んだ。

 そしてあおりんが横から、

「おめでとう!だけどMPどうするの?もう2しかないよ?」

「あっ、やべぇ使いすぎた。」

 少しあおりんが彼をからかう。

 魔理守が少し焦った。するとあおりんが、

「しょうがないな~。ちょっとそこ動かないで!」

 そう言いながら、銃を出してきた。

「え?」 バンッ!!

「ぐっいきなりなにすん……あれ?」

 あおりんに銃弾を打たれた魔理守は、何故かダメージを受けてない。なぜなら、

「ふふっ回復弾Mだよ!ビックリした?」

 あおりんが笑いながら答えた。

「おいコラ、このや……」
〔うっかわいい、なんて、いう笑顔だ……〕

 このやろうふざけんなと言おうとした魔理守だが、相変わらずあおりんのかわいい笑みには勝てない。

 魔理守は「まぁ、ありがとな」と少しため息つきながら、お礼を言い、あおりんも「りょうかーい」と笑顔で返す。

「とりあえず、これからどうする?」

 あおりんが聞いてきた。

「レベル上げをしたいけど、どうしようか。アイテムを買おうかな……って何で買ってないんだ俺!」

 大事なことを忘れてた魔理守。それを知っていてあおりんは、

「あっ、気づいちゃった。ピンチの時に助けようと思ったのに、私はレベル6だし」

 少し自慢しようとしていたようだ。

「この…まぁ、今から村に戻るぞ」

 魔理守は文句を言おうかと思ったがそれを止めて、ついさっきまでいた村へ2人は戻っていった。

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