女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが ~2nd season~

ko-suke

301話 全てはスタートラインから




日向「お、落ち着けなってみんな。ほら、ちゃんと足元見てないと転んじゃったりするかもだし、ね?」

由良「関係ないね。1秒でも無駄にしたくないんで。」

日向「そ、そんなこと言ってもさ・・・どうしても越えられない壁ってあると思うんだよね。今回だってそれだし、ここは潔く・・・」

江美「諦めろ、なんて言わないわよねぇ?」ゴゴゴゴゴ

日向「・・・いやその、諦めてください」

叶恵「嫌なこった。日向が首を縦に振るまで、あたしらはここからどかないよ!」

日向「勘弁してぇぇぇ!」

僕は部屋の入口で仁王立ちする妹達に対し、そう叫ぶのであった。

えーっとね、そもそもなんでこんなことになったのかと言いますと。前回のあと僕は、妹達から逃げ出して、部屋にこもることにした成功したんですよ。

しかしながら、これがいけなかった。

部屋入口のドアには鍵をかけていたんだけど、それを開けられ、しまいには僕が逃げられないよう、ドア付近に仁王立ちされた、という状況です。意味わかんないね。

日向「ここ、僕の部屋なんですよ。」

奈々「知ってるの」

日向「なら、そこからどいてくれませんかね?」

睦月「・・・それは出来ない。どいて欲しくば、『みんなと結婚する』と男らしく宣言したまえ。」

日向「したまえ、じゃないよ!しないからね!いい加減どいてよ!」

衣玖「人に要求しておいて、こっちの要求はのまないつもり?そんなのが通ると思ってるの?」

日向「くっそド正論すぎて言い返せない!」

衣玖の言う通りだった。たしかにそれは虫が良すぎる気がして・・・。

日向「さすがに悪かった、僕側の─」

そこまで言って、留まった。全部があいつらの過失であって、僕のそれは要求でも何でもなく、ただの当たり前の行為であったことに気づいたのだ。

日向「いや、全部お前らのせいじゃん!くぅ、衣玖め!僕をはめやがったな!」

衣玖「え、えぇ・・・。そんなつもりじゃないんだけどなー・・・。」

衣玖はポカーンとしていた。きっと、とぼけているのだろう。こいつ気づくの遅くねとか、そんな目はしてない。きっとしてない!

そして、いい加減しびれを切らしたのか、由良が地団駄を踏み出した。

由良「・・・んもー!全然話が進まないじゃないの!」ダンダン

日向「ダンダンするのやめて!?というかお前らのせいだからな!そこからどいて、普通の兄妹に戻る!それで全て解決なんだぞ!」

江美「無理ね、もう我慢できないもの。それと、普通の兄妹に戻るって何?」

江美に、そう問われた。

日向「何って、今までと同じように・・・」

江美「今までが普通の兄妹だとでも言うつもりかしら?少なくとも、私たちはそのつもりは無いけど。」

日向「・・・へ?」

叶恵「あたしらは、気づいた時には日向が好きになってた。大切な人になってた。・・・普通の兄妹なんて、最初からなかったってことさ。あるのは男女関係のみ。」

叶恵から出た発言の衝撃は、凄まじいものだった。少なくとも、僕の心の中では。


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