女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが ~2nd season~
287話 特徴の大渋滞(衣)
水は流れるもの、時は過ぎ去るもの、ということでね。
時は水洗便所のように流れ・・・とかいうテンプレかどうかも怪しいものをかましたもころで、クリスマス編です。
そろそろこういう導入、やめてもいい気がする・・・てきとうにも程があるし。
睦月「メタを感じとりました。」ガチャ
日向「いきなり何?」
睦月がいきなり部屋に入ってきた。だけど、それはそこまで対した事じゃなかった。大事なのは・・・
日向「・・・なに、そのカッコ」
睦月「お、食いついた。クリスマスの格好してみたの。どうどう似合ってる?」
日向「・・・うん、似合ってる。似合ってるけどさ・・・」
僕は睦月を一瞥して、こう言った。
日向「なんで全身タイツなのさ!?」
睦月は、全身を茶色のタイツで身を包んでいた。いや、何のコスプレしてるかは一目瞭然だけどね?でもさぁ・・・。
睦月「前回のハロウィンコスプレじゃ、全然目立たなかったから。ここで一発、でかいのかまそうかと。」
日向「インパクトはすごいけど、その・・・ちょっとばかし目のやり場に困るなーって・・・はは・・・」
全身タイツってのは、シルエットがそのまま出る訳でして・・・決してないわけじゃないし、本格的に寄せてるせいか、おしりの方からちょびっとしっぽみたいなのでてるし。
それはまぁ、間違ってもじーっと見ちゃいけないやつでした。・・・見てるのはしっぽじゃないだろって?やかましいわ。
睦月「何を言ってるの。全然ジロジロ見てくれていいよ。なんなら、ポージングとか取ろうか?」
日向「いや、結構です・・・。」
睦月「ほらほら、こういうのがいいんでしょ?・・・小さい方がいいんだもんね?」
日向「睦月、おまえなぁ・・・」
にししと笑ってくる睦月をなんとか引きはがそうとして・・・止めた。プルプルと小刻みに震えてるのがわかったからだ。
最初は寒いのかと思った。そりゃあ、こんな真冬に全身タイツだもんなぁ・・・と。だけど、そうじゃなかった。彼女は・・・泣きそうな目をしていた。
日向「・・・睦月?どうした、どっか痛いのか?」
そう聞くと、睦月は黙って抱きついてきた。さっきので邪険に扱う訳にも行かず、抱きしめ返して頭を撫でる。
睦月は、ゆっくりと話した。
睦月「・・・わかってる。私には、皆みたいな魅力がない。だから・・・少しでも印象に残りたくて・・・」
日向「睦月は十分魅力的だよ。これ以上どう魅力的にしろってのさ。」
睦月「そう、これ以上は上げられない。これが私の・・・限界。もっと、私を見てもらいたいのに。私を・・・好きになって欲しいのに。」
月並みの褒め言葉じゃ、もう睦月には届かない。それがわかった以上・・・大胆で、純粋な手に出るしか無かった。
僕は睦月を少しだけ離して・・・
日向「睦月、ちょっとおでこ借りるよ」
睦月「・・・え」
そのまま、おでこにキスをした。・・・顔が熱くなる。僕も、睦月も。
日向「・・・大好きだよ、睦月も、皆も。じゃなきゃ、こんなことしないでしょ?」
睦月「・・・そこは嘘でも、私だけって言って欲しかった。」
日向「ごめん、自分に嘘つきたくないんだ。だけど、大好きだってのは本当。こういうことを・・・いや、その先もしたいって思うくらいには・・・ね。」
そういうと、さっきまでの涙目はなくなり、光輝く目になった。キラキラというより、ギラギラに。
睦月「・・・はあ、仕方ない。これからももーっと支えてあげなきゃね、お兄ちゃん♡」
日向「はは・・・さらに重くなった気がする」
軽率にこんなこと、言わなきゃ良かったと思う僕なのだった。
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