女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが ~2nd season~

ko-suke

284話 正論とくるっくる(許)




アフィア「それで、日向のお父さんに何を言われたって?」

日向「うん。お父さんに、『別に男だからってカッコよくいる必要はない、可愛いならそれでも別にいいのでは』って・・・でも、やっぱりカッコイイ方がいいような気がして・・・。」

アフィア「なるほどね、それで直接聞いてみようと。」

日向「うん、そういうこと。」

アフィア「控えめに言ってバカじゃないの?」

日向「いきなりヒドイっ!?」

アフィアちゃんにズバッと切り捨てられてしまった。それにしても、アフィアちゃんがいるだけで話がサクサク進むな・・・誰さんとは大違いだ。

チラッとその誰かさんの方を見ると、当の本人はさっきの言葉が嬉しかったのか、すっごくニコニコしていた。・・・笑顔が似合ってて、凄く可愛いのがムカつく。

アフィア「いや、だってそうでしょ?いくら悩んでるからって、悩みのタネ本人に聞く?普通は聞かないからね?」

日向「だって、それでアフィアちゃんに・・・んん、アフィアちゃん"達"に嫌われたら嫌だから・・・。」

由良「ふ~ん?そうだったんだぁ?」

思わずアフィアちゃんだけを名指ししたら、横からすごい形相で睨まれた。・・・こいつって奴は、本当に・・・。

アフィア「・・・はぁ、まぁいいけどさ。それで答えだけど・・・」

日向「う、うん。」

僕はどう言われてもいいように身構えた・・・が。

アフィア「どっちでもいいんじゃない?」

日向「・・・はぇ?」

答えは予想の遥か斜め上を突っ切っていった。



日向「・・・ど、どっちでもいい?」

アフィア「えぇ。」

日向「えと、それってどういう意味?」

アフィア「そのままの意味よ?」

日向「えぇ・・・?」

僕はよく、意味がわかっていなかった。カッコイイ方がいい、カワイイ方がいいならまだしも、どっちでもって・・・。

お母さん風に言うなら、どっちでもとか、何でもとか言われるのが1番難しいんだよな・・・。

そんな僕を見かねたのか、アフィアちゃんはこう付け足した。

アフィア「だってそうでしょ?いつもの可愛い日向は日向だし、たまに見せるカッコイイ日向も日向だもの。私は、どっちも好きよ?」

由良「私も同意見ね。どっちの日向も魅力的よ?それこそ、写真に収めたいくらいに・・・うふふふ。」

突然の江美っぽい由良はさておき、そういう事か・・・というか、そういうものなのだろうか。

日向「でも、それじゃどうすれば・・・」

アフィア「日向のお父さんも言ってたんでしょ?カッコよくいなきゃダメってことはないし、可愛くちゃダメってこともないもの。」

日向「アフィアちゃん・・・」

ここで僕はふと、お父さんの言葉を思い出した。

『変わろうとするのは結構だが、変わったお前は本当にお前なのか?』

『変わろうと努力するのはいい事だ。だけど、無理に変わる必要は無い。』

・・・そっか、そういう事だったんだね。お父さんの言う通りだったよ。・・・それはそれでちょっぴりムカつくけど。

アフィア「あ、でも」

ふと、アフィアちゃんはそう言う。その瞬間、アフィアちゃんはイラついた顔になった。

アフィア「可愛すぎるのはダメね。私より可愛いと、女としての威厳がないもの。男の日向の方が可愛いとか、ちょっとイラッとするわね。」

日向「ふぁっ!?」

由良「あ、それも同意見。本当に男なのか怪しいもん。今だってめっちゃメイド服似合ってるし、色っぽいし。ちょっと世間は許してくれませんよ。」

日向「ひぇぇ!?」

あのほんわかした雰囲気から、一気に戦場へと化したのだった。うせやろ?


コメント

コメントを書く

「学園」の人気作品

書籍化作品