女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが ~2nd season~

ko-suke

261話 真実は時に牙をむく(愛)




子供s「・・・はぇ?」

気の抜けた返事。それしか出来ないほど、僕達は混乱に陥っていた。

由良「・・・け、結婚してない?」

大和「あぁ」

江美「・・・冗談でしょう?」

小鈴「本当よ?」

即答された。この兄妹、お父さんと小鈴お母さんが、結婚してない?なのに、衣玖という子供はいる・・・?もう、わけわかんない。

衣玖「えっと・・・えっと・・・」

衣玖も返す言葉がないのだろう。というか、どう言えばいいのかわからない、という方が正解かも。さっきから、「えっと」だの「うんと」だの、そんな言葉しか発してなかった。

だけど、何かを思いついたかのように、突然身を乗り出した。

衣玖「つ、つまり・・・私は養子で、私とお兄ちゃんは血の繋がってない兄妹ってこと!?」

大和「いんや、違うよ。思ったよりドストレートに聞いてきたね?」

小鈴「安心して衣玖、ちゃんと私とおにぃの子だから。」

衣玖「あ・・・そっすか・・・うす・・・」

明らかに絶望した顔の衣玖。・・・考えたくはないけど、おそらく血が繋がってなければ結婚しても問題ないとか思ってたんじゃね、こいつ。

由良「・・・えっとさ、結婚してないならなんで子供を?その、恥ずかしいから口にしたくはないけどさ・・・つまりそういう事よね?」

小鈴「えぇ、そういうことをしたよ?だって、おにぃのこと愛してるし。」

大和「恥ずかしいことをよくもまぁ、そんなスラスラ言えるよな・・・。」ポリポリ

お父さんは、小鈴お母さんの回答に、若干戸惑いを見せていた。

江美「愛してるって・・・だって結婚してないんでしょう?」

大和「結婚だけが愛情の印じゃねぇからな。」

小鈴「まぁ、いわゆる愛人ってやつだね?なんならここでキスでもしようか?」

叶恵「いえ・・・結構です・・・」

そのショックは、叶恵の男勝りな口調が無くなるほど。まぁ、親でなかろうといい歳した人らのキスシーンは、こっちから願い下げですがね・・・。

奈々「というか愛人って、お母さんたちは怒らなかったの?」

小鈴「大丈夫大丈夫、理子さん達公認の愛人だからね。それに、出来ることなら結婚したいよ?でも、世間はちょっと許してくれませんからね。」

大和「まぁ、そういうことだな。」

お父さん達は笑ってそういった。その瞬間、妹達の目からハイライトが消えた。

睦月「・・・まさかとは思うけど、お父さんは私たちに、遠回しに諦めろって言ってるの?」

大和「へ?あぁいや・・・」チラ

お父さんはこっちを見てきた。僕は物凄く睨みをきかせ、妹達に諦めろと言ってくれと懇願こんがん。お父さんはコクっと頷き・・・こう言った。

大和「諦めろとは言わねぇさ。そもそも、言える立場じゃねぇしな。ただ、ガンガン攻めろとも言わねぇけど。」

何がコクっと頷きだよ、全然伝わってねぇ!

大和「ただ・・・俺らはあくまで運が良かったってことは言っておく。意味は、分かるよな?」

衣玖「・・・そりゃあ、まぁ。」

小鈴「・・・その覚悟があるのか・・・いえ、それでもなお、形として残すのか、それが大事なのよ。」

お父さんと小鈴お母さんは、今までに無いほど真剣な眼差しで言った。


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