女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが ~2nd season~
185話 その人はその人であるからして
5月1日、土曜日。アフィアちゃんが転校してきて、もうすぐで1ヶ月が経とうとしていた。
世間はゴールデンウィーク、僕達はみんなで水族館に来ていた。
しかも、なんと今回は
アフィア「全く、なんでわざわざ私まで・・・」
忍「そんなこと言わないの。なんかのきっかけになるかもしれないでしょ?」
日向「アフィアちゃん、楽しみじゃないの・・・?」
忍「大丈夫よ日向君。この子、素直じゃないだけだから。」
アフィア「お母さん、それ以上てきとうな事を言わないでくれる?」
忍「あら、本当のことよ?」
何故かちょっと険悪なムードになってる、アフィアちゃんとそのお母さん。
大和「にしても、こんな偶然ってあるんですねぇ。たまたま同じ日に、同じ場所に行こうとしてたなんて。」
理子「仕組んでるんじゃないかってくらい、ピッタリでしたからね。」
忍「ほんとね。すごい偶然だわ。」
アフィア「偶然なのかなぁ・・・?」
そう、事の発端は、ゴールデンウィークのお出かけ先、お出かけ日がたまたま同じ場所だったことにあるのだ。
特に合わせた訳でもないみたいだから、すっごい偶然なんだってさ。凄いなぁ、ほんと。
・・・なんか愛菜お母さんと睦月がグーサインしてるんだけど、なんだろ?まぁ、いっか。
そして僕達は、水族館の中へと入っていくのだった。
入って早々、何故か妹達は親に連れていかれ、その場には僕とアフィアちゃんしかいなかった。・・・というか、取り残された。
日向「あー・・・えっと、アフィアちゃん?」
アフィアちゃん「・・・何?」
日向「その、もし良ければ・・・一緒に見ない?」
アフィアちゃん「・・・別にいいけど。」
よかった、断られてたらどうしようかと思ったよ。
早速、僕はアフィアちゃんと水槽をまわった。珍しい生き物だったり、水槽ロードとかいう、歩くところが1面水槽になってたりする所を見た。
・・・だけど、アフィアちゃんは終始空返事で、楽しくなさそうだった。
日向「あ、あの・・・アフィアちゃん?何か見たいところとかある?」
アフィアちゃん「・・・特にない」
日向「そ、そっか・・・」
・・・気まずい。うーん、どうしたものかなぁ。
結局、考えても考えてもいい案は浮かばず、そのまま、目玉のサメエリアに。チョウザメやらシュモクザメやらが泳いでいる水槽に行った。
日向「いつ見ても、サメってすごいね!ね、アフィアちゃ・・・」
そこまで言って、アフィアちゃんが何やらブツブツと呟いていることに気がついた。
よく聞くと、その内容は
アフィア「・・・あのチョウザメから、どれくらいのキャビアが取れるのかしら。あっちのシュモクザメからは、どれだけのフカヒレが取れるのかしら。」ボソボソ
日向「っ!?あ、アフィアちゃん、そのセリフ・・・!」
アフィア「あ?何よ・・・」
そのセリフは、初めて聞いたことじゃなくて。
11年前のゴールデンウィークに、ガーナの公園でやっていた、「水棲生物展示場」でのセリフと、一言一句違わないものだった。
どれだけ時が経とうと、例え記憶喪失だろうと、アフィアちゃんはアフィアちゃんなのだと、この日改めて僕は思うのだった。
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