女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが ~2nd season~
170話 その感情は突然に(激)
大和「それは・・・その・・・」
目を泳がせて、父さんはそう言った。
ふざけるな、と。僕がどんな気持ちで手紙を待っていたのか分かってるだろ、と。そう言いたいけど、少し抑える。
日向「なんで、黙ってたの。」
大和「お前に・・・どう伝えればいいのか分からなかった。悲しむのは、わかっていたから。」
日向「だから、言わなかったと?」
大和「あぁ。・・・言わなきゃいけないと、分かってはいたんだけどな。すまなかった。」
頭を下げて、謝られる。
違う、そうじゃない。僕は、謝って欲しいんじゃないんだ。
大和「3年くらい前、アフィアちゃんのお母さんから、連絡があったんだ。」
知ってるよ、その事は。僕が聞きたいのは、そうじゃなくて・・・!
大和「最初は、伝えようと思ってたんだけど・・・理子達と話し合って、黙ってることにしたんだ。その方が、日向のためになるって。」
僕が知りたいのは、そんなことじゃない!アフィアちゃんは、どうして記憶喪失になっちゃったのか!3年前に、何が起こったのかを・・・!
大和「だけど、さすがに心苦しくなって・・・だから、アフィアちゃんのお母さんと話し合って、アフィアちゃんを日本の学校に・・・」
そこまで聞いた瞬間、僕の中で何かが切れた音がした。
日向「・・・っざけるな」ギリ
大和「日向・・・?」
日向「ふざけるなぁぁぁ!!」ガッ
大和「かはっ・・・!?」
咄嗟に、お父さんの首襟を掴む。
日向「あんたがやってるのは、優しさでも何でもない!ただの自己満だ!!」
大和「ひゅう、が・・・」
日向「あんたがほんとに俺の事を思っているのなら!俺に伝えるのが1番だってわかったはずだ!なのに・・・!」ギリギリ
大和「ひゅ・・・が・・・」
父さんの目が、虚ろになっていく。でも僕は・・・俺は、止められなかった。やるせない感情を、ぶつける他なかった。
理子「何騒いでるの・・・って、大和!?日向、やめなさい!!」ガシッ
日向「母さん・・・!」
加奈「大和、大丈夫か?日向、お前・・・」
母さんと加奈母さんが入ってきて、俺を止めた。自分じゃどうにもならなかったから、正直助かった。けど・・・
日向「離せ・・・離せよっ・・・!あんたらに、俺の何がわかるってんだ!!」
理子「どんな理由があろうと、ひとを○そうとしていい理由なんてないのよ!!」
加奈「理子の言う通りだ。日向、少しおちつけ。」
日向「落ち着けるわけないじゃん・・・。僕を、俺をこんなにしたのは、アフィアちゃんのことを黙ってたあんたらだろうが!」
母さん達とも激しい口論になった。思ってもいない悪口が、スルスルと口から出ていく。抑えられない感情が、心の機能を停止させているかのようだった。
日向「もう、嫌だ・・・!こんな家、産まれてくるんじゃなかった!」
理子「な・・・あんたねぇ!!」
そんな、どうしようも無くなった僕を止めてくれたのは
大和「やめろ!!」
ずっと、優しくて
大和「もう・・・やめてくれ・・・。」
凄く、家族思いで
大和「全部、全部俺が悪いんだ。俺のせいで、お前を苦しめた。・・・許せとは言わない。でも、理子達は責めないでくれ・・・」
大嫌いな、父さんだった。
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