女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが ~2nd season~

ko-suke

165話 俗に言う、数年後の話(願)




それからの数ヶ月は、なんというかパッとしない日々だった。

アフィアちゃんのいない学校が、ここまでつまらないものなのかと、そんなことを思う日々。向こうにいた頃は分からなかったけど、こんなだったんだね。

そんなだから、学校に行っても仲のいい友達は居ないし、喋るのも妹達と先生だけ。
早くもアフィアちゃんシックになってしまいました。

だけど、大丈夫。僕にはこれがあるんだよね!

日向「さて・・・今週はどんな内容かな。」

毎週土曜日にわたされるその手紙を眺めることが、僕の毎週の楽しみになっていた。

ちなみに、今週はこんな感じ。

『日向へ
最近、あんまり元気なさそうだけど大丈夫?なんかあったら、由良とかお母さん達に言うんだよ。
こっちでは今週、遠足に行きました。楽しかったよ!日向ともいきたかったなぁ。
またいつか、会えるのを楽しみにしています。じゃあね!          アフィアより』

・・・ええ子や、ほんと。

さっきまでの弱音はどこへやら、すぐさま返事を書いて、郵便局にダッシュする僕なのだった。



あれから数年が経過した。僕は最近、土曜日になると決まってポストを何度も確認するようになった。

9時に開け、10時に開け・・・時には30分置きに開けることも。なんでこんなことをしてるのかって?決まってるでしょ、アフィアちゃんからの手紙を待ってるんだよ。
唯一の楽しみなんだもん。

来たらすぐに受け取れるように、こうして何回も確認するんだ。・・・まだ、かなぁ。もう、1年は来てないなぁ。

まだかな、まだかな。アフィアちゃん、忙しいのかなぁ・・・。

僕の気持ちとは裏腹に、今日もまだ、来る気配はなかった。



由良「日向・・・また外にいる・・・」

江美「このままじゃ、日向が壊れちゃうよぉ・・・。なんでずっと来ないの?アフィアちゃんは何してるの・・・。」

叶恵「うーん・・・どう声掛けりゃいいかね。あの状態の日向にゃ、何喋ったって上の空だし・・・」

奈々「にー・・・。奈々、心配なの・・・」

睦月「ほんと、なんで来ないんだろうね。」

衣玖「ね。アフィアお姉ちゃんが、お兄ちゃんを放っておくとは思えないし・・・」

日菜「ねぇねぇお母さん、お兄ちゃんなんでずっと外にいるの?」ギュ

理子「それは・・・」

大和「・・・日向」

由良「・・・お父さん?どうしたの?」

大和「っ、いや、なんでもないぞ?きっとアフィアちゃんも、勉強とか部活とかで忙しいんだよ。」

俺や理子達は、ずっと言えないでいた。

言ってどうなる?日向は、他のみんなは、それで喜ぶのか?・・・そんなわけが無い。むしろ落ち込むだろう。

それが目に見えていて、実行する勇気が、俺達にはなかった。

すまない、日向・・・こんな父さんで。俺にも、勇気なんてありゃしないんだ。

大和「・・・もしもし。俺だ、大和だ。ちょっと、お願いがあるんだが・・・」

俺は、とある願いを胸に、とある人へ電話をかけるのだった。


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